2001年1月20日土曜日

Radio VANDA 第 10 回選曲リスト(2001/2/1)

Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 毎月第一木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。

 
第一特集Classics IV 特集

1. Midnight ('69)
2. It's Too Late ('64)...Arlen
からのデビューシングル
3. Pollyanna ('66)...Capitol
移籍後のシングル。この曲のみClassics名義
4. Nothing To Lose ('66)...Capitol
2枚目のシングル。初の B. Buie=J. Cobb 作品
5. Spooky ('67)
6. Stormy ('68)
7. 24 Hours Of Loneliness ('68)
8. Traces ('69)
9. Rainy Day ('69)
10. Traffic Jam ('69)
11. The Comic ('70)
12. My First Day Without Her ('75)...MGM South
からのラストシングル


第二特集日本のソフト・ロック

13. Rainy Saturday & Coffee Break...林哲司 ('77)
14.
失恋するための500のマニュアル...カルロストシキ&オメガトライブ ('89)
15.
秘密のカレイドスコープ...スプリングス ('01)...Early Version

 

☆Bobby Vee:『Come Back When You Grow Up/Bobby Vee Meets TheVentures』(Collectable/2776)

これはボビー・ヴィーのアルバムでもベストのカップリングが誕生した。ただし、両者の間は4年離れており、サウンド的には大きく異なっているのだが。さてまずは『Come Back When You Grow Up』だが、これは『Soft Rock A toZ』でも大きく取り上げた、67年リリースのソフトロックの傑作である。レオン・ラッセル、アル・キャップスらがアレンジャーに付き、プロ作曲家陣が曲を書く、この実績のあるプロにまかせたパターンが功を奏した。「作曲家ロン・ダンテ」の「A Rose Grew In The Ashes」「Objects Of Gold」の2曲が光る。そしてアルバムのハイライトが高揚感に満ちた「Get The Message」、ポップな「Hold On To Him」、洒落た「World Down On Your Knees」の中間の3曲。ボビー・ヴィーがオールディーズだと敬遠していた人は驚くに違いない。63年のアルバム『Bobby Vee Meets TheVentures』はタイトルのごとくベンチャーズがボビー・ヴィーのバッキングを担当した注目盤。ベンチャーズならではのタイトな演奏が、オールディーズ時代の彼の曲をビシッと締めている。ベンチャーズの演奏はいつ聴いても最高だ。(佐野)

2001年1月14日日曜日

☆Various:『A Tribute To Garth Brooks/New Friends In Low Places』(Purple Pyramid/0557-2)

このCDも99年のリリースなのだが、『The Beach Boys Complete:New Edition』の編集でようやく気づいたためここで紹介しておこう。タイトルのとおり、ガース・ブルックスのトリビュート・アルバムだが、この2曲目「Papa Loved Mama」はアル&マット・ジャーディンが歌っていて、ドライヴが効いた最高の仕上がりになっている。カントリー系の歌はアルにピッタリ。演奏もいい。歌のうまいアルがビーチ・ボーイズにいないのは本当に損失で、このCDを聴くとその思いがますます強くなる。(佐野)
A-Tribute-To-Garth-Brooks-New-Friends-In-Low-Places-Cd


☆Ron Dante:『Favorites』(RKO/1023)

これは99年のリリースなのだが、私が今まで気づかなかったため、あえて紹介したい。タイトルのようにダンテが自分のお気に入りの曲を歌ったものだが、まず嬉しいのはあの若々しい声が変わっていないことだ。そして予算をかけて録音していないので、シンプルな演奏が逆に60~70年代のサウンドを再現している。Gary Zekley作のグラス・ルーツの大ヒット、「I'd Wait A Million Years」からスタートし、最後は自分がリード・ヴォーカルを取ったカフ・リンクスの「Tracy」で終わるこのCD、まず、目立つのは6曲ものグラス・ルーツのカバーだ。よっぽど好きなのだろう。個人的には「Temptation Eyes」と「Where Were You When I Needed You」が嬉しい。注目はアソシエイションのカバー3曲だ。特に「Cherish」のような高度なハーモニーの曲も再現していて、ダンテのこだわり度が伺える そして「Tracy」はやはりいい。「Sugar Sugar」が入らなかったのはなぜ?(佐野)

☆Free Design:『Cosmic Peekaboo』(Marina/MA52)

このCDはフリー・デザインの新作で、クリス・デドリックが全11曲の内8曲を書き、2曲は兄のブルース、残る1曲はクリスとブルースの共作と、全曲新曲の完全なオリジナルアルバムである。音楽一家のデドリック家の兄弟姉妹はみな音楽で成功を収めていて、各地で多忙な生活を送っているのだが、前に紹介したブライアン・ウィルソン&ビーチ・ボーイズヘのトリビュート・アルバムでこのマリナ・レコードよりリリースされた『Caroline Now!』にフリー・デザインとして「Endless Harmony」のカバーで参加し、これがきっかけとなって新作の話が持ち上がり、再び兄弟姉妹が集まってこのアルバムが作られた。クリスとブルース、そしてサンディというオリジナルのフリー・デザインのメンバーに、若きレベッカ・パレットが加わり、男2人女2人というフリー・デザインのハーモニー・スタイルが出来上がった。さて肝心な出来だが、これが凄い!素晴らしいなんていう月並みな表現ではとても気持ちを洗わせない。なにしろ最後のアルバム『There Is ASong』から2年もの日時が経っているのだ。それまでの再結成アルバムというのは、ファンだけが楽しめる代物で、当時のクオリティが保たれている事はまずなかった。しかしこのアルバムは違う。歌声、ハーモニー、サウンド、アレンジすべてが当時の衝撃そのままに、いやさらにクオリティを増して迫ってくる。ポップ・フィールドに姿を現さなくとも、スター・スケイプ・シンガースなどで第一線を続けてきた実力と、きちんとした音楽教育を受けてきた彼らのインテリジェンスが、音楽を錆び付かせなかった。複雑で高度なコーラス・ワークを全面に出し、ヴォーカルの魅力を最大限聴かせてくれる。人間の声が最高の楽器だというのは私の持論だが、フリー・デザインのこのアルバムを聴いてさらに思いを深くした。そしてアコースティック・ギターとピアノ、トランペット、ヴァイオリン、チェロなどの当時と変わらない楽器構成は、実は今でも最も通用する「不変」の楽器構成であり、このアルバムを聴きやすくすると共に古さも感じさせない。2001年の最高傑作になるだろう、このアルバム、ともかく黙って購入して聴いて欲しい。絶対に期待を裏切らない。発売は2月23日。(佐野/ Special Thanks to Frank Laehnemann of Marina Records & Eric Mason)

2001年1月11日木曜日

☆Association:『Waterbeds In Trinidad』(SME/9819)

アソシエイションのオリジナル・アルバムで、コロンビアからのリリースだったため、唯一CD化されていなかった『Waterbeds In Trinidad』が遂にCD化された。72年のリリースで、再結成アルバムを除けば本作がラスト・アルバムになっている。サウンドはアソシエイション後期の『The Association』『Stop Your Motor』からつながる70年代の音。あの名作『Birthday』の精緻なハーモニーの渦、優しい肌触りを持つ歌とメロディは、これら後期の作品からは感じにくい。『The Association』以降のアソシエイションは、キャッチーな部分が無くなってしまったのだ。「同じバンドとは思えない」とは宮治氏の弁。ただ、味わいはあるので、アソシエイション・ファンは購入しておくべきだろう。"Come The Fall""Darling Be Home Soon"がベストトラック。(佐野)
商品の詳細





2001年1月8日月曜日

☆Various.:『GSウルトラ・レア・トラックス2』(テイチク/25692)

タイトルに恥じないレア・トラックが揃ったこのコンピ。このコンピはスパイダースの後述するソノシート音源のために買う価値があると言って間違いない。まずはラテンのアレンジの別テイク、カーナビーツの「テルテル天国」からスタート、ラフ・ミックスのためシングルよりも迫力が増したヤンガーズの「離したくない」「マイ・ラブ・マイ・ラブ」は実にカッコいい。フィンガースの別テイク、英語で歌うワンダースの「マサチューセッツ」や未発表の「白いブランコ」など、ヴァン・ドッグスの前身の岡田朝光とザ・キャラバンの2曲、さらにそのヴァン・ドッグスのソノシート音源。このソノシートはさすがヴァン・ドッグス、非常にタイトでいい。パープル・シャドウズの未発表曲はインストで特に「別れのサンバ」のギター・ワークは見事。そしてテンプターズのオーバーダブ前のトラック2曲とギャロッパーズのカラオケとなる。そして最も目玉が、お待たせ、スパイダースのケイブンシャでのソノシート音源の3曲だ。「悲しき願い」と「朝日のない街」(バリー・マンだ!)はマチャアキのヴォーカルや演奏がその後のLPヴァージョンより迫力満点。そしてエレキ・インストの「ワイプアウト」はサファリーズのヴァージョンなんか彼方にぶっ飛んでしまうど迫力な演奏でもう最高だ。(佐野)

2001年1月6日土曜日

☆Beach Boys:『Archaeology』(Picaresque/2001)

この箱入り、ブックレット付きの豪華なブートは、CD3枚の『Lost Smile Sessions』、CD2枚の『Lost Recording Sessions 1962-1968』の2部構成になっている。ビートルズがそうだったように、ビーチ・ボーイズも『Unsurpassed Masters』シリーズの後は、驚嘆するような初登場音源になかなか出会えなかったが、このブートは初登場は少ないものの、様々なブートに収められていた音源が無駄なく収められ、また何よりも音質が素晴らしく、BBフリークのマスト・アイテムであることは間違いない。まず『Smile』の方だが、『Unsurpassed~』ではまったく不足していた「Heroes And Villains」のヴォーカルセッションが一気にまとめて収められた。それまで「Heroes And Vibrations」、「Heroes And Villians Session Part1&2」の2枚のブートに収められていた音源を上手に集めてあるが、ただしこれらの2枚のCDに入っていたスタジオ・チャットのような生々しいやり取りなど一部カットされている部分があり、お持ちの方は手放さない方が賢明。「Heroes~」の中に入れられていた「With Me Tonight」の様々なヴァリエーションも収録されている。(ただし『Smiley Smile』時のものも混在している)インスト部が長い従来の「Child Is Father To The Man」や、「Cabinessence」、「Wonderful」、「Holidays」、「Barnyard」、「Look」、「Good Vibrations」は『Unsurpassed~』に入らなかった既存のブート音源を集めてきたように思えるが(確信はない)、「The Elements Part1(Fire)」のピアノと不気味なキーボードによる初期ヴァージョンは初めて聴いた気がする。「Vegetables」はSmile Millennium Edition』に入っていた笑い声のヴァージョンである。ピアノの弾き語りの「Surf's Up」には、始めに“Surfin' Take 1"というカウント入り。『Lost Recording~』のディスク1はほぼ『Unsurpassed~』からの抜粋だが、「Do You Remember」のおふざけが長く聴けるなどの違いはある。『Andy Williams Show』に出演した時の3曲も入り、歌詞を変えた「Little Cycle」などが良好な音質で楽しめる。ディスク2のフェイドアウトしない「Fall Breaks And Back To The Winter」は初登場。トラック7の「Can't Wait Too Long」のつなぎのコーラスも初めて聴いたパート。そして「Breakaway」の初登場のアカペラや、その他のセッションはこの『Lost Recordings~』のハイライトだ (佐野)