The Pen Friend Club(ザ・ペンフレンドクラブ、以下ペンクラ)のリーダー平川雄一と、弊サイトの連載コラムでも馴染みの西岡利恵を中心に結成されたマージービート・バンド“THE BIG CITY”が、9月20日都内のライヴ・イベント【HAVING A RAVE UP!】に出演する。
今年3月18日に2枚組全20曲を収録した意欲作『Songularity』をリリースして好評だったが、そのソングライティングの中心になっていた平川と西岡によって結成されたTHE BIG CITYは、1960年代英国ロック・バンドのカバー中心のライヴ・バンドで、この活動がペンクラの次作にフィードバックされるのかは分からないが、是非足を運んで聴いて欲しい。
そんなペンクラだが、来年2027年に結成15周年を記念したアルバム『15 BIG ONES』をリリースするというアナウンスをしたばかりだ。詳細については、彼らのTwitterアカウントやFacebookで最新情報を要チェック!
カップリグは前文の通り、岡村靖幸の1988年11月に発表された8thシングル「だいすき」(1988年)のカバーである。ピュアなラヴソングの歌詞を持ち、オリジナルのシングル・ヴァージョンは、独特なシンコペーションが効いた16ビート・シャッフルと呼べるファンキーなポップスで、リリース当時は岡村が敬愛していたプリンスの「Raspberry Beret」(『Around The World In A Day』収録Prince And The Revolution名義/1985年)のオマージュという批評があったと記憶する。
コード進行など似ている雰囲気はあるが、グルーヴ感はむしろザ・ドゥービー・ブラザーズの「What a Fool Believes」(1978年)、そのオマージュ元となっているニール・セダカの「Love Will Keep Us Together」(1973年)や同曲をカバーし全米1位にしたキャプテン&テニールのヴァージョンに近い。
ドゥービーの「What a Fool Believes」の作者でメンバーのマイケル・マクドナルドと共作者でシンガーソングライターのケニー・ロギンスが曲作りの時点で意識していたかは不明だが、この曲のレコーディング時プロデューサーのテッド・テンプルマン(元Harpers Bizarre)はシンコペーションにかなり拘り、リズムセクションのセッションにかなり時間を費やしたという。ハーパスの前進バンドThe Tikis時代はドラマーだったテッド自身もドラムをプレイし、メンバーのキース・ヌードセンとのダブル・ドラムで編み出した完成形で「Love Will Keep Us Together」のグルーヴをオマージュしたのではないかと考える。西海岸の荒っぽいバイカー上がりのバンドが、東海岸のブリル・ビルディングを源流とする洗練されたポップスからアイディアを得るというコペルニクス的転回は、ワーナー・レコード社長でバーバンク・サウンドを作り上げたレニー・ワロンカーの下で修業したテッドらしいエピソードである。この「What a Fool Believes」の魔力については、そのルーツと影響力を筆者が選曲したプレイリストのサブスクをつけるので聴いていただきたい。