1998年2月25日水曜日

☆赤い鳥:Fly With The Red Birds(アルファ/5230)

 70年8月にリリースされた赤い鳥のデビュー・アルバムが初 CD 化された。このアルバムはロンドンで録音され、ほとんどの曲が英語でプロデューサーもイギリス人と、サウンド的に完全に洋楽のアルバムになっている。注目はトニー・マコウレイが3曲を提供していることだ。
1曲はピケティウィッチで知られる "That Same Old Feeling" だが、他の "The Last Trace Of Loving Has Gone" と "Boulevard Saint Michelle" は書き下ろしの可能性が大。そして内容も特に前者は軽快でキャッチーなメロディを持つ、マコウレイの面目躍如の傑作なので必聴。サウンドはもちろん赤い鳥のヴォーカルも素晴らしく、聴いただけではこれが日本のアーティストと誰も思わないだろう。外国のライターに混じってこのアルバムに2曲収められた村井邦彦のナンバーも秀逸で、日本人離れした村井のセンスに改めて驚かされるだろう。「翼を下さい」のブレイク以前の作品で、なかなか中古盤店でも入手出来ないアルバムなのでお買い逃しなく。他にセカンド、サードも同時に CD 化されている。(佐野/Special Thanks To 濱田)
Fly With The Red Birds

1998年2月10日火曜日

☆Yellow Balloon : The Yellow Balloon (Sundazed/11069)

ようやくゲイリー・ゼクリーの最高作、イエロー・バルーンが CD 化された。日本では5年前にM&Mからリリースされ、既に名盤としての評価が定着していたが、サーフ・ミュージック関係の復刻で素晴らしい実績を持つSundazedが、得意の未発表ボーナス・トラック付きでさらにパワー・アップしてリイシューしてくれた。一昨年に53歳でこの世を去ってしまったゲイリー・ゼクリーは、キャッチーで美しいメロディーを書けるソングラインティグと、ブライアン・ウィルソンやフィル・スペクターの音作りを消化した華やかなサウンドとハーモニーを生み出せる優れたプロデュース能力を兼ね備えた才人だった。そのゲイリーの創作能力の頂点で生み出されたのがこのイエロー・バルーン、60年代のロック/ポップ・ファンなら必ず入手すべきアルバムである。さて、肝心なボーナス・トラックだが、M&Mと重ならないのはメンバーのドン・グラディのソロ・シングル2枚と、 "Follow The Sunshine" のモノ別ミックス、 "How Can I Be Down" のデモだけである。この内ドン・グラディはイエロー・バルーンではないし、 "Follow~" はゲイリー作ではない出来の悪い曲と、聴きものは "How Can I Be Down" のシンプルなデモだけだったのはちょっと残念。(佐野)
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