1998年12月27日日曜日

☆Beach Boys:Unsurpassed Masters vol 13,14 、「Pet Sounds」に突入&The Live Box

 まずシリーズのVol.13、14は「Pet Sounds」のアウトテイク CD 4枚組2セットで、計 CD 8枚、524分にも及ぶヴォリュームにまず圧倒される。「The Pet Sounds Sessions」のボックスが出たばかりなのに、まだこれだけの音源があるのだから驚きだ。
ただし「The Pet Sounds Sessions」のようなヴォーカリストが既発表テイクとは違っていたり、別のアレンジだったりするテイクはない。バックトラックのテイク1から始まって完成まで、そしてヴォーカルを入れ、重ねて歌ってダブルトラック、さらにバック・コーラスをオーヴァーダブしていく過程がすべて分かる、「メイキング・オブ・オフィシャル・ヴァージョン」集といったところだ。しかし全部聴くのは重労働で、相当なファンでもうんざりしてしまう。ただ、ディスク1には既発表のものとは違ったヴォーカルがオンの完成に近いテイクが収められいて、ここは聴きやすいのでおすすめだ。またディスク8は66年のブライアンのピアノの即興、ラジオ局K.O.M.A.のためのジングルをパート別に練習して合体させる模様、さらにハニーズが "Row Row Row Your Boat" の輪唱をブライアンと共に練習している模様が収められていた。
 さらに番外編というべき3枚組のボックス「The Live Box 1965-1968」も同時にリリースされた。まず中核は66年10月22日のミシガン大学でのライブをファースト・ショウ、セカンド・ショウともに全て収録したもの。合わせて68年のロンドンでのリハーサル2曲、65年のシカゴでのライブ7曲はヴォーカルがオーバー・ダブされていた。そして67年9月のWally Heider'sスタジオでのリハーサルが12テイク入っているが、こちらは気のない演奏のみ練習が多く面白いものではない。(佐野)

1998年12月19日土曜日

☆Kinks : Soap Opera(ビクター/60498)☆Kinks : Schoolboys In Disgrace(ビクター/60499)☆Kinks : Sleepwalker(ビクター/60500)☆Kinks : Misfits(ビクター/60501)

リマスター第4弾はRCAも越えアリスタへ突入。アルバムの内容は常識として省略するとして、ボーナス・トラックについて紹介しよう。
まず「Soap Opera」には "Everybody's A Star" の貴重なラジオ局用のモノ・ミックス。アップテンポで、シャキシャキ聴こえるのがグッド。それと75年6月14日のロンドンのニュー・ヴィクトリア・シアターでのライブが "Ordinary People"  "You Make It All Worthwhile"  "Underneath The Neon Sign" の3曲。この時代のライブはまさに「劇」で、こんなきちんとした録音があるのなら3曲だけなのはもったいない、願わくば是非ビデオも出して欲しい。「Schoolboys In Disgrace」にはどういう訳かボーナス・トラックはない。「Sleepwalker」にはUK盤の "Rock'n'Roll Fantasy" のB面のみ収録されていた貴重なブルース・ナンバー "Artificial Light" 、オリジナルアルバムではアルバム未収録のシングル "Father Christmas" (後述の「Misfits」にボーナス収録)のB面のインチキ・パンク野郎を歌ったロック・ナンバー "Prince Of The Punks" が入り、この2曲は初の CD 化。アルバムのアウトテイクが「The Poseur」と「On The Outside」。風刺の聴いたクールな前者と美しいメロディを持つ後者は、没にしたのがもったいない高いクオリティの佳曲だ。 "Waterloo Sunset" の CD シングルに収められていたギターなどを加えた(ミックスで戻した?)94年の後者のリミックスも収録されている。最後の「Misfits」では "Black Messiah" をアップテンポにして若干演奏をオンにしたUS盤のシングル用テイクと、ギターをオンにしたミックスを施したLive Life" のUS盤シングル・テイクが個人的にも初の発見。あと「A Rock'n'Roll Fantasy」を短く編集したUSシングルのみエディットが収められていた。(佐野)
Soap OperaSchoolboys in Disgraceスリープウォーカー+5Misfits (Hybr)



1998年12月15日火曜日

☆Dave Davies : Anthology Unfinished Business (Castle/584)




キンクスのデイヴ・デイヴィスのキンクスでの作曲及びリード・ヴォーカルを取った主要なナンバーに加え、3枚のソロ・アルバムからの抜粋が合わさった CD 2枚組に及ぶ46曲のコンピレーションだ。
レーベルがPye,RCA,Arista,Polydor、Warner Bros.と5つも又にかけているのが見事で、日本ではまず考えられない企画だ。偉大な兄レイ・デイヴィスの蔭で注目されないデイヴだが、こうしてまとめて聴くと個々にはいい曲がある。特に「Think Visual」に収録されていた "When You Were A Child" は、ELOのようなサウンド・アプローチで新境地を開いた名曲だと思う。そして "Climb Your Mountain"  "Eternity"  "Unfinished Business" の3曲の未発表曲に "Gallon Of Gas Blues~You're Lookin' Fine" のライブが加わっているので、キンクス・フリークは要チェックだ。(佐野)
商品の詳細

1998年12月10日木曜日

「ALL THAT MODS!」(VANDA編/シンコーミュージック刊)


オリジナルモッズの愛したいわゆる「モッズミュージック」を徹底紹介。
UK
のモッズビートグループをシングル 1 枚のグループまで取り上げ、ディスコグラフィーを完備しました。加えてモッズが好んだソウル、スカなどの音楽も記述し、ファッションなどの生態は別に詳細にまとめています。さらにネオモッズ、日本のモッズも特集。巻末にはフー、スモールフェイセス、キンクスの 3 大グループをモッズを超えた全キャリアでまとめ、別テイクまで徹底的に調べあげました。これらのグループの全日本盤 PS などはカラーページにも掲載されています。モッズはこの 1 冊で OK[3版出来](佐野)






1998年12月5日土曜日

☆Billy Nicholls : Would You Believe(South West/001)☆Billy Nicholls : Love Songs(South West/002)

 ビリー・ニコルスの幻の「Would You Believe」が世界初でテイチクから発売され、大好評だが、なんとイギリスからも同じ「Would You Believe」がリリースされ、続いてセカンド・アルバムがリイシューされた。
このアルバムは74年にGMレコードというレーベルからリリースされたもので、 "Kew" ではロン・ウッド、イアン・マクレガンがバックに入り、 "Hopeless Helpless" ではピート・タウンゼンドがエンジニアを務めおり、交流関係に変わりがないことが分かる。サウンドは「Would You Believe」のような装飾されたきらびやかなものではなく、かなりヘヴィなロックやからピアノやアコースティック・ギターのバッキングによる美しいバラードまで、ロック、フォーク、カントリーをミックスした軽快な曲が並ぶ。名盤ではないが、聴きやすいアルバムと言えよう。曲は全曲オリジナル。
  South Westの「Would You Believe」には "Would You Believe" のアンドリュー・オールダムの手が加わる前のヴァージョンが最後に収められている。ニコルス本人はこちらの方が気に入っていたと伝えられていたオリジナル「Small Faces」ヴァージョンだ。 CD には本人の解説があり、ニコルス本人のサインとどちらも500枚中何番という通算ナンバーが手書きされていた。後から出たSequel盤にはこのトラックは入っていない。なお、ニコルス作品ではフィフス・アベニュー・バンドのジョン・リンド、ケニー・アルトマンと3人で組んで77年にキャピトルからリリースした「White Horse」が日本のみでVivid Soundよりリリースされている。(VSCD530)ニコルスらしい作風の繊細なバラードが5曲あり、出来はいい。(佐野)

1998年12月1日火曜日

「SOFT ROCK A to Z:NEW EDITION」(VANDA編/音楽之友社刊)

ソフト・ロック・ファンのバイブル「ソフト・ロックA to Z」の増補改訂版。
この第5版は全面的な改定と、新たに15アーティスト、3組のワークス、2人のインタビューを加え、一層の充実を図っている。
さらに新たにカラーページに120枚の貴重な日本盤シングル・ジャケットを掲載している。
(佐野)