2019年9月1日日曜日

connie:『VOICES』(Fall Wait Records/FAWA-0001)


新潟在住のアイドル・ユニットNegicco(ネギッコ)のプロデュースの他、他アイドルへの楽曲提供などをしているクリエイターのconnie(コニー)が初のソロ・ミニアルバム『VOICES』を8月21日にリリースした。
全5曲に各ゲスト・ヴォーカルを迎えて制作されており、6月に『夜霧』をリリースしたばかりのウワノソラのいえもとめぐみをはじめ、女優兼歌手の遠藤瑠香、CRCK/LCKやceroのサポート・メンバーとして知られる小田朋美、謎の音楽ユニット“さよならポニーテール”のみぃな、KIRINJIのメンバーやギタリストとしても多くのセッションに参加している弓木英梨乃を迎えている。
実にバラエティに飛んだ人選なのだが、曲毎にマッチするヴォーカリストを適切にアサインしているプロデュース力には敬服してしまった。

筆者が2016年5月に弊サイトでNegiccoのサード・アルバム『ティー・フォー・スリー』(TPRC-0159)を取り上げた際も感じたのだが、楽曲提供とプロデューサーも務めこのユニットを支えているのが、畑違いの業界でサラリーマンをしている彼ということで非常に驚いた。
これまでにNegiccoには、小西康陽やORIGINAL LOVEの田島貴男といったポップス・マエストロ達が楽曲提供をしてきたが、その楽曲にも引けを取らないクオリティーが彼の才能を証明している。

ここではWebVANDA読者をはじめとする音楽マニアにもお勧め出来る、このアルバム収録曲から筆者が気になった主要曲を解説していこう。

   connie「グリッター」feat.小田朋美

冒頭の「グリッター」はアタックの強いシンセ・パッドのリフと目映い変拍子が特徴的なダンス・ミュージックで、歌入れが非常に難しいトラックではないかと思うが、確かなスキルを備えた小田朋美の類い希なヴォーカル・テクニックでそれをクリアしている。
続く「月夜の森で」はニュージャックスイング期のR&Bを彷彿とさせるトラックと弓木英梨乃の無垢な歌声のコントラストがやみつきになり、KIRINJIの「Mr.BOOGIEMAN」(『ネオ』収録 16年)にも通じるセンスに脱帽してしまった。

そして筆者がこのアルバムで最もリピートして聴いたのは「赤い涙」だ。リズム・セクションの中でアコースティック・ピアノとウーリッツァーがブレンドして主リズムを刻んでいて、テンションで鳴っているハモンド・オルガンやコーラス・アレンジの構造から東海岸のソウル・ミュージックに影響されたシンガー・ソングライター系の曲調とアレンジである。 更にいえもとめぐみの表現力あるヴォーカルはこの曲に普遍的な存在感を与えており、直ぐに風化することはないと保証するので、良識ある音楽ファンは聴くことを強くお勧めする。
筆者の本年度のベストソング10曲の候補に入る名曲であり、こういう曲との出会いは人生においても大切であると感じるばかりだ。

(テキスト:ウチタカヒデ






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