2020年8月23日日曜日

名手達のベストプレイ第8回~デイヴィッド・T・ウォーカー



出典 :http://blues.gr/

 伝説のギタリスト、デイヴィッド・T・ウォーカー(本名:David Tyrone Walker)は、1941年6月25日オクラホマ州東部に位置する第二の都市タルサで生まれた。同州はアメリカ先住民が強制移住させられた歴史を持ち、インディアンの保留地が多いことで知られている。その様な背景から彼の父親はアフリカ・アメリカンだが、母親はチェロキー族の血を引いている。
 家族はデイヴィッドが2歳になった頃にカリフォルニア州ロサンゼルスの海岸地区サンペドロに移住し、5年後に中央カリフォルニアに移り住んだ。更に7年後にロサンゼルスのワッツ地区に戻った頃、教会音楽からギターに興味を持ちそれを手にしたのは彼が15歳になった頃だという。  

 高校在学中にはThe Kinfolksというバンドを結成し、卒業後は早くもニューヨークでプロ・ミュージシャンとしての活動を開始している。その後The Kinfolksはモータウン・レコードと契約し、マーサ&ザ・ヴァンデラスの専属バンドとなる。デイヴィッドはギタリストとして頭角を現し、マーヴィン・ゲイ、ジェリー・バトラー、ジャクソン5のセッションにも参加して、その名は知れ渡るようになる。
 同時期Universal City Records傘下のレーベルRevueから初のソロアルバム『The Sidewalk』(68年)、続いて『Going Up!』(69年)とソウル・ジャズ系の2作、マイナー・レーベルのZea Recordsからの『Plum Happy』(70年)ではスライ&ザ・ファミリー・ストーンの影響下にあるサイケデリック・ファンク色の強いサウンドを打ち出し、ギター・インストゥルメンツという新たなジャンルで自らの表現場所を開拓していく。 

 70年代に入るとスティーヴィー・ワンダー、ダイアナ・ロス、マイケル・ジャクソンのソロといったモータウンの名だたる看板アーティスト達のセッションもこなしていくが、ポップス・ファンにとっては忘れられないのは、キャロル・キングの『Rhymes & Reasons』(72年)、『Fantasy』(73年)への参加だろう。従来の歌伴を超えたデイヴィッドのプレイは、志高いセッション・ミュージシャンのアイデンティティを確立したと言って過言ではない。また当時彼女が所属していたODEレコードではソロ契約もして、『David T. Walker』(73年)、『Press On』(73年)、『On Love』(76年)の3作をリリースし、ニューソウルの匂いを残しつつジーン・ペイジなどのアレンジャーによるオーケストレーションを導入するという新たな試みをしている。
 
彼が参加したアルバムは、1963年の『The 1963 Sound Of Hank Ballard And The Midnighters』から2017年のVulfpeckの『Mr. Finish Line』まで2500作以上とされており、時代を超えてそのギタープレイが愛されている。正にミュージシャンズ・ミュージシャンという肩書きが相応しい存在なのだ。 
 さてここでは、そんなデイヴィッド・T・ウォーカー氏を心より敬愛するミュージシャン達と、彼のベストプレイを挙げてその偉業を振り返ってみたい。今回は参加者9名の内ギタリストが6名もいるのでテクニカル面でも解説してくれた。
 サブスクリプションの試聴プレイリストを聴きながら読んで欲しい。




 【デイヴィッド・T・ウォーカーのベストプレイ5】 
●曲目 / ミュージシャン名
 (収録アルバムまたはシングル / リリース年度)
◎選出曲についてのコメント
※管理人以外は投稿順により掲載。


足立浩(アダチ ヒロシ)
Drums & Percussion 奏者/じゃむずKOBO 代表/S.A.D.ドラムスクール 講師 
◆HP URL:https://adhiroshi.amebaownd.com 



●You’ve Been Around Too Long / Carole King(『Fantasy』/ 1973年)
◎綺麗な曲繋ぎのこのアルバム。 
 ハーヴィー・メイソンのドラムと絡みながらリズムを立体的に仕上げています。
 個人的に好きな2:58のココ(是非聴いてください笑) そして良い曲だったなぁと油断しているとラストでやられます。 

●傘がない-イントロダクション- / 井上陽水(『二色の独楽』/ 1974年)
◎アルバムのイントロダクション。とても美しい響きで一気に世界観を作ってしまうのは流石。
 「流れるように、歌うように」見事に体現されたプレイ。
 その後の「夕立」のギターリフとのコントラストが素晴らしい。

●Come on Back to Me Lover / Margie Joseph
 (『Feeling My Way』/ 1978年)
◎最初から最後までこんなにも色彩豊かに表情をつけていく、、、凄すぎませんか?2:07からギターソロへ移行しますが、何とも流れが綺麗。
 楽器で歌うってこうゆう事なんですね。はぁ素敵。

●In All My Wildest Dreams / Joe Sample
 (『Rainbow Seeker』/ 1978年)
◎ジョー・サンプルとのコンビネーションが素晴らしいこの曲。
 会話が聴こえてくるこの感じが大好きです。
  2:49の抜き具合が何ともセクシー!

●Honest I Do/ JOE SAMPLE - DAVID T.WALKER
 (『SWING STREET CAFE』/ 1981年)
◎全編ご機嫌なブルースサウンドを堪能できるアルバム。
 その中でも終始リラックスしたプレイを楽しめる1曲。
 2:26のデイヴィッドのギターに対してお茶目に返すジョー・サンプルに笑顔が溢れます。



You’ve Been Around Too Long / Carole King 



渡瀬賢吾(ギタリスト)
roppen、bjons、Spoonful of Lovin'、クララズ、ソフテロなど。



●Doo Doo / David T. Walker(『PLUM HAPPY』/ 70年)
◎ソロ3作目。後のOde時代とはまた違う、荒削りなファンクはこの時期ならではの魅力。Afriqueのアルバム同様、ワウやファズで遊んだこの音作りなら、正直デイヴィッド・Tでなくてもいいのでは?とも思いはしますが、芯にあるのはあくまで彼の歌心なので、他の人のギターではダメなのです。

●Directions / Carole King(『Fantasy』/ 1973年) 
◎全編デイヴィッド・Tのギターが素晴らしいアルバム、この曲も例に漏れず個性が爆発しています。ホーンやストリングスを配したアレンジの中にあっても、シグネチャー的なトリルやハンマリング/プリングオフの音がどうしても耳に残ります。 

●Evergreen / BOOKER T(『Evergreen』/ 1974年)
◎イントロから淡々と続くカッティングが、ブッカー・Tのオルガンとともに徐々に熱を帯び、何とも言えない高揚感をもたらす、その様相はさながらミニマルファンク。曲間とアウトロでわずかにフィーチャーされるギターパートだけでハッとさせるのは流石です。

●Street Walkin’ Woman / Marlena Shaw
(『Who Is This Bitch, Anyway?』/ 1975年) 
◎楽曲、リズム、歌とどれも最高のこのアルバム、デヴィット・Tは名手ラリー・カールトンとのツインギター。「Feel Like Makin’ Love」はじめどの曲でもいいのですが、ダイアログのあと突如鳴り響くこの2曲目を。 高速ビートからスイングへと移り変わるリズムを、シンコぺの効いたオブリとバッキングで乗りこなす様は圧巻。

●Do It To My Mind / Johnny Bristol
 (『Bristol's Creme』/ 1976年)
◎フリー・ソウル〜AORの流れを感じるこのアルバム、この1曲目に先導されるようにメロウでファンキーな良い曲ばかり。 ダブルストップを多用したデイヴィッド・Tのギターは洗練の極みで、パーカッションや分厚いコーラスと絡むオブリも気持ち良いです。


Do It To My Mind / Johnny Bristol



 【TOMMY (VIVIAN BOYS) 】
オフィシャルサイト : https://twitter.com/VIVIAN_BOYS



●Long Distance / Garnell Cooper & The Kinfolks 
(7"『Green Monkey』B面/ 63年) 
◎リーバー&ストーラー制作。ホットロッド曲「Mustang」と共に『Las Vegas Grind 6』に収録の猥雑キラー。デイヴィッドT元素全開。ベースの初期相棒トレイシー・ライトらとマーサ&ザ・ヴァンデラス専属バンドに(68年2月初来日)。

●Nuki Suki / Little Richard(『The Second Coming』/ 72年) 
◎黄金期組(バンプス・ブラックウェル、リー・アレン)、レッキング・クルー(マイク・ディージー、ジム・ホーン)、架け橋アール・パーマー、次世代チャック・レイニー。デイヴィッドTのワウは、それらとリチャードの叫び&クラヴィコードを繋ぐグルーヴの核。

●Spanish Harlem / The Crusaders(『Hollywood』/ 72年) 
◎モータウン傘下レーベル作。スペクター作曲関与のベン・E.キング曲。チャック・レイニーと共に客演。デイヴィッドTの対旋律、ワウを絡めたリズムパターンの無限の引き出しを支える、アーサー・アダムスとの二人羽織は『イタリアン・グラフィティ』等でも。 

●On Broadway / David T. Walker(『David T. Walker』/ 73年) 
◎シンガー、キャロル・キングの仕掛人、ルー・アドラーのOdeより。ザ・クリスタルズ版経由でスペクターがギターソロ参加の、ザ・ドリフターズ版が雛形。ウィルトン・フェドラー、ビリー・プレストン、何よりボビー・ホールが生む、マーヴィン・ゲイ諸作感。

●Only With You / Nick DeCaro (『Love Storm』/ 90年) 
◎山下達郎『Big Wave』収録曲。ブルース・ジョンストンと似たデカロの舌足らずな歌と、デイヴィッドTのオブリは、原案のブルース&テリー「Don't Run Away」をより想起。
 「アンダー・ザ・ジャマイカン・ムーン」同様、聴き処はFO前。




Long Distance / Garnell Cooper & The Kinfolks




 【小川タカシ(カンバス)
ソロユニット、カンバスのボーカル、ギター、作詞作曲として活動中。
また、楽曲提供やコーラス、ギターなどのサポート・レコーディングも行う。
オフィシャルサイト : https://canvasweb.net/ 



●Hot Fun In The Summertime / David T.Walker
 (『David T.Walker』/ 1971年)
◎Sly & The Family Stoneが1969年にリリースした曲のカバーです。原曲も最高ですが、このバージョンは最初の1音が最高にソウルフルだなと思いました。珍しくワウペダルを踏んでいるのも好き。

●Our Lives Are Shaped By What We Love / Odyssey
 (『Odyssey』/ 1972年)
◎定番曲「Battened Ships」が有名なOdysseyの1stに収録されている曲。昔から好んで聴いていたのですが、このギターがDavid T.Walkerだということに最近気づきました。ピアノのようであり、ホーンのようであり、フルートのような(もちろん”ハープ”も)、ギター1本でいろんな役割をこなしているのが凄いです。 

●If I Lose This Heaven / Quincy Jones(『Body Heat』/ 1974年)
◎ソウル/ジャズの名盤、Quincy Jonesのアルバムから。振られた女性の悲しい歌らしいのですが、幸せだった頃に思いを馳せるような、サビの多幸感&切なさにグッときます。
 独特なグルーヴのカッティングはデヴィTならではですね。

●Body Heat / Leon Ware(『Musical Massage』/ 1976年)
◎先に挙げた曲の作曲者でもあるLeon Wareの2ndから。これくらいのBPMの曲が、David T.Walkerのギターが一番映えるなと思います。
 サビの、高音部分で弾くダブルストップが気持ちよすぎますね。

●Running Away (feat. Joey Dosik, David T. Walker & James Gadson) / Vulfpeck 
 (『Mr. Finish Line』/ 2018年)
◎最近お気に入りのファンクバンド、VulfpeckがJoey Dosik、David T. Walker、James Gadsonとコラボレーションした曲。70年代との違いは、ギターがGibsonのByrdlandじゃないという点。
 ギターのサウンドは当時とは違いますが、ギターのタッチは紛れもなくデヴィTですね。
 ちなみに、今回選んだ5曲はBPM100以下、自分が一番気持ち良いと感じるテンポの曲ばかり選ばせていただきました。



Our Lives Are Shaped By What We Love / Odyssey 



角谷博栄(ウワノソラ/ウワノソラ'67)
マキシシングル『くらげ』8月15日リリース。
オフィシャルサイト : https://uwanosora-official.themedia.jp/ 



●Angie Girl / Nick DeCaro (『Italian Graffiti』 / 1974年)
◎大学時代、ギターの師匠とデヴィTの話題になった。こんなギタープレイは本当にドエロな人ではないと無理だろうね、という結論に至った。
 今でもそんな気がする。色っぽくて男のロマンと哀愁を背負ったギタリスト。

●I Wish You Love / David T. Walker (『On Love』/ 1976年) 
◎デヴィTのライブを初めて観たのは高三の秋。友人といった東京ブルーノートだった。 目まぐるしい(指が早く動くなど)サーカスのような演奏をすごいと思ってしまうような青年だった僕を更新させてくれた。
 そういったプレイヤーとは対極にある人だと思う。間や味、心地よさ、そういったものが僕にとっては本当に好きな演奏の技術なのだと感じた。 その時に物販で購入したアルバムの中からの一曲。

●Your Love-So Good I Can Taste It / Barry White
 (『Is This Whatcha Wont?』/ 1976年) 
◎Barry White、Love Unlimited Orchestra(ジーン・ペイジ)、デヴィT、僕にとってこの人達のサウンドに共通する物は、男性という生き物の繊細さと弱さ、脆さ。
 それが本当に心地よいアンサンブルとなって夢の世界へ誘ってくれる所。尺は長いが本当に大大大好きな曲。

●You Need A Change / Syreeta & G.C. Cameron
 (『Rich Love, Poor Love』/ 1977年)
◎デヴィTはほぼアンプ直差し。弦を弾いた音がそのまま耳へ。 参加作品は膨大。彼が参加している曲はクレジットを見なくても彼だと分かる。

●What's Going On (Live) / Bernard Purdie, Chuck Rainey, David T. Walker etc
 (『Coolin' 'N Groovin' (A Night At On-Air)』/ 93年)
◎マーヴィン・ゲイのカバーのライブ映像。YOUTUBEでも観られます。ライブではクドい程ソロギターを演奏しますが、それもデヴィT印。  キラキラと小指でのプリングが始まると、絶賛ソロタイムの合図。



What's Going On (Live) / 
Bernard Purdie, Chuck Rainey, David T. Walker 



the Sweet Onions:近藤健太郎(The Bookmarcs)&高口大輔
オフィシャルサイト : http://philiarecords.com 



●Never Can Say Goodbye / Jackson 5
 (『Maybe Tomorrow』/ 1971年)
◎キュートでソウルフル、何度でも聴きたい永遠の名曲。 切ないメロディと真っ直ぐな歌声に寄り添う、David T.Walkerのメロウで小粋なバッキング、随所に散りばめられたさりげないフレーズがとにかく心地よいのです。(近藤)

 ●New York City / Alphonse Mouzon
(『The Man Incognito』/ 1976年)
◎かっこいいドラムのブレイクから始まるファンクナンバーにおける聴きどころは、David T.Walkerによるギターソロ。チョーキングを使いながらのブルージーな前半部、コードチェンジしてからのホーンセクションとの絡み、両方が楽しめます。(高口)

● 心を全部くれるまで / 古内東子(『Hourglass』/ 1996年)
◎コードバッキングや弾きまくりのソロというよりは、主役の横に控えながら、自由に隙間を縫って高音部の軽やかな単音、または2音のフレーズで曲を彩るのが本当に上手いギタリストだなと思います。この曲ではオクターブ奏法も交えながら曲にあたたかみを加えています。(高口)

●Who Will The Next Fool Be? / Diane Schuur
 (『Blues For Schuur』/ 1997年)
◎ジャズピアノ・シンガー、Diane Schuurによるブルースアルバム。 アルバムほぼ全編に渡ってDavid T.Walkerがギターで参加。
 この曲もイントロからブルース全開なソロで始まり、滑らかなフレージング、ライブ感満載の貫禄のプレイが堪りません。(近藤)

●Just A Love Child / Bobbi Humphrey
 (『Black And Blues』/ 1999年)
◎曲中左チャンネルで何度も奏でられる彼定番のオブリが印象に残る一曲です。
 左手小指で弦をはじいて弾くDavid T.Walkerが得意とするこのオブリは、彼の参加したセッションで度々聴くことができます。(高口)



Never Can Say Goodbye / Jackson 5 



洞澤徹(The Bookmarcs)
Official HP: https://silentvillage.wixsite.com/horasawa 
2020 New Song - 「When I Was Young」トレーラー:
https://www.youtube.com/watch?v=g28eznv9a0c&feature=youtu.be


 ●Look of Love / David T. Walker (『The Sidewalk』 / 1968年)
◎バカラックのカバー。少しウェスモンゴメリのビートルズ・カバーを匂わせるジャジーなアプローチがとても好きです。

●No Dough / The Mamas & The Papas
  (『People Like Us』/ 1971年)
◎ソフトロックなテイストに滑らかに溶け込む右チャンネルのDavid Tのギター。 決して派手なプレイでないのに過不足ないプレイは存在感あります。

●With A Little Help From My Friends / David T. Walker
 (『Press On』/ 1973年)
◎名盤からのビートルズ・カバー。
 前半のメロウなフレージングからうってかわっての後半の熱いバッキングがグッときます。

●Gotta Get It On / The Crusaders
 (『The 2nd Crusade』/ 1973年)
◎Davd Tは右チャンネルのカッティング。ソウルのお手本バッキング的パターンプレイ。
 左チャンネルのファンキーなプレイとの絡みも抜群です。

●Midnight call / 飯島真理 (『Miss Lemon』/ 1988年)
◎ソフトな飯島真理の歌に寄り添いながらも、目立つわけではないのにはっきりとDavid T 節を決めてくるあたりはさすがです。
 意外にも彼女の歌との相性はバッチリに感じました。


With A Little Help From My Friends / David T. Walker



 【平田 徳(shinowa)
オフィシャルサイト : http://www.shinowaweb.com 



 ●Sweet Soul Shakin’/ Young Hearts
 (『Sweet Soul Shakin』/1968年) 
◎David T.Walker の持ち味のひとつには、歪まない官能的なクリーントーン・ギターワークがあると思いますが、その黎明期にあたるすばらしいギターワーク。ギタリストとして憧れるプレイ!そもそもこの曲が込み上げ系ノーザンソウルとして最高。 

●B Minor / Clydie King(『Direct Me』/ 1971年) 
◎著名なセッションシンガーClydie Kingのソロアルバムからの一曲。
 このギターソロも官能的すぎる。

●Visions / Stevie Wonder(『Innervisions』/ 1973年)
◎叙情的な曲に官能クリーントーンが最高に絡んでいます。

●Share My Love / Gloria Jones(『Share My Love』/ 1973年)
◎官能クリーントーンソロにワウが加わりました的な最高なやつですけど、曲のVERSEで盛りあがるとこではソロではなく、ワウでチャカポコやりはじめる、もうニクいアレンジ。

●Dondi / Ed Motta(『AOR』/ 2013年)
◎エヂ・モッタの2013年のアルバムにも参加しています。
 まずはしっかりエヂ・モッタをサポートし、油断させた隙に官能シーンをチラ見せする熟練ぶりです。


Sweet Soul Shakin’/ Young Hearts



ウチタカヒデ(WebVANDA管理人)

●Love's So Far Away / Donald Byrd(『Black Byrd』/ 1973年)
◎ジャズ・トランペッターのドナルド・バードがスカイハイ・プロダクションと組んでファンク化する最初期盤から疾走感ある1曲。ハーヴィー・メイソンとチャック・レイニーの鉄壁なリズム隊をバックにデイヴィッドのプレイは左チャンネルで聴ける。
 素早いカッティングからダブルストップのパッセージが次々に繰り出されるからたまらない。

●Feel Like Makin' Love / Marlena Shaw 
 (『Who Is This Bitch, Anyway?』/ 1975年)
◎説明不要の一期一会セッションの名盤から。ここでもハーヴィーとチャックのリズム隊で、右チャンのデイヴィッドに比べ左チャンのラリー・カールトンのプレイはやや控えめだが、2コーラス目のサビから双方のプレイの対比が面白くなる。
 デイヴィッドは独特なアックのオブリからローポジションでダブルストップを連発、トレモロ・ピッキングでのスライドと職人技のオンパレードだ。
(※サブスクでは左右のチェンネルが逆になっているので要注意!)

●雲のゆくえに / 吉田美奈子
 (『愛は思うまま (Let's Do It)』/ 1978年)
◎村井邦彦がビリー及びジーンのペイジ兄弟にプロデュースをオファーした海外録音盤の1曲。山下達郎によるカーティス・メイフィールド風の曲調で後に彼もセルフ・カバーする。デイヴィッドは左チャンネルでこの曲に不可欠なフレーズのリフレインを弾き、吉田のボーカルに呼応する。

●Almost Everything / Melissa Manchester
 (『Don't Cry Out Loud』/ 1978年)
◎リオン・ウェアのプロデュースによるメリッサの出世作からメロウ・バラードを。艶のあるイントロのフレーズからジェームス・ギャドソンとチャックのリズム隊によるグルーヴにデイヴィッドの小気味いいカッティングが乗れば言うことは無い。女性シンガーの歌伴として理想的なプレイが聴ける。

●If You Think You're Lonely Now / Bobby Womack 
 (『The Poet』/ 1981年)
◎盟友ボビー・ウーマックのポエット3部作の1作目から感動的なブルースを。デイヴィッドが左チャンネルで繰り返すリフはジョー・サンプルの「In All My Wildest Dreams」でのプレイを発展させたパターンのようだ。土臭さを残しつつも古くならないのは、このデイヴィッドのプレイによるモダン感覚なのだ。


Feel Like Makin' Love / Marlena Shaw 

(企画 / 編集:ウチタカヒデ) 

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