2005年12月24日土曜日

Radio VANDA第69回選曲リスト (2006/1/5)

Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 毎月第一木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。




特集:Solo Singer


1. Venus In Blue Jeans('62)Jimmy Clanton

2. Lightnin' Strikes('65)Lou Christie

3. I'm Gonna Make You Mine('69)Lou Christie

4. Secret Agent Man('66)Johnny Rivers

5. Softly As I Leave You('66)Johnny Rivers

6. The Night Has A Thousand Eyes('62)Bobby Vee

7. Hold On To Him('67)Bobby Vee

8. More('64)Andy Williams

9. Tell Her Know('7?)Del Shannon

10. When You Touch Me('66)Brian Hyland

11. Stay And Love Me All Summer('69)Brian Hyland

12. Gypsy Woman('70)Brian Hyland

13. The Drifter('69)Steve Lawrence

14. As Usual('69)Steve Lawrence

15. I'm Gonna Find Her(?)Steve Lawrence

16. Coca Cola CM:Four Seasons

2005年12月1日木曜日

☆『Full House The Complete Second Season』(Warner Bros./72148)DVD


NHKで放送されている大人気ドラマシリーズ『フルハウス』の第2シーズン、全22話が収録されたDVDボックスがリリースされた。私自身はこのドラマを見ていないのだが、このセカンドシーズンは欲しかった。というのもビーチボーイズがゲスト出演した「Beach Boy Bingo」という回が収められているからだ。丁度、"Kokomo"が大ヒットした時の話で、レコーディングに参加していなかったブライアンも、ビーチボーイズとして一緒に行動している。最も痩せていた時期なので、一瞬、ぎょっとしてしまうほど。ブライアン、カール、マイク、アル、ブルースのフルメンバーが揃い、それぞれにセリフがあり、ブライアンもギャグを飛ばしていた。歌は"Kokomo"をカールのギターをバックにワンコーラス歌い、その後はライブという設定でかなりの観衆を入れて"Kokomo"と"Barbara Ann"を、フルハウスのメンバーも入れて披露してくれた。ただ、ここでのブライアンは、バックメンバー並みで、わずかに写る程度。やはり確執があったのかなと思ってしまう。このシリーズは第8シーズンにフランキー・ヴァリがゲスト出演して、歌も披露する話があるので、次に買うのは大分先になりそう。(佐野)
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☆Salt Water Taffy:『Finders Keepers』(BMGファンハウス/37620) ☆Barry Mann:『Survivor』(BMGファンハウス/37619) ☆Alzo:『Alzo』(BMGファンハウス/37618)


この3枚はどれも名盤であり、全てかつてこのコーナーで紹介したものばかり。過去履歴をたぐってもらえば、それぞれのレビューが出てくるので、重複を避けるためアルバム本体のコメントはしない。それじゃなんで紹介するのかと思うでしょう。紙ジャケだからじゃない。私は紙ジャケには興味がない。それではなく、この紙ジャケを使った再プレスにあたって、それぞれボーナストラックを2曲ずつ追加しているからだ。まずSalt Water Taffは、以前のボーナストラックはアルバム未収録シングル2枚のA面だけを収めていたが、今回はそれぞれのB面の2曲も追加収録された。特に"It's All In Your Hands"は一見地味だが、Bメロの展開など心引かれるメロディがあり、味わい深い1曲だった。"Sippin' Cider"の方はコレクターのみ必要。続いてBarry Mannのこの超名盤のアルバムには、アルバムのレーベルであるRCAではなく、その後のAristaのシングルが収められた。本来ならオリジナルの仕様を崩すなんてとんでもないと言いたいところだが、このAristaのシングルが実に素晴らしいのだ。A面の"The Princess And The Punk"は小ヒットを記録しただけあり、バリー・マンらしいドラマティックな曲でいい曲なのだ。しかしそれよりもB面の"Jennifer"が素晴らしい。甘く切ない歌い出し、切々としたリフレイン、バリー・マンの魅力全開の名曲である。この曲はRadio VANDAのバリー・マン特集でも大好きだったので当然ながらかけていた。そしてAlzoはプロモーション用にBellレコードが作ったAn Autobiographyと名づけられた10分を超えるインタビューレコードが両面収められている。アルバムの曲もかなりかかっているが、新音源はないので、コレクターのみ、必要な代物だ。(佐野)
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☆Who:『Tommy And Quadrophenia Live』(ワーナー/WPBR90540-2)DVD

フーの2大コンセプト・アルバムのライブを2イン1にしたDVDがリリースされた。これは1989年にロサンゼルスで行われた『Tommy』のフル・ライブと一緒に演奏されたヒット曲中心のその他のセット、1996年から97年にアメリカ各地で行われた『Quadrophenia』のフル・ライブと同じく一緒に演奏されたヒット曲中心のその他のセットで構成されている。さらに89年のニュージャージーでのライブもボーナストラックで収められていた。それぞれのライブは『Tommy』でアーニー叔父さんをフィル・コリンズ、いとこのケヴィンをビリー・アイドル、ホーカーをスティーヴィー・ウィンウッド、ピンボールの魔術師をエルトン・ジョンが歌うなどロックオペラ風に構成されていて、『Quadrophenia』ではジミー役の俳優を置いてライブを映画風に構成していた。ここでもゴッドファーザーをP.J.プロビー、エースをビリー・アイドルが担当し、ゲストも招いていた。ライブはそれぞれ自家薬籠中の出来栄えで、文句のつけようがない。ドラムはそれぞれサイモン・フィリップスからザック・スターキーに代わっていたが、どちらも手数の多いドラマーなので違和感はない。なお、『Tommy』の方はかつてLDで出ていたものと同じ映像だ。(佐野)
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☆Various:『キャバ・イレブン』(ナイタイプロデュース/DUCD1002)


帯のコピー文は「カリスマキャバ嬢11人が捧げるジーコジャパン応援歌 祝2006年ドイツW杯出場」とあり、ジャケットには妖艶なお姉さま11人が見つめていて、これは色物かと思いきや、内容はそうではない。確かに歌っているのは素人のキャバ嬢だが、作曲が元スプリングスの渡辺博之、CASHの太田シノブと前田達也の3人、そして作詞が十郎ザエモンと、これは全てCASHのワークスだったのだ!こういうガールポップのプロデュースものは歌い手が素人だとまた逆の意味で味わいがある。特に渡辺の書いた曲の素晴らしいこと!美しいバラード「オフサイド」はメロディのみならずコードの展開も実に見事。サビの展開が心地よい「未送信BOX」もいいし、冒頭からキャッチーなフックを持ってきた「秘密~彼氏はJリーガー~」も抜群だ。これらの2曲はビートもあり、浮き浮きしてしまうような爽快感がある。太田の「ユーロの空に」と前田の「ショートレター」もなかなかいい。歌詞はサッカーと若干関係付けているが、基本的にラブソングなので、違和感はない。これはお勧めだ。(佐野)

2005年11月24日木曜日

Radio VANDA第68回選曲リスト(2005/12/01)

Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 毎月第一木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。




特集:Creedence Clearwater Revival

 

1.Have You Ever Been Lonely('62)...Tommy Fogerty & The Blue Velvets

2.Don't Tell Me No Lies('64)...Golliwogs

3.Brown Eyed Girl('65)...Golliwogs

4.Fight Fire('66)...Golliwogs

5.She Was Mine('66)...GolliwogsUnreleased

6.Walking On The Water('66)...Golliwogs

7.I Put A Spell On You('69)...Woodstock Live

8.Born On The Bayou('69)

9.Proud Mary('69)

10.Bad Moon Rising('69)

11.Travelin' Band('70)

12.Who'll Stop The Rain('70)

13.Up Around The Bend('70)

14.Lookin' Out My Back Door('70)

15.Have You Ever Seen The Rain('70)

 

2005年11月1日火曜日

☆Brian Wilson:『Waling Down The Path Of Life/Love & Mercy』(Oglio/86960-2)

このブライアン・ウィルソンの新しいシングルは、先のハリケーンのチャリティ目的で作られたもの。Scott Bennett,Nelson Bragg,Taylor Mills3人が加わり4人で録音されたもので、この2曲はメドレーでつながっていた。「Waling Down The Path Of Life」はゴスペルタッチの曲で、イントロ部分のメロディー以外は女性ヴォーカルがリードを取る。2分程度の短い曲で、一瞬のブレイクの後、ピアノに導かれブライアンのヴォーカルでの「Love & Mercy」へつながっていく。ピアノ以外はハーモニーというシンプルなテイクだが、ブライアンのヴォーカルが実に清涼感があり、美しい。ライブをこなし歌のリハビリも続けてきたブライアン、ここまで表情豊かに歌えるのようになったのかと、感慨ひとしおだった。購入はhttp://www.brianwilson.com/content/path_player/index.htmlまで。いきなり曲が鳴るので驚かないように。送料込み$12.5paypalで買えるので手続きが超簡単なのが嬉しい。(佐野)
Walking Down The Path Of Life / Love & Mercy



☆Cowsills:『We Can Fly』(ウルトラヴァイヴ/CDSOL7141)

カウシルズと言えば「We Can Fly」、決して「雨に消えた初恋」ではない。確かに「雨に消えた初恋」は名曲中の名曲だったが、「We Can Fly」は桁違いの、超弩級の名曲だったからだ。私は、名刺代わりによく自分で作ったポップス名曲集のCDRを渡すのだが、その冒頭は常に「We Can Fly」だった。華やかで、高揚感があって、ビートも、ハーモニーもあって、ソフトロックの理想の形が結実したのがこの曲だったからだ。特に管楽器のイントロの後のアコースティックギターのコードストロークが泣ける。チャートは21位止まりだったが、そんな事は関係ない、ポップスファンなら未来に語り継ぐべき最高の曲だろう。このアルバムは「We Can Fly」をフィーチャーした68年にリリースされたカウシルズのセカンドアルバムで、元々ガレージ出身のカウシルズは、「雨に消えた初恋」と「We Can Fly」の両方を書いたプロデューサーのアーティー・コーンフェルドから離れて自分達の力を試したいという思いがあったようで、本作では全11曲中9曲の作曲に参加し、内3曲が完全なオリジナルと、オリジナル色の強いアルバムになった。しかしアーティー・コーンフェルドの実力は段違いで、オリジナルはキャッチーさが乏しく、全体的に地味な印象はぬぐえない。しかしそのオリジナルの中ではサビに工夫がある「Mister Flynn」がいいし、フィショフとの共作だが、心引かれる解放感のあるメロディを持つ「One Man Show」は素晴らしい快作だった。この後にカウシルズはコーンフェルドとは離れつつ、外部ライターを多く起用して最高作『Captain Sad And His Ship Of Fools』をリリースするのだが、成功は収められなかった。この後は是非、この未CD化のサードアルバムを出して欲しいものだが...。なお、このCDを作ったCollector's Choice Musicはもともと雑なリイシューをする会社だったが、このCDに至っては表から見えるバックインレイの曲順がメチャクチャで、だいたい11曲入っているのに10曲しか表記していない。正しい曲目と曲順は、実際のバックジャケットを縮小したものがジャケット裏にあるので、そちらを参照して欲しい。(佐野)
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☆Neil Diamond:『12 Songs』(Columbia/8-2796-94776-2)

アメリカを代表するミュージシャンであるニール・ダイアモンド。しかし日本ではあまりに人気がなく、新譜が出てもほとんど取り上げられることもなく、事実、このCDも肝心なこのデジパックヴァージョンはいつまでたってもレギュラー盤しかネット販売のラインナップに出てこなかった。今は出ているがとんでもなく高い値段が付けられている始末。amamzon.comで買うと送料込み2500円くらいで買えるのでそちらをどうぞ。話は回り道してしまったが、このCDはボーナス・トラックにブライアン・ウィルソンが共演した「Delicious Love」という曲が入っているのだ。このテイクはデジパック仕様の盤しか入っていないので間違えてもレギュラー盤を買わないこと。この曲はアルバムの中でも最もビートが効いてキャッチーなナンバーだったが、ブライアンが加わるとバックコーラスとカウンターのハーモニーが入り一気にポップに変貌、曲は新たな輝きを見せた。この1曲のために買う価値があるね。(佐野)
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☆Various:『LIVE8』(東芝EMI/TOBW3271-4)DVD

今年の72日、全世界で30億人が見たと言われるロックの歴史的イベント、「LIVE8」のDVDが4枚組みのボックスでリリースされた。発起人は20年前に「LIVE AID」(このタイトルにも引っ掛けている。巧い!)を実現させたボブ・ゲルドフで、やはりその当時と同じく、アフリカの貧困を救済すべく企画されたイベントだった。丁度この時にイギリスで開催されていたサミット、G8の首脳に向けて企画されており、事実、G8の首脳から毎年250億ドルの予算の増額をアフリカのために引き出すことに成功している。もちろんこのイベントだけで決められたものではないだろうが、無視できない大きな存在であったことは間違いない。さて、この世紀のイベントはこのDVDだけでも70アーティスト、100曲以上、10時間以上が収録されており、とても紹介しきれないので、VANDA向けのアーティストのみ、取り上げさせてもらおう。
オープニングとエンディングを飾るポール・マッカートニーは、ここでも存在感を見せる。
オープニングでU2と共演した「SGT Pepper's Lonely Hearts Club Band」はオープニングとして最高のアクトだ。バックのホーンセクションが、アルバムと同じ服装、同じヒゲを付けて演奏していて、演出もいい。このSGT Peppersはこのイベント全体の演出になっており、ジャケットやレーベルにはSGT Peppers風の服装を着せられたG8の首脳が大きく写っていて、ディスク2のレーベル半分は小泉首相だった。「Get Back,Drive My Car,Helter Skelter」と続くロックナンバーは60歳過ぎとはとは思えないほどパワフルで、十分に聴かせてくれた。ポールと同じく前回も出演したフーは「Who Are You,Won't Get Fooled Again」の2曲。日本公演と同じような雰囲気で、ピート・タウンゼンドのカッコ良さが際立ってていた。体型が崩れないのがさすがだ。ブライアン・ウィルソンは「Good Vibrations」の1曲のみ。あのビリビリの手の動きがカッコ悪いが、演奏はいい出来栄えだ。ただこのDVDのハイライトは何といってもピンク・フロイドだろう。長い間仲たがいしていたメンバー4人全員が本当に久々に顔を合わせ、そして演奏もするなんて信じられない思いのファンも多いだろう。ロジャー・ウォーターズがデイブ・ギルモアに電話をして出演が決まったそうで、一夜限りの夢が実現した。「Speak To Me,Breathe,Money,Wish You Were Here,Comfortably Numb」の5曲に加え、ロジャーとデイブがアコースティック・ギター歌うリハーサル風景まで収められていて、ファンならずとも涙ものだ。髪の毛が伸びロマンスグレーになったロジャーは、どうみてもリチャード・ギアで、こんなに似ているとは思わなかった。(ということは小泉首相にも似ていることになる。)強面のデイブはジャック・ニコルソンみたい。ピンク・フロイドの美しいサウンドに久々に酔わせてもらった。(佐野)
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2005年10月24日月曜日

Radio VANDA第67回選曲リスト(2005/11/03)

Radio VANDA & EXPO Generation ジョイント公開録音 @ 阿佐ヶ谷:よるのひるね


佐野邦彦パート

1.We'll Make Music/Heaven Bound


2.An Angel Cried/Castells

3.I'm Falling Down/Skip Jacks(Teddy Randazzo作の快作。

 放送ではEdison LighthouseDon't You Knowとアナウンスしており、公録では実際に聴いていたのだが、編集の段階で予備のこの曲に間違えて差し替わってしまった。)

 

ゲイリー芦屋パート
4.Reflections And Images/Chuck Bolte & The Jeremiah People

5.Step Into The Sunshine/Evie

6.I Got To Know/Starbuck

7.For Me/Salena Jones

8.The Wheeler-Dealer Part.1Part.2/TM Productions Inc

 

濱田高志パート

9.Love Song Love Song/Johnny Man Singers

10.The Age Of Astrology/Johnny Magnus
11.Footprints On The Moon/Judy Lynn

2005年10月1日土曜日

☆Peppermint Rainbow:『Will You Be Staying After Sunday』(Collector's Choice/CCM611-2)


タイトル曲の「Will You Be Staying After Sunday」を始め、素晴らしいソフト・ロックのシングルをリリースしていた男女混成コーラス・グループ、ペパーミント・レインボウの唯一のアルバムが、そのままリイシューされた。プロデューサーのポール・レカの卓抜したポップ・センスが発揮された好盤で、ソフト・ロックの傑作アルバムのひとつだが、冒頭でも書いたようにこのグループの本領はシングルだった。ここには収録されていないシングル曲、ニール・セダカ作の胸のすくような快作「Good Morning Means Goodbye」と、そのB面でポール・レカ作の「Don't Love Me Unless It's Forever」、そしてその後のポール・レカ作のシングル「You're The Sound Of Love」はどれも傑作中の傑作ばかり。これらをボーナス・トラックで入れれば、このアルバムは最強の名盤になったのに...。コレクターズ・チョイスでは無理か。さてこのアルバムではやはりアル・カーシャ作の高揚感に満ちた「Will You Be Staying After Sunday」が圧倒的に素晴らしい。アルバムで聴くと歌が終わった後にオーケストラによる壮大なリプライズが出てくるので、この曲はアルバムで聴く方が絶対にいい。次に気に入っているのがバーンスタイン=ミルローズ作の「I Found Out I Was A Woman」。メロディに心引かれるフックがあり、軽快で胸がときめくようなサウンドはまるでペパーミント・レインボウのために書かれた曲のよう。ポール・レカ作の雄大な「Rosemary」もいい。オリエンタルなテイストがいい味を出していて、冒頭のオーケストレーションは、往年の東映動画長編アニメーションを見ているかのようだった。哀調を帯びたポール・レカの「And I'll Be There」もコーラスとサウンドが一体となって聴きごたえがある。(佐野)
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☆GoldeBriars' Story:Whatever Happened To Jezebel?(CD-Rom eBook)

このCD-Romはゴールドブライアーズのメンバーであり、最近では60年代にカートベッチャーらの協力を得て録音していた未発表曲集『Sometimes Happy Times』をSundazedからリリースしたドーティー・ホルムバーグが、ゴールドブライアーズの始まりから解散、そしてメンバーのその後を130点を超える貴重な写真とともに199ページにも渡って書いたストーリーブックだ。グループの中心であるカート・ベッチャー中心に書かれていて、カート・ファン、いや全てのポップス・ファンにとって必読の内容と言えるだろう。3枚目のアルバムが録音され発売直前まで行っていたのにグループの解散でお蔵入りになってしまったこと、セカンド・アルバム以降はドラムにロン・エドガーを入れるなどバンド形式にグループを変え6人組で活動していたことなど初めて知ることばかり。ドーティーの姉であるシェリ・ホルムバーグが、後にキース・オルセンの妻になっていたなんてことにも驚かされた。そして嬉しいことに1964121日にABCテレビで放送された「Hootenany Show」でオン・エアーされたゴールドブライアーズの「Sara Jane(後のサード・アルバムの収録されるはずだった)がフルで見られる。カートらが黒のタートルネック、ホルムバーグ姉妹が黒髪のおかっぱ頭のファースト・アルバムの時の服装で、歌はリアル・ライブだった。動くカート・ベッチャーが見られるなんて夢のようだ。そして音声トラックにドーティ・ホルムバーグの前述のソロ・アルバムに収録できなかった未発表曲「Hopscotch」も収録されていた。なおこのCD-Romのタイトルの「ジェザベル」とは、ファースト、セカンド・アルバムのジャケットにどちらにも写っていた木彫りの人形の事だ。(佐野)
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☆Brian Wilson:『What I Really Want For Christmas』(BMG/31179)


 ブライアンのソロとして初めてのクリスマス・アルバムが1018日に発売される。どうなのかなと期待とちょっと不安が交ざったこのアルバム、何回か聴いてみたが、正直な感想はまあまあってところ。気に入ったのはオリジナルで新曲のクリスマス・ソングだ。ブライアンがジョージ・ガーシュインやコール・ポーターなどから連綿と続くアメリカン・メロディ・メイカーの実力を発揮してくれる「What I Really Wnt For Christmas」は流麗なメロディがあふれ出している。作詞はバニー・トービン。そしてジム・ウェッブが作詞をした「Christasey」は、ブライアン得意のメロディ・ラインによる美しいナンバーで、バッキングのパーカッションが軽く『Pet Sounds』風で微笑ましい。2001年にウォルマートの店内だけで販売したCD『20 Christmas Stars』に収録されていた「On Christmas Day」は、エコーを増やしてリミックスされた。この曲も心引かれるメロディがあり、もったいないと思っていたので嬉しい収録だ。オリジナルでも1964年の『The Beach Boys' Christmas Album』からのセルフ・カバーは微妙な仕上がり。「Little Saint Nick」と「The Man With All The Toys」は、かねてからロックンロール・アルバムを作りたいと言っていたブライアンの意向かビートが効いていて、後者は間奏以降サックスが入ってロックンロールっぽくなる展開を見せる。オリジナルではないが「Auld Long Syne」は当時と同じくア・カペラ。ただ転調するタイミングが遅いのでちょっと間延びした印象があるだろう。ロックンロールっぽいと言えば「We Wish You A Merry Christmas」はワルツのリズムでクリスマス風に歌われるが、間奏以降、テンポアップしてロックンロールになってしまう。その他の8曲は聖歌やクリスマス・スタンダードで、それぞれブライアンお得意のコーラスをフィーチャーしながら、基本的にクリスマスらしいアレンジで歌われる。その中の「Joy To The World」は1997年のクリスマス・コンピ『Christmas Spirit』に収録されていたテイクの再録だ。全体的にいいんだが、アレンジ的にはフィル・スペクターの『A Christmas Gift For You』には及ばず、楽しさもベンチャーズのクリスマス・アルバムにはかなわない。もちろんビーチ・ボーイズのクリスマス・アルバムの若々しさは得ることができないので、「まあまあ」という評価になってしまう。クリスマスものというのは難しく、往々にしてクリスマスらしく作ろうとして、自分自身の色が出せずに、自己満足に終わってしまう場合が多い。その点、このアルバムには「Deck The Halls」のように大きくアレンジを変え成功したものもあるし、そういった自己満足アルバムよりははるかに良い。オリジナルが良かったので、もっとオリジナルを多くすればというのが個人的な思いである。最後に、消化不良な感じが残るのは、ブライアンのサイトで配信していた「Silent Night」が、そのまま最後に収録されていたからかな。このア・カペラのアレンジははっきり言って出来がよくない。(佐野)
What I Really Want for Christmas