Art Laboeが2022年10月7日に97歳の大往生を遂げた。現役ラジオDJとして死の直前まで活躍し、彼の生み出したフレーズ「Oldies But Goodies」はラジオ番組のみならず、創業者として立ち上げた自身のレーベルからリリースした同名のコンピレーションはベストセラーとなった。また、Morgan家と実父Murryを通じて15歳のBrianをオーディションに向かわせた先は彼のレーベルであった。(リリースは実現せず)
続く「うらぎりもの」も一筋縄ではいかないサウンドで、作編曲の石若を筆頭に、手練なミュージシャン達によるフューチャー・ジャズをバックにした、アブストラクトな集団ヴォーカリーゼーションと呼べばいいだろうか。ラップ・グループ Dos Monosの没a.k.a NGSによる歌詞も極めて観念的で、聴く者を異次元に誘ってくれる。
演奏は精鋭ジャズ・バンドのSMTKで、リーダーの石若はドラムの他フェンダー・ローズも担当し、ベースのマーティ・ホロベック、ギターの細井徳太郎からなるリズム・セクションに、バークリー音楽大学を首席で卒業したサックス奏者、松丸契がフリーキーに絡んでいく。高度で複雑なコーラス・アレンジを担当した小田朋美は、ceroの4thアルバム『POLY LIFE MULTI SOUL』(2018年)と同ツアーにも参加し準メンバーとしても知られてる才女である。
彼は幼い頃にウクレレを弾き始め、そのうちにカントリー音楽に興味をもつようになる。高校生の頃は、James Brown、Buddy Holly、The Beach Boysなどをカントリースタイルで演奏していたらしい。その後、Bob Dylanの1963年のアルバム『The Freewheelin' Bob Dylan』から人生の転機になるほど大きな影響を受けたそうだ。
4枚のアルバムがニューヨークのRouletteレーベルからリリースされている。
1969年 『Don Cooper』(Roulette – SR-42025)
1970年 『Bless The Children』(Roulette – SR-42046)
1971年 『The Ballad of C.P. Jones』(Roulette – SR-42056)
1973年 『What You Feel Is How You Grow』(Roulette – SR-3009)
Don Cooperの音楽はRouletteレーベルでのリリースは適切ではなかったとも言われていて、当時商業的にはそれほど成功しなかったそうだ。
有名ではなかったものの、代表作の2ndアルバム『Bless The Children』は90年代のフリーソウルのシーンで人気が高まった作品らしい。オリジナル曲の他、James Taylorのカバー「Something In The Way She Moves」などが含まれる。タイトル曲の「Bless The Children」は、哀愁に満ちたアルバムの中でグルーヴィさが際立つ曲。