”大塚兄弟主演、フェリスはある朝突然に”
セカンド・アルバム『長いカーブを曲がるために』を10月15日に配信でリリースした“生活の設計”が、同アルバムから『タイニー・シャイニー/君に起こりますように』を、12月6日”レコードの日”に200枚限定で7インチ・シングルカットする。
アルバム中最もラウドなエレキギターが鳴り響き、典型的なロックンロールのタイトル曲は、Hedigan's(ヘディガンズ)のギタリスト、栗田将治をフューチャーしており、ライブでも人気のナンバーでもある。
左から大塚真太朗、大塚薫平
弊サイトでは9月に『長いカーブを曲がるために』の先行配信シングルで、GREAT3(1994年~)の片寄明人がプロデュースを手掛けた「稀代のホリデイメイカー」以来の紹介になるが、生活の設計のプロフィールに少し触れておこう。
彼らはリーダーでソングライター、ボーカル兼ギターの大塚真太朗と、実弟でドラム兼コーラスの大塚薫平による2人組のロックバンドである。前身バンドの“恋する円盤” や“Bluems (ブルームス)”時代を含めると9年以上の活動経歴を持っている。2023年4月にファースト・フルアルバム『季節のつかまえ方』、同年11月に7インチ・シングル『キャロライン』をリリースしている。
前出の片寄氏の他、元ピチカート・ファイヴの小西康陽氏など拘り派の音楽家からも高評価を得ており、昨年11月にはファッション・カルチャー雑誌『POPEYE』にも取り上げられるなど、音楽通以外の一般層にもその存在は浸透しつつある。
「タイニー・シャイニー」ライブ
ここではタイトル曲とカップリングについて解説していく。「タイニー・シャイニー」は若き日のポール・ウェラーがフロントマンだった英国のThe Jam(1972年~1982年)に通じる、パンキッシュなネオモッズ感覚のサウンドと、退屈な日々から逃避行したクラビングのワンシーンを切り取った歌詞が瑞々しく、大塚(真)の溌溂としたボーカルもこのようなアップビート・ナンバーでは一層映える。ゲスト参加した栗田がプレイするリード・ギターの存在感も極めて大きく、双方にとって意義のあるコラボレーションとなった。また大塚(薫)の激しいドラミングとコンビネーションするのは、ゲスト参加したLIGHTERSのべーシスト清水直哉だ。なお栗田が所属するロックバンドHedigan'sは2023年に結成され、あのSuchmos(サチモス)のボーカリスト、YONCEもメンバーとして参加しており、大きく注目されている。
カップリングの「君に起こりますように」は、レギュラー・サポートメンバーであるベーシストの大橋哲朗とキーボーディストの眞﨑康尚が参加し、大塚(真)のジェントルな歌詞とボーカル、眞崎による印象的なピアノが耳に残るラヴソングだ。タイトル曲とは一転して、ミドルテンポでメロディックなソフトロック調のサウンドで、米東海岸シャッフルのブリッジを挟むなどアレンジ的にも凝っており、弊サイト読者にもアピールした好ナンバーに仕上がっている。
なお繰り返しになるが、本作は200枚限定の7インチ・シングルで、インナースリーヴには大塚(真)による、“ここでしか読めない”創作メモを掲載し、制作背景や楽曲のイメージが垣間見える特別仕様となっているそうだ。筆者の詳細レビューを読んで興味を持った音楽ファンは早期にリンク先のショップで予約して入手しよう。
(テキスト:ウチタカヒデ)
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