2019年9月26日木曜日

the Sweet Onions:『夏のシンフォニー』/ KNIT RED RUM:『SUNSET』


The Bookmarcs(ブックマークス)の作詞兼ヴォーカリストの近藤健太郎がリーダーとして率いるポップス・バンド、the Sweet Onions(スウィート・オニオンズ)が、2006年4月のセカンド・アルバム『Life is Beautiful』(PHA-11)以来、実に13年振りの新曲「夏のシンフォニー」を9月25日に配信リリースした。


スウィート・オニオンズは98年に結成された男性3人組のバンドで、現在はヴォーカル兼ギターの近藤とドラムやキーボードなどマルチプレイヤーの高口大輔の2人を中心に活動している。04年のファースト・アルバム『pictures』(PHA-10)の頃から弊サイトでは高く評価しており、その親しみやすい甘いメロディと近藤のソフティーなヴォーカルが魅力なのだ。
彼等はインディーズ・レーベルphilia records(フィリア・レコード)を主宰しており、近年では女性シンガー・ソングライターの小林しのの『Looking for a key』(PHA-13)を全面プロデュース、リリースしておりその活動は多岐に渡る。



今回「夏のシンフォニー」と同日に配信リリースしたのが、今年5月よりフィリア・レコードに参加したシンガー・ソングライター刈間哲司によるソロ・プロジェクトKNIT RED RUMのセカンド・シングル「SUNSET」である。
ファースト・シングル「TWILIGHT RAIN」からプロデューサーとして関わっているのは、刈間と旧知の間柄であるオニオンズの高口で、アレンジやエンジニアリングまで手掛けている。


苅間のプロフィールにも触れておくが、二十代の頃に所属バンド解散後にソロに転身し、シンガー・ソングライターとしてライヴ活動をおこなうようになり、この時期高口と知り合ったようだ。平行してエレクトロ・ミュージックにも興味も持っており、クラブ・ハウス・ミュージシャンのPAX JAPONICA GROOVE(パックス・ジャポニカ・グルーブ)のアルバムではヴォーカリストとして参加している。二十代後半になるとロン・セクスミスなどのシンガー・ソングライターに影響を受け、現在のスタイルに至っている。

ではこの2曲について解説しよう。 
オニオンズの「夏のシンフォニー」は、近藤のソングライティングによるエイト・ビートのサマー・アンセムで、コーラス・ワークにはビーチボーイズの匂いがする。ピアノとハモンド・オルガンは高口がプレイし、ベースはRicaropeなどのプロデュースやthe Carawayのサポートで知られる及川雅仁がゲストで招かれている。コーダでワルツのパートになるなどアレンジのアイディアも面白い。

KNIT RED RUMの「SUNSET」は、ファースト・シングル同様に80年代シティポップ・サウンドに通じており、ホーンやストリング・シンセの配置など高口のアレンジ・センスが光っている。
06年のコンピ・アルバム『Easy Living Vol.1』に収録されたオニオンズの「The fancies of a poet」にも通じるサウンドで好感がもてる。
刈間の声質には暑苦しくないソウルさを感じており、オリジナル・ラヴ(田島貴男)のファンにもお勧め出来る。

配信リンク(amazonは下記画像からリンク)
the Sweet Onions:『夏のシンフォニー』
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KNIT RED RUM:『SUNSET』

Apple Music Spotify

(text:ウチタカヒデ)


2019年9月22日日曜日

George Falkner:『Murry Christmas!/ George Faulkner sings Murry Wilson』(Bolt Records)


2018年1月24日付けの記事で紹介させていただいたThe Bachelorsによる「Happy, Happy Holiday」(Wilson兄弟の実父Murryの作)をなんと60年以上の時を超えてカバーした強者がいた! 
当方も制作にささやかながら協力させていただいた関係でリリース前のプロモキットの送付が先日あった。
当の本人George Faulknerは過去にもThe Beach Boys関連のカバー作(と、言っても知名度の低い楽曲ばかり)のリリースを行っている。 

◎Mike Loveの「Wrinkles」
 (1970年代に未発表となったアルバム『Country Love』より)
◎Dennis Wilsonによる「Under The Moonlight」
 (ソロ作『Pacific 年Ocean Blue』(77年)に続く『Bambu』(77年~83年録音、2017年リリース)収録曲) 

そしてMurry Wilson作の「Two Step,Side Step」(それぞれ、2015,2016リリース) 本作は今年の6月にGeorgeからカバー曲制作に基づく形で、当方へ原盤の音源提供の依頼があり、それに応じて音源の提供を行った。
提供した音源から「Happy, Happy Holiday」とそしてもう一曲同じくThe Bachelorsによる「Te-e-e-e-ex-as」の二曲が本作に収められている。 しかしながら、本作の「Happy,Happy Holiday」の演奏は原曲の100%再現というわけではなく、原曲がポルカ風なのに対して、sunshine-pop風の曲想を基本に1970年代中葉の『Christmas Album』 や『M.I.U』あたりのトラックにシンセがからむポップな曲調に生まれ変わっている。
二曲目の「Te-e-e-e-ex-as」についてはペダルスティールやマンドリンにギターを重ねた丁寧な演奏になっており、中西部出自であるWilson一族への敬愛が演奏にうかがわれる。

本作の制作にあたっては主にNew YorkのAlternative関連の人脈が関わっている。一曲目のプロデュースはTony Maimone、Pere UbuやThey Might Be Giantsのメンバーであり、Hüsker DüメンバーBob Mouldのアルバムなどを手がけている。アレンジはJoe Mcginity、Psychedelic FursのキーボーディストにしてThe Ramones、Ronnie Spectorとの共演も行っている。
演奏で参加しているのはJoe率いるLosers Lounge、カバー曲主体のプロジェクトでABBAからThe Zomebiesまで幅広くカバーし、しかも大ヒットもあればほとんど知られていない曲まで演奏し長年好評を博している。
参加メンバーは豪華で、Paul Williams、Foetus、They Might Be Giants、Debbie Harryと多彩だ。
また、ジャケットのイラストは米国の漫画の賞で有名なHarvey Award  1991年受賞者であるPeter Bagge。短期間とはいえ、手間暇がかなりかかっている良作である。

George自信も長年Murry Wilson作品の探求に勤しみ、これまで五十曲以上の存在を確認しており、新たな楽曲発見を夢見ている。
公式サイトBOLT RECORDS(https://boltrecords.net/)では試聴できないが、正式リリースは11月8日を予定しており、CDとアナログ・7インチ(45rpm)、 配信(Apple Music, Spotify, Google Play)の形態で入手可能とのこと。



【text by MaskedFlopper/編集:ウチタカヒデ】


2019年9月12日木曜日

FMおおつ 音楽の館/Music Note 2019年8月号「Waterboys特集」

私の番組「音楽の館/Music Note 8月号」の「Waterboysサントラ特集」について、遅ればせにはなってしまったが報告さていただく。この『ウォーターボーイズ』は2001年に映画化されて話題になった“男のシンクロ”で、映画のヒットを受けて2003~2005年にかけてテレビ・ドラマ化され、計4シリーズが制作されている。

今回の特集では、この4作品のシンクロ演技で使用されたナンバーで構成している。さらに「衝撃のアノ人!その後を追跡」(NTV)なる番組で、「ウォーターボーイズのモデル、知らざれる苦労、高校生の今」というタイトルで放映された2004年9月に川越高校でシンクロ・チームのダンスの振付を担当した柴田周平君の選曲も加えた。

 
彼は、当日押し掛けた1万人以上の観客から大喝采を浴びるも「やりきり症候群」となり、大学受験に失敗。その後二浪して大学進学した彼は、映画研究会に入部する。そこで「エコーズ」なる作品で役者デビュー。その作品は「東京学生映画祭」で準グランプリを受賞し、演技に開眼する。現在は映画で知り合った女性と結婚し、サラリーマン兼舞台俳優として活動しているという概要だった。


  その2004年文化祭でシンクロ演技に使われた曲解説する。Bill Haley & The Comets<ロック・アラウンド・ザ・クロック(We're Gonna Rock Around The Clock)>、発表されたのは1954年で、翌1955年にMGM映画『暴力教室』のオープニングに採用され8週連続全米1位を記録したロックンロール創世記を代表する1曲。

 
次は大塚愛さんの<さくらんぼ>。この曲は2003年12月リリースの2曲目で代表曲、翌2004年の第55回紅白歌合戦に初選出されている。なお彼女の近況は2019.2.1.のミュージック・ステーション3時間スペシャルLIVE・テレ朝開局60周年や、Rock In Japan 2019.8.12.のステージでもこの曲を披露している。

 
そしてユーミン<真夏の夜の夢>、この曲は1993年に発表された佐野史郎さんの怪演が評判となった『誰にも言えない』の主題歌。この番組は1992年に大ヒットした『ずっとあなたが好きだった』の続編的なドラマで、共演者は野際陽子さん・賀来千香子さん。この曲は彼女にとって<あの日に帰りたい>に続く2曲目のNo.1ヒットだった。


 
ここで、「男のシンクロ」について簡単に紹介する。モデルは男子高校の埼玉県立/川越高校の水泳部が1988年から実施の文化祭用の演目だった。その後、1999年に『ニュースステーション』で放送され、その特集を見た矢口史靖監督によって2001年に映画化に至る。


 その第一作となったのが『ウォーターボーイズ』(カタカナ表記)、この言葉自体は映画プロデューサーが作った造語で、正式名称ではない。この作品は少数館の上映だったが、評判をよび上映館が100館まで増え、上映期間は半年を越える大ヒット作となっている。この現象はシネマコンプレックス(シネコン)普及と重なり、2000年以降の邦画復活の起爆剤になったとも言われる。この映画の大ヒットで、モデルとなった川越高校の2002年文化祭には約3万人の入場者を記録した。



 なおこの作品で主役の鈴木智役を務めた妻夫木聡さんと、準主役の佐藤役の玉木宏さんは、当時はまだ無名の若手俳優だった。彼らの起用は映画を制作に一か月以上前からシンクロの練習をする必要があり、二か月以上スケジュールの空いていた著名俳優がいなかったという事情による。なおストーリーは廃部寸前の唯野高校水泳部の顧問に真鍋かおりさん扮する美人教師が顧問に着任し、シンクロナイズドスイミングを教え、紆余曲折を経て公演を成功させるといったもの。



  
ではこの映画の演技シーンで使用された曲を紹介する。まずSylvie Vartanの<あなたのとりこ(Irresistiblement)>、彼女はフレンチ・ポップスのスーパー・スターで、本国で1968年に発表した代表曲のひとつ。おりしも1968.4.11.(23歳)自動車事故からの復帰作だった。日本では1969.1.に 16作として発表されるも不発で、1970.11.5.に21作で再発され大ヒット(Jp.18位  11.8万枚)。なお余談ながら、ウルトラマンに登場するバルタン星人は彼女から付けられたというのはかなり有名なエピソードだ。

 日本の夏の風物詩のひとつとなったThe Venturesの<Diamond Head>。全米でのリリースは1965年で70位程度だったが、日本では最も人気のあるナンバー。作曲者のDanny Hamiltonは、1971年にHamilton, Joe Frank & Reynoldsを結成して<恋のかけひき(Don’t Pull Your Love)>を大ヒットさせ、1975年にはPlayboyに移籍し<Fall in Love>で全米1位を獲得している。

 3曲目はPuffy<愛のしるし>、1998.3.14.に発表された 6枚目のシングル。この曲の作者はスピッツの草野正宗さん、アレンジは奥田民生さんだった。エンディングにBay City Rollers<Satuday Night>のフレーズを拝借するという民生風隠し味が付いている。そのスピッツの最新シングル<優しいあの子>は現在放映中のNHK連ドラ『なつぞら』の主題歌になっている。

 
4曲目は青江三奈さん<伊勢佐木町ブルース>、1968.1.5に発表された彼女の代表曲で、1960年代の演歌を代表する1曲。彼女はこの曲で『第19回NHK紅白歌合戦』に出場するも、イントロの“吐息”に「Stop」がかかり、カズーに差替えられてる。なお彼女がこの曲を歌ったのは27歳で、先日元AKBの大島優子が30歳になったと聞き、その貫禄には驚きだ。
 そして最後のフィンガー・ファイブの<学園天国>、全盛期1974年の第5作シングル。この曲は後にキョンキョンのカヴァーで1989年にも大ヒット、ちなみに彼女版のバックは野村義男率いる「三喜屋・野村モーター’s BAND」。



 続いては2003年7.1.から始まったテレビ版『WATER BOYS』(CX系)。この作品は映画版から2年後の同じ唯野高校水泳部が舞台で、二代目主人公新藤勘九郎役には山田孝之さん、そしてその相棒立松憲男役には森山未來さん。山田さんは「ちゅらさん」出演後のひ弱な感じで、その後の『闇金ウシジマくん』(2012年~)の強面雰囲気は微塵の欠片も感じられない。そして森山さんも『世界の中心で、愛を叫ぶ』(2004年)で大ブレイクする直前だった。


 このテレビ版のシンクロ演技シーンに使われた曲から、Dick Dale & His Deltones<MISIRLOU>。この曲は1962年のヒットだが、有名にしたのは1994年に公開されたクエンティン・タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』への起用。なおこの作品はジョン・トラボルタがダークな役を演じた作品としても有名だ。

 2曲目は山本リンダさんで<狙いうち>、1973.2.25.に発表された 23th Singleで 14位止まりだが、リンダさんの大胆な振り付けで子供たちにもオオウケ、さくらももこさんは「ちびまるこちゃん」に度々登場させている。なお今では「応援ソング」の定番で、甲子園でも頻繁に演奏され続けている。
 3曲目のThe Rubettes<Sugar Baby Love>、1974.1. に発表された彼らのデビュー曲で全英4週1位、欧州各国でも1位という大ヒット、全世界で800万枚以上セール。この曲はスタジオ・ミュージシャンによる製作からグループが結成されているも、発売前にヴォーカリストが脱退し、ヒットした時点では別のメンバーだった。
 
 4曲目は松浦亜弥さん<♡桃色片想い♡>、2002.2.6.にリリースした第5作で2位を記録、この時期はあややの全盛期で曲が選ばれたのは当然の成行きだった。
 そして5曲目のMichel Polnareffで<シェリーに口づけ(Tout, Tout Pour Ma Cherie)>、この曲は本国フランスで1969.5.に<追わないで(後に、「渚の想い出」と改題)>のB面曲でリリース。日本では1969.9. にCBS/Sonyからフランス同様B面扱いで<可愛いシェリーのために>のタイトルで発売された。その後1971年にCBS/Sony がEpicレーベルをスタートした際に <シェリーに口づけ>として発売し大ヒット。当時のPolnareff人気は青森で「来日要請署名」活動が起こったほどだった。




 次は2004.7.6.から始まった『WATER BOYS 2』(CX系)、名目上前作の続編だが、前作と直接的なかかわりはほとんどなかった。舞台は3年前まで女子高で、9割以上が女子生徒の姫乃高校。そこには男子の運動部がなく、「シンクロ部」創設しようという活動が始まり。三代目主人公水嶋泳吉役には市原隼人さん、そしてその相棒山本洋介役には中尾明慶さん。市原さんは2009年の『ROOKIES』『猿ロック』でブレイク、中尾さんと言えば奥様が仲里依紗さんで、タレント以外に2016年には小説家としても活動している。なおヒロイン矢沢栞役には石原さとみさんが起用された。



 ではこの作品のシンクロ演技シーンに使われた曲から、まず布袋寅泰さんで<バンビーナ>、彼は元BOOWYのギタリストで、吉川晃司と組んだCOMPLEXでもお馴染み。彼が1999.4.16.にリリースした 18作で 2位を記録した大ヒット曲。
 続いて<Mickey>、番組ではB*Witchedのヴァージョンだったが、一般には全米1位のTony Bazil版が有名。彼女は振付師で、その振り付けしたこの曲は“世界で最も有名なチアリーディング曲”になっている。また日本では『ワンナイR&R』(CX系)でゴリ(ガレッジセール)扮する松浦ゴリエのパフォーマンスでも大ブレイク。

 
3曲目は松谷祐子さんの<ラムのラブソング>、アニメ「うる星やつら」の主題歌だが、もはやアニソンの域を超えた名曲。なおアニメ放映期間は4年半にもおよび、劇場版も6本という大ヒット作で、関連商品の売り上げも100億円を超え。原作は「犬夜叉」でも有名な高橋留美子先生で、故佐野へさん同様に私も彼女の生みだす“想像を超えたナンセンス”の大ファンだ。
 ラストはDuran Duranで<The Reflex>1、980年代に一世を風靡したニューロマンティックの代表的グループ。この曲は世界中で1位を獲得した彼らの代表曲。そんな彼らの人気は日本でも絶大で、1982年から2017年まで10回を数える。


 そして最後に『WATER BOYS 2005夏』(CX系)、この作品は二夜連続作で、シリーズの完結作にもなっていた。



 このドラマの舞台は架空の島で、東京の大学生になった元・唯野高校シンクロ部員の田中晶俊が、島の夏祭りイベントで「シンクロ公演」を成功させるもの。四代目主人公田中晶俊役には瑛太さん、そしてその相棒上原賢作役には小出恵介さん。なおヒロイン垣原玲奈には2007年にL’Arc~en~Cielのベーシストtetsuyaさんと結婚した酒井彩名さんを起用。

 
ではこの作品のシンクロ演技シーンに使われた曲から、まず野際陽子さん<非情のライセンス>。この曲は人気TV.ドラマ『キーハンター』のテーマ。当時の彼女はハイセンスな大人の女性の代表的存在。現在は1992年の『ずっとあなたが好きだった』の冬彦さんの母親、桂田悦子、1994年『ガラスの仮面』の月影先生役のほうが馴染み深いかと。
 Starship<シスコはロック・シティ(We Built This City)>、1960年代にデビューしたサンフランシスコを代表するバンドJefferson Starship初の全米1位曲。バンドは結成以来、数々のメンバー・チェンジを経て1985年にバンド名をStarshipに変更、その後の大ヒット。また翌年には、映画『マネキン』の主題歌<愛は止まらない(Nothing’s Gonna Stop Us Now)>も全米1位を記録。

 またまた登場、あややの<ね~え?>。この曲は2003.3.12.発表の第 9作で最高位3位、不思議なことに彼女には1位曲が無く、“シルバー・ホールダー”のアイドルといえる。なおこのタイトルは他にもドリカム(2010.6.30.46th)やPerfume(201011/10.12th)のヒット曲にもあり、人気タイトルだった。
  “ゴッドねぇちゃん”和田アキ子さんで<古い日記>、この曲は1974.2.25.リリースの第 18作で最高位44位止まり。ただ曲中の印象的なシャウト「はぁ!」は彼女のトレードマークになっている。今回は2013.6.12にリリースされた『AKIKO WADA 45TH ANNIVERSARY ESSENTIAL COLLECTION』に収録された(Dynamite Soul Mix)。
 そしてOlivia Newton-John と ELOの夢の共演で<Xanadu>、これはOlivia主演の同名ミュージカル映画の主題歌。映画はコケたものの、曲は全米8位全英をはじめ世界5か国で1位に輝いた大ヒット曲。

<オンエア曲>
1. ロック・アラウンド・ザ・クロック(We're Gonna Rock Around The Clock)
  /Bill Haley & The Comets
2.さくらんぼ /大塚愛
3.真夏の夜の夢 /松任谷由実
 ~20190年「ウォーターボーイズのモデル、知らざれる苦労、高校生の今」

4.あなたのとりこ /Sylvie Vartan
5. Diamond Head  /The Ventures
6.愛のしるし /Puffy
7.伊勢佐木町ブルース /青江三奈
8.学園天国 /フィンガーファイブ
  ~映画『ウォーターボーイズ』

9. MISIRLOU /Dick Dale & His Deltones
10.狙いうち/山本リンダ
11.Sugar Baby Love /The Rubettes
12.♡桃色片想い♡/松浦亜弥
13.シェリーに口づけ/ Michel Polnareff
  ~2003年テレビ『WATER BOYS』

14.バンビーナ/布袋寅泰
15.Mickey/Tony Bazil
16.ラムのラブソング/松谷祐子
17.The Reflex/ Duran Duran
  ~2004年テレビ『WATER BOYS 2』

18.非情のライセンス/野際陽子
19.シスコはロック・シティ(We Built This City)/ Starship
20.ね~え?/松浦亜弥
21.古い日記(Dynamite Soul Mix)/和田アキ子
22.Xanadu/ Olivia Newton-John & ELO
  ~2005年テレビ『WATER BOYS 2005夏』

次回9月号は「9月&秋ソング特集」をお届けする予定です。

本放送:第四土曜日9/28(土)15:30~18:00
再放送:第四日曜日9/29(日)8:00~10:30

【FMおおつ公式アプリ】https://fmplapla.com/fmotsu/


                          (鈴木英之)

2019年9月7日土曜日

【ガレージバンドの探索・第六回】 We The People

前回、サザンロックバンドCowboyについての記事を書く為にメンバーのTommy Taltonの経歴を調べていたら、Cowboy結成前にはガレージバンドをやっていたと知って少し驚いた。
1965年から1968年まで、We The Peopleという、フロリダ州オーランドのガレージバンドに所属していた。
地元紙Orlando Sentinel のライターRon Dillmanが最強のガレージバンドを作ろうと、人気のあったローカルグループThe TrademarksのメンバーとThe Offbeets(以前はThe Nonchalantsとして知られていた)のメンバーを集めて構成したのがWe The Peopleだったそうだ。彼らの楽曲はNuggetsやPebblesなど数多くのガレージコンピにも収録されている。 



【メンバー】
Randy Boyte - Organ (1966–1970)
David Duff - Bass (1966–1970) 
Tommy Talton - Guitar (1966–1968)
Wayne Proctor - Lead guitar (1966–1967) 
Tom Wynn - Drums (1966)
Lee Ferguson - Drums (1966–1967) 
Terry Cox - Drums (1967–1970) 
Carl Chambers - Guitar (1968–1969)
Skip Skinner - Guitar (1969–1970)  

We The People の最初のリリースは1966年初頭。
Ron Dillmanがバンドのマネージャーとなって地元のレコードレーベルHotlineから、「My Brother, the Man」(B面「Proceed With Caution」)【 Hotline Records-3680】をリリースした。
地元でトップ10ヒットとなり、それはChallenge Recordsとのレコーディング契約につながった。 そして1966年6月、Tony Moonプロデュースでセカンドシングル「Mirror of Your Mind」(B面「The Color of Love」)【Challenge-59333】をリリース。全国チャートには到達しなかったものの、全米の多くの地域、特にナッシュビルとオーランドで地域的な大ヒットとなった。この曲は後に多くのコンピに収録された。



Mirror of Your Mind / We The People 

1966年9月には「He Doesn't Go About It Right」(B面「You Burn Me Up And Down」)【Challenge-59340】をリリース。B面曲だった「You Burn Me Up And Down」は、「Mirror Of Your Mind」と同様多くのコンピに収録された為、バンドの代表曲のひとつになっている。
最初は、この2曲のように荒々しいサウンドのバンドイメージが強かったようだけれど、We The Peopleが制作した楽曲はとても多彩。
Wayne Proctor とTommy Taltonの2人は特にバンドにとって重要なソングライターだったようだ。
「Mirror of Your Mind」のB面「The Color of Love」はバラード曲で、これはボサノヴァ曲「The Girl From Ipanema」の影響を受けて書かれたらしい。 4番目のシングル「In the Past」(B面「St. John's Shop」)【Challenge-59351】は、1966年後半にリリースされた。サイケデリックな曲で、シタールの代わりに使用したのが、友人の祖父によって作られた"octachord"という大きなマンドリンのような、8弦の楽器だった。
「In the Past」をA面としてリリースするも、地元のラジオ局はサイケデリックなサウンドよりソフトなB面の「St. John's Shop」を好んだらしく、「St. John's Shop」がオーランドチャートで2位になった。
「In the Past」は、1968年にThe Chocolate Watchbandのセカンドアルバム『The Inner Mystique』【Tower ‎– ST 5106】でカバーされている。


In the Past / We The People  

1967年初頭、ソングライター兼リードギタリストのWayne Proctorがベトナム戦争の徴兵を避けるためにバンドを辞め大学に戻った。
それはバンドにとって大きなダメージとなったけれど、その後も1967年、1968年を通じてRCAレコードから3枚のシングルをリリースしている。 「Follow Me Back To Louisville」(B面「Flourescent Hearts」)【RCA Victor ‎– 47-9292】 「Love Is A Beautiful Thing」(B面「The Day She Dies」)【RCA Victor ‎– 47-9393】 「Ain't Gonna Find Nobody (Better Than You)」(B面「When I Arrive」)【RCA Victor ‎– 47-9498】 1968年半ばにTommy Taltonが脱退。RCAとの契約満了も相まって、バンドのレコーディングキャリアは事実上終了し、1969年10月31日のハロウィンコンサートの後、Ron Dillmanがグループを解散することを決定した。
Wayne Proctor はバンドを去った後、The Lemonade Charadeに「Follow the Yellow Brick Road」を書きマイナーヒットした。現在はサウスカロライナ州のローカルバンドで演奏している。
Tommy Taltonは、冒頭にも書いた通りサザンロックバンドのCowboyとして活動した。

We The Peopleの楽曲は多くのガレージコンピで聴けるけれど、1998年にSundazedから出ている2枚組CDの『Mirror of Our Minds』(Sundazed SC 11056)では、未発表のトラック、デモ、代替テイクや、The Trademarks、The Offbeetsなどの関連音源も含む、We The Peopleの歴史全体の音源がまとめられている。



【文:西岡利恵(The Pen Friend Club)/編集:ウチタカヒデ】 

参考・参照サイト: http://therockasteria.blogspot.com/2017/04/we-people-mirror-of-our-minds-1964-67.html 

2019年9月1日日曜日

connie:『VOICES』(Fall Wait Records/FAWA-0001)


新潟在住のアイドル・ユニットNegicco(ネギッコ)のプロデュースの他、他アイドルへの楽曲提供などをしているクリエイターのconnie(コニー)が初のソロ・ミニアルバム『VOICES』を8月21日にリリースした。
全5曲に各ゲスト・ヴォーカルを迎えて制作されており、6月に『夜霧』をリリースしたばかりのウワノソラのいえもとめぐみをはじめ、女優兼歌手の遠藤瑠香、CRCK/LCKやceroのサポート・メンバーとして知られる小田朋美、謎の音楽ユニット“さよならポニーテール”のみぃな、KIRINJIのメンバーやギタリストとしても多くのセッションに参加している弓木英梨乃を迎えている。
実にバラエティに飛んだ人選なのだが、曲毎にマッチするヴォーカリストを適切にアサインしているプロデュース力には敬服してしまった。

筆者が2016年5月に弊サイトでNegiccoのサード・アルバム『ティー・フォー・スリー』(TPRC-0159)を取り上げた際も感じたのだが、楽曲提供とプロデューサーも務めこのユニットを支えているのが、畑違いの業界でサラリーマンをしている彼ということで非常に驚いた。
これまでにNegiccoには、小西康陽やORIGINAL LOVEの田島貴男といったポップス・マエストロ達が楽曲提供をしてきたが、その楽曲にも引けを取らないクオリティーが彼の才能を証明している。

ここではWebVANDA読者をはじめとする音楽マニアにもお勧め出来る、このアルバム収録曲から筆者が気になった主要曲を解説していこう。

   connie「グリッター」feat.小田朋美

冒頭の「グリッター」はアタックの強いシンセ・パッドのリフと目映い変拍子が特徴的なダンス・ミュージックで、歌入れが非常に難しいトラックではないかと思うが、確かなスキルを備えた小田朋美の類い希なヴォーカル・テクニックでそれをクリアしている。
続く「月夜の森で」はニュージャックスイング期のR&Bを彷彿とさせるトラックと弓木英梨乃の無垢な歌声のコントラストがやみつきになり、KIRINJIの「Mr.BOOGIEMAN」(『ネオ』収録 16年)にも通じるセンスに脱帽してしまった。

そして筆者がこのアルバムで最もリピートして聴いたのは「赤い涙」だ。リズム・セクションの中でアコースティック・ピアノとウーリッツァーがブレンドして主リズムを刻んでいて、テンションで鳴っているハモンド・オルガンやコーラス・アレンジの構造から東海岸のソウル・ミュージックに影響されたシンガー・ソングライター系の曲調とアレンジである。 更にいえもとめぐみの表現力あるヴォーカルはこの曲に普遍的な存在感を与えており、直ぐに風化することはないと保証するので、良識ある音楽ファンは聴くことを強くお勧めする。
筆者の本年度のベストソング10曲の候補に入る名曲であり、こういう曲との出会いは人生においても大切であると感じるばかりだ。
(ウチタカヒデ)