2002年10月25日金曜日

Radio VANDA 第 31 回選曲リスト (2002/11/07)


Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 毎月第一木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。

 
特集:Rick Henn

1. Girl On The Beach ... Rick Henn ('73)
2. I Live For The Sun ... Sunrays ('65)
3. Andrea ... Sunrays ('65)
4. When You're Not Here ... Sunrays ('66)
5. Goodnitht Debbie,Goodnight ... Sunrays ('66)
6. Our Leader ... Sunrays ('66)
7. So Lovely ... Joy ('68)
8. (Let's Take A) Holiday ... Honeys ('68)
9. Soulful Old Man Sunshine ... Beach Boys ('70)
10. The Happy Girls ... Helen Reddy ('77) [from"Ear Candy"]
11. Midnight Skies ... Helen Reddy ('77) [from"Ear Candy"]
12. Thank You ... Helen Reddy ('77) [from"Ear Candy"]
13. Cholo ... Richard Henn & Company [from OST"A Sea For Yourself"('7?)]

 



2002年10月19日土曜日

☆Beach Boys:『Live At Knebworth 1980』(Eagle 155)

以前、 CD とビデオが日本で出ると予告されていながらビーチ・ボーイズ側からクレームで発売中止となり、ずっとおクラ入りだったビーチ・ボーイズの1980年、ネブワースでのライブ CD が突如、イギリスでリリースされた。
ということは権利関係がクリアーになったということ、DVD とビデオの番号も載っており、 "also available" と書いてあったが、検索してもまだ何も出て来ない。しかしこれも近日中のはず、楽しみに待とう。
さて、この1980年のネブワースのライブがファンの間で人気が高いのは、なんといってもブライアン、デニス、カール、マイク、アルにブルースと、メンバー6人が全て顔を揃えた貴重なライブだからだ。おそらく2回くらいしかライブでフル・メンバーは実現していないはず。
このライブ映像、プロモで見たことがあるのだが、映像で6人が揃った姿を見るとファンなら誰でも感動するはず。
収録されたのは "California Girl" から "Fun Fun Fun" まで全21曲。
デニスの歌う感動的な "You Are So Beautiful" やアルの美しい "Lady Lynda" 、そして充実した "Cottonfirlds" から "Heroes And Villains" のメドレーと、他ではなかなか聴けない貴重なレイブが嬉しい。
そしてその当時の最新盤『Keepin' The Summer Alive』からの2曲も見事な出来だ。
ブライアンの誕生日を祝って観客と一緒に歌う "Happy Birthday Brian" もあった。
音と映像が同時に撮られていることを意識してか、歌、ハーモニー、演奏ともに文句なし。
前年のジャパン・ジャムのライブとは段違いだなあ…。ライブ盤として一級品のこのアルバム、是非購入しよう。
ただひとつ残念なのは、 "Surfer Girl" の後のブルースの弾き語りの "I Write The Songs" がカットされていたこと。ブルースのソロがないと、全員参加という感じが乏しくなってしまう。
(佐野)

Live at Knebworth 1980

2002年10月8日火曜日

山本のりこ: 『CALOR』 (CLCD-6001)



果たして日本にはどれだけのボサノヴァ・シンガーが存在するのだろうか。 小野リサらを代表とするこのシーンの奥深さは、例えば街にひっそりと佇むカフェやレストランで、その歌声を聴く機会に恵まれない限り知り得ない世界なのかも知れない。 本稿で紹介する山本のりこもそんなシンガーの一人である。

彼女は90年に関西でヴォーカリストとしてその活動を開始する。その後東京に移住し、98年より現在の弾き語りのスタイルでマイペースにその活動を続けてきた。昨年は某アイスクリーム企業のCMBGMで、ヴォーカルとギターを披露していたので、知らず知らずの内に彼女のサウンドを聴いていた方もいるかも知れない。
今回の『CALOR』は山本にとって初のソロ・アルバムで、7曲のカバー曲と5曲のオリジナル曲から構成される。 先ずカバーではA・C・ジョビンの3曲に興味を惹かれるのだが、中でも一曲目を飾る「Dindi」から彼女の表現者としての真骨頂を感じさせられる。歌詞の深みが崇高に自然の優美さを讃えている。 一方モラエス・モレイラのカバー曲「PRETA, PRETINHA」の解釈も非常にユニークで、シンコペーションを強調し縦横無尽なフルートを配した独特なグルーヴを繰り広げている。 ここでは一流のセッション・ドラマーである石川 智のハイハット・ワークと吉田一夫のフルートが活躍する。 オリジナルでは「PASSARINHO」から「FIM DE VERAO」の流れが良く、変わりゆく季節を淡いタッチでスケッチし効果的なコントラストを見せている。後者のコーダ部では幽玄なトランペット・ソロとそれに絡む山本のスキャットが喩えがたい空間を創造している。

全体的なサウンドの特色は歌とギターの即ち、弾き語りのスタイルを重要視し、必要最低限の音をダビングしていくというシンプルなプロダクションである。これは音数を少なくする事によって生まれる"間"が聴く者にとって大きな影響を与えている事を如実に物語っているのだ。
(ウチタカヒデ)

saigenji :『SAIGENJI』 (HRCD-014)

 

 ブラジリアン・ミュージックをベースにした、全く新しいタイプの天才アーティストの登場である。 サイゲンジ(アーティスト表記:saigenji)はここ2年の活動において、その極めて個性的なステージで多くの観客を虜にしてきた唯一無二のパフォーマーだ。 そんな彼がライブの集大成として発表したのが今回の作品『SAIGENJI』である。 

 文頭でブラジリアン云々と書いたが、実はそれが彼のサウンドのファクターの一つに過ぎず、多用なスタイルで繰り広げられる曲の完成度には新人離れしたスケールを感じさせられるのだ。 原曲を超越してしまった感のあるキャロル・キングのカバー曲「It's too late」の他は全てオリジナル曲で構成されているのだが、それもアーティストとしての彼の強みであろう。
 その巧みなソング・ライティングには、一過性のシーンとの決別宣言ともとれる練熟さにより、一切の排他性を感じさせる事無く、ごく自然に聴く者の心を揺さぶるのである。 そしてこの "ごく自然に" という事の重要性が聴く毎に深く浸透していく。正にそんな作品なのだ。 
 あえてここでは曲毎の解説はしない方がいいだろう。聴いた者一人一人がそれがどんなに無意味な事か気付くからだ。

 最後にブラジル音楽界の至宝とも称された最高のベーシストで筆者とも親交がある、ルイザォン・マイア氏から本作へのコメントをもらっているので掲載させて頂く。

 Me lembra muito do Joao Bosco. Esta muito bom! Tem swing!
  (ジョアン・ボスコを思い出すよ。とても良い!スイングがある!)
  Luiza o maia (bassist,composer,exELIS REGINA BAND)


 (テキスト:ウチタカヒデ)