2005年3月25日金曜日

Radio VANDA 第 60 回選曲リスト(2005/04/07)

Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 毎月第一木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。


特集Free Design

1. Kites Are Fun  ('67) Single Version
2. My Brother Woody
 
('67)
3. You Could Be Born Again
 
('68)
4. The Now Sound Of Christmas
  ('68) from US Air Force LPThe Now Sound Of A Christmas Party 1968

5. The Proper Ornaments
  ('68)
6. You Be You And I'll Be Me
  ('69) from US Air Force LPHere Come The Airmen Of NoteLive

7. My Very Own Angel
  ('69)
8. Settlement Boy
  ('69) 
Ellen Dedrick
9 .Bubbles
 
('70)
10. Butterflies Are Free
  ('70) 
Single Version
11. To A Black Boy
  ('70) 
Unreleased
12. Don't Cry Baby
 
('70)
13. One By One
  ('71) 
Live with Birmingham Symphony Orchestra
14. Canada In Springtime
 
('72)
15. Begin Work
  ('72) Chris Dedrick

 

2005年3月18日金曜日

☆Various:『Coca-Cola Commercial Songs 1962-89』 (Geneon/GNCP1005)

この2枚組の CD は、日本で最初にコカコーラのCMが放送された1962年から1989年までの27年間のTV,ラジオのCMソングを一気に54曲集めたものだ。
そのほとんどが、初 CD 化どころか初音盤化という夢の企画である。企画と解説は濱田高志さんで、さすがというより言葉がない。
いくら紹介してもキリがないのでディスク1だけに絞って紹介してみよう。
まず68年の加山雄三とザ・ランチャーズの「コークの唄」は、宮崎尚志作曲のお馴染みのテーマのバリエーション。
同年のワイルド・ワンズの「コークと呼べば」は加瀬邦彦作曲のいかにもGSというアマチュアらしさも残るオリジナルだが、同年のヴィレッジ・シンガースの「素晴らしい虹」は筒美京平作曲の歌謡曲テイストのものになり両グループの個性が出ていた。
69年にもワイルド・ワンズは加瀬邦彦作曲で「青い空青いからコカ・コーラ」を作っているが、一気に洗練されたポップ・ナンバーに仕上がっていて加瀬の作曲の進歩が分かる。
71年の鈴木邦彦が作った「The Real Life」は、赤い鳥、トワ・エ・モア、尾崎紀世彦が歌い、世代の移り変わりがよく分かる。同じ鈴木邦彦作では73年の「うるおいの世界」が朱里エイコ、布施明という実力派シンガーが歌って聴きもの。
洋楽好きなVANDAの読者の方には、72年のクック=グリーナウェイ作の「愛のハーモニー」がまずお勧め。
ニューシーカーズでお馴染みの「I'd Like To Teach The World To Sing」のカバーだが、あの森岡賢一郎の編曲であの爽やかさは少しも失われていない。そして個人的なこの CD のハイライトが75年のロッド・マクブライエン作曲の「Coming Home」である。
グレン・キャンベル、ダイアナ・ロス、スタイリスティックスという夢のメンバーが競演し、どれもためいきが出るような素晴らしい出来ばかり。
さらに76年にはB.J.トーマスが同じくロッド作の「Come On In,Coke '76」を歌っていて、このラインナップだけで、絶対この CD が買いだと分かるはず。
ディスク2は矢沢永吉、トランザム、ハイ・ファイ・セット、サーカス、柳ジョージ&レイニーウッド、原田真二、SHOW-YA、EPO、上田正樹などが歌った77年以降のものが収録されていて、サウンド的にもぐっと洗練された名ヴァージョンが並ぶ。まずは黙って買いましょう。(佐野)


☆Eternity's Children:『From You Unto Us:The Complete Singles』 (Solid/CDSOL-7101)



エタニティーズ・チルドレンのアポロ、A&M、タワー、リバティの全シングルに、リンダ・ローリー、チャールズ・ロスのソロ・シングルなど23曲が収められた。
実はこれらのシングルはRev-Olaでリリースされていた『Eternity's Children』の CD と、Gear Fabからの『The Lost Sessions』の CD に全て収められていたものばかり。
この他は「Mrs.Bluebird」の間奏のないエディット・ヴァージョン、これはご愛嬌として、「Wait And See」のハープシコードなどが入っていない初期ヴァージョンが収穫だった。
音的にはこれはという目玉はないが、表ジャケットも含めた数点の未発表写真と、何よりも圧倒的に詳しい解説が、最高の贈り物。あまりに長い英文なので、その全ての対訳が付いた日本盤を買うより他にないね。
(佐野)
   
From Us Unto You: The Original Singles
                                 

☆One World Project (Various):『Grief Never Grows Old (DVD Version)』(One World Records/OWRD1)

 94年12月26日のインド洋大津波は30万人という未曾有の死者・行方不明者を生んだが、その被害者救援のチャリティ・レコードが、この CD だった。
 ブライアン・ウィルソン、クリフ・リチャード、バリー&ロビン・ギブ、ボーイ・ジョージ、スティーブ・ウィンウッド、ゲイリー・バックレイ、ジョン・アンダーソンなどが歌い、ビル・ワイマン、ケニー・ジョーンズ、ゲイリー・ムーア、リック・ウェイクマンらが演奏を、そしてジェフリー・フォスケットらがバック・コーラスを受け持った。
この CD はSingle Version,Orchestra Version,Choral Versionの3つのテイクが収められた CD がリリースされていて(OWR1) そちらは既にお聴きになったことだろう。
哀調が漂う美しく、悲しい曲だ。ただこの手の多数参加のチャリティものは映像を見ないと誰がどのパートを歌っているのか分からず、消化不良の思いが残ってしまう。
ところがちゃんとこのチャリティを企画したイギリスでは DVD ヴァージョンが出ていたのだ。
それぞれの歌っているパートがはっきりと分かり、これでこそ価値がある。ブライアン・ウィルソンは当然ながら予想通りの場所で歌っていた。
ケニー・ジョーンズがシンバルを叩いている場所が見られたり、よく目をこらしてみよう。
DVD のOrchestra Versionで、ストリングスは子供達の演奏だったのかと分かり、驚かされた。
そして DVD のみのVideoと題されたパートは、曲をバックにクリフ・リチャードらのインタビューで綴るインタビュー集。
イギリスなのでPAL、購入は amazon.co.uk、送料込みで7ポンド(1400円)程度だ。(佐野)
   

                                 

2005年3月9日水曜日

サノトモミ:『サイレント・フライト』(APRIL RECORDS ALCP-2006)


 サノトモミはnoanoaや流線形といったシティポップ・グループでゲスト・ヴォーカリストとして活動していたシンガーだ。
 本作は彼女の初ソロ・アルバムで、元流線形のキーボーディストである林有三(アレンジャーや角松敏生のバッキング・メンバーとしても活躍している)が作曲、アレンジも含め全面的にプロデュースしている。

 所謂AOR的方法論を活かしたサウンドは時としてBGMと流される一面も内在している訳だが、ここでは曲作りの根幹たるクオリティーの高いソングライティングにより、それをクリアしている様に思う。またサノのフラット気味なヴォーカルもサウンドに上手く溶け込んでおり高度にプロデュースされた賜物といえるだろう。 
 正にメロウ&スイートなタイトル曲をはじめ、フィリーソウル的ドラミング(アール・ヤング風)が冴える「追憶の鏡」等聴きどころは少なくない。林が弾くフェンダー・ローズやアナログ・シンセの音色は元より、スラップ・ベースのアクセントやギターのエフェクター処理からエンジニアリング・センスに至るまで相当70年代後半を意識しているのが全然古さを感じさせない。 
 それもジャンルが細分化された現代東京の音楽シーンの在り方だと納得するも、あの時代への憧憬を捨て去る事が出来ない世代にも大いにお薦め出来る作品である。
(テキスト:ウチタカヒデ

2005年3月4日金曜日

THE GOLDEBRIARS:『THE GOLDEBRIARS' STORY "WHATEVER HAPPENED TO JEZEBEL?"』 (CD-Rom Book:Apple Core/0412RK070)


 書籍『ソフトロックA to Z』で、その唯一無二のコーラスアレンジや革新的なサウンドについて語られてきたカート・ベッチャーであるが、最近では『Chicken Little Was Right』がリイシューされた事が記憶に新しい。
 今回紹介する作品はカートが学生時代、最初に結成したグループであるTHE GOLDEBRIARS(ゴールドブライアーズ:63年2月~65年5月)に関するCD-Rom・Bookだ。 

 著者はカートと共に同グループのメンバーである、女性ヴォーカリストのドーティー・ホルムバーグその人で、今では数少ない生き証人として当時の興味深いエピソードがドーティーの目を通して描かれる。
 中でも見物はストーリーに合わせた当時の珍しいスナップだろう。(幼少時のカートのスナップ等も収録されている!)勿論貴重なジャケットをはじめ、ライナーノーツや歌詞も掲載されているので資料性も極めて高い。
Bookは192ページのPDF形式で英語版と日本語版の両ヴァージョンが収録されているのだが、最大のボーナスとして貴重なライヴ映像がMPEGファイルとして付く。
 内容は当時ABCが放映していたフォーク・ファン向けの番組"フーテナニー・ショー"に出演した時の映像で、収録は64年1月21日となっている。ゴールドブライアーズはトラッド曲の「Saro Jane」を演奏しているだが、ギターを弾きながら歌うカートの姿がばっちり確認出来る非常に貴重なものだ。
 その他にも66年録音で未発表となったドーティー作の「Hopscotch」がWavファイルで収められている。

 CD-Rom・Bookという特殊なスタイルながら、カート・ベッチャーをこよなく愛するファンには必携の作品と言えるだろう。
 ドーティー・ホルムバーグ(DOTTI HOLMBERG)のオフィシャルウェブサイトにて、paypal支払い等で購入出来るので、興味を持ったソフトロック・ファンはアクセスして欲しい。
 最後に、このTHE GOLDEBRIARSがその短い活動期間に残した『The GoldeBriars』『Straight Ahead! The GoldeBriars』の2作品と、録音されたが未発表である幻の3rdアルバムが早期にリイシュー化される事を心から願うばかりだ。
(テキスト:ウチタカヒデ