本作で注目すべきは、アメリカはボストン在住で、かのバークリー音楽大学(Berklee College of Music)でアジア人初の助教授となった、YUKI KANESAKA(Yukihiro Kanesaka)とのコラボレーションである。彼はアレンジャー兼トラック・メーカーとして全面的に参加し、自身が所有するボストンのプライベート・スタジオでトラックを製作して、日本側ではサイゲンジのホームであるスタジオ・ハピネスでギターと歌入れするという二元レコーディングが敢行され、マスタリングはニューヨークという拘りで完成させたという贅沢な一曲になっているのだ。
サイゲンジの久しぶりのオリジナル曲としてソングライティング的には、「走り出すように」(『La Puerta』収録/2003年)や「Breakthrough The Blue」(『Acalanto』収録/2005年)、「Sunrise」(『Music Eater』収録/2006年)と彼のソロ活動初期に通じる、MPB(ブラジリアン・ポピュラー・ミュージック)とニューソウル(Stevie Wonderなど)を融合させた、独特なコード・プログレッションやリズム感覚である。そんなサイゲンジ・サウンドにKANESAKAがもたらしたのは、プロデューサー“YUKI KANESAKA”、マルチインストゥルメンタリスト“monolog”、ビートメイカー DJ “U-Key” と複数の肩書きで活動する、マルチタスクなクリエイターとしての感覚だろう。本作でも打ち込みのロールするキック(バスドラム)やスネアのビートに、生演奏のパンデイロやアゴーゴーベルなどブラジリアン・パーカッションが絶妙に融合した有機的なトラックを聴けるが、彼だからこそ生み出せられたと考えられる。
興味を持った音楽ファンは、是非このサイゲンジの新曲を高音質の配信で聴いて欲しい。
You can fly again / Saigenji
Saigenji ライブ・スケジュール
◎8月10日(日)鎌倉 カフェ エチカ
18:30open 19:00start
¥4000+order/定員20名
予約リンク:サイゲンジオフィシャルサイト
◎8月17日(日)吉祥寺 アウボラーダ
open 17:00 / start 18:00
charge 4,000円+2オーダー
予約リンク:サイゲンジオフィシャルサイト
◎8月30日(土)西荻窪BAR 1956
【SAIGENJI acoustic Live】
8/30(sat)Open19:45~Start20:00
charge:¥4,000 + onedrink:¥600〜
予約リンク:店舗インスタグラム(電話受付)
◎9月18日(木)福島県 郡山The Last Waltz
19:00START
前売り¥3500
当日¥4000
予約リンク:店舗インスタグラム(電話受付)
◎9月19日(金)宮城県 仙台Mondo Bongo
19:30スタート
前売り¥4000 当日¥4500
予約リンク:店舗サイト
◎9月28日(日)大船メルカド
詳細は未確定のため、後日店舗のリンクで要確認
◎Saigenjiスペシャル・ユニット
〜日本×ブラジル国交130周年記念公演〜
2025年 11月 6日(木)@ラゾーナ川崎プラザソル
Saigenji(g,vo)、工藤精(b)、斉藤良(ds)
ゲストグスターヴォ・アナクレート(sax)、城戸夕果(fl)
詳細及び予約リンク:イベントサイト
※2025年は、日本とブラジルが外交関係を樹立してから130年という節目の年。
両国のさらなる交友を願って、Saigenjiを中心としたスペシャル・ユニットが
出演します。
ブラジル音楽を軸にジャズやポップスなどのエッセンスを散りばめた、
この日限りのサウンドをお楽しみください!
Saigenji 関連過去記事
◎『COVERS & INSTRUMENTALS』:記事はこちら
◎『Music Eater』配信開始:記事はこちら
◎『Live “Compass for the Future”』:記事はこちら
◎『Compass』:記事はこちら
◎『ACALANTO~10th. Anniversary Edition~』Saigenjiインタビュー
◎『Innocencia』山上一美インタビュー:記事はこちら
◎『la puerta』bonjour対談レビュー:記事はこちら
◎『SAIGENJI』:記事はこちら
(本文テキスト:ウチタカヒデ)