2022年9月10日土曜日

FMおおつ 音楽の館/Music Note(2022年8月号)~西城秀樹特集(Part-3)Set List

 「音楽の館~Music Note」、8月は5,6月に続きヒデキ特集Part-3。今回はライヴ音源を中心にしたプログラム(8月27&28日放送済み)でした。そのプレイリストを紹介します。

 “秀樹の真骨頂はライヴ”という声にお応えしたもので、トップは彼の歌声を世界にとどろかせた<傷だらけのローラ>フランス語ライヴ・ヴァージョン。 この音源は1978.6.25. に発表の第8作Liveアルバム『バレンタインコンサート・スペシャル/西城秀樹 愛を歌う』から。1978.2.14. の日比谷公会堂で開催、演奏は藤丸バンドと服部克久氏が編曲・指揮を担当した新日本フィルハーモニー交響楽団。

 曲の序曲イントロはクラシック<未完成交響曲第一楽章>で、才人服部氏らしい雰囲気に仕上がっています。この曲は朝日新聞の土曜版(5/15)に掲載の「今こそ!聴きたい西城秀樹」の人気投票でも堂々の第1位曲。

  
 BG-1はオーティス・レディングの<Try A Little Tenderness>を白人として初めてカヴァー・ヒットさせたThree Dog Nightの1969年サード・シングル(U.S.29位)。この曲のヒデキ・ヴァージョンは1975.11.3.ソロ歌手史上初日本武道館第1回リサイタル『MEMORY - 西城秀樹20歳の日記』収録。演奏は永尾公弘とザ・ダーツ, 芳野藤丸とU.F.O.。「日本語詞」で歌われ後半の盛り上がりはヒデキらしい仕上がり。そしてシャンソンのスーパースター、ジャック・ブレルのスタンダード・ナンバー<If  You Go Away>日本語訳詞<泣かないで>。


 BG-2は1975.7.20.~8.24.開催の全国初縦断コンサート「BLOW UP! HIDEKI」の富士裾野でのパフォーマンスから<青春に賭けよう>。ふじ丸バンド(Dr.金沢順一、B.渡辺和義、Key.中島正雄)の実質お披露目。ここでのヒデキのパフォーマンスは「一人Summer Sonic」「一人Fuji Rock」風。


私はここでのフランキー・ヴァリの全米1位曲<瞳の面影(My Eyes Adored You)>を歌唱するヒデキを見て彼のライブに注目。この曲はTBSで放映された『セブン・スター・ショー』でも披露、またヒデキのシングル50枚目発売記念の1985年武道館コンサートではゲストの藤丸さん登場時、ヒデキが″もおいちど~”と鼻歌交じりに呟いている。そしてエロスミス1974年セカンド・アルバム『Get Your Wings』からのサード・シングル<S.O.S.(TOO BAD)>。スティーヴン・タイラーを意識したヒデキ、ジョー・ベリー然とした藤丸さんのギター・プレイは特に聴きもの。さらにグランド・ファンク・レイルロードの定番で<Heartbreaker>。 


 BG-3はフランク・シナトラが1966年に全米1位に送り込んだ大ヒット<Strangers In The Night(夜のストレンジャー)>。この曲をベット・ミドラーが1976年サード・アルバム『Songs for the New Depression(ベット・ミドラーⅢ)』に収録されたカヴァーテイクから。




 続いては第8作新日本フィルハーモニー交響楽団共演Live『バレンタインコンサート・スペシャル』から。まず「阿久悠=三木たかし」コンビによる情緒溢れるメロディの<ラストシーン>、続いてイントロにビゼーの<カルメン>を合体させた<君よ抱かれて熱くなれ>という服部氏の指揮によるクラシックとドッキングさせた粋な構成。そしてベット・ミドラー風アレンジによる<Strangers In The Night(夜のストレンジャー)>。さらにポール・マッカートニー&ウィングス1975年の世界的大ヒット<Silly Love Song(心のラブ・ソング)>、ラストは<You Keep Me Hangin' On>。これは1966年に全米1位に輝いたシュープリームスのオリジナルというよりも、翌年のヴァニラ・ファッジのカヴァー印象が強い。


 BG-4は前パートのラスト<You Keep Me Hangin' On>のロッド・スチュワートのカヴァー。これは1977年リリース第8作ソロ『Foot Loose & Fancy Free(明日へのキック・オフ)』に収録されたもの。時期的にヒデキはここでのロッド・ヴァージョンを意識して服部克久氏にアレンジを依頼したかも。氏もそれに応えクラシック・ベースの気品溢れるものに。

 ここでは翌年のコンサートを連想させる<若き獅子たち>や、洋楽カヴァーの<What a Diffrence a Day Makes(恋は異なもの)>を披露。後者はエスター・フィリップスのカヴァー(1975年全米.20位 R&B. 10位)のダンサブル・ベース(オリジナルはダイナ・ワシントン1959年全米8位 R&B. 1位)、さらにメンバー紹介をはさみコンサートのハイライトになっています。

 BG-5は<What a Diffrence a Day Makes(恋は異なもの)>のエスター・フィリップスのヴァージョン。続いては1976年の武道館第2回コンサートを収録した『HIDEKI LIVE '76』から。今やブラス・バンドによる応援ソング定番<African Symphony>。この曲は<The Hustle>のヴァン・マッコイが1974年にSoul City Symphony を率いた『Love Is The Answer』の収録曲。そして、ドゥービー・ブラザースのライヴでオープニングに演奏される定番1972年のヒット曲<Jesus is Just Alright(希望の炎)>。

 BG-6は桑名正博さんのソロ・デビュー曲<哀愁トゥナイト>。ヒデキもお気に入りナンバーだったようで、第 9作目ライヴ・アルバム『永遠(とわ)の愛7章/西城秀樹』と1981年の『HIDEKI SONG BOOK』にも収録。

 このパートではヒデキと藤丸さん書下ろしの意欲作1978年12月20日リリースの第10作『ファーストフライト』と連動した『永遠(とわ)の愛7章』から。11月3日日本武道館で開催された第5回コンサート「永遠の愛7章」収録曲を。


 ここに収録されたヒデキの自作曲<Sweet Half Moon><その愛は>等は、彼の非凡さを感じさせます。また萩田光雄氏のスコアで<哀愁トゥナイト>が収録。桑名版での高中正義さんのギターと、藤丸さんのギター・プレイとの聴き較べも惹かれるところ。

 BG-7はザ・ピーナッツの<Epitaph>。この曲はプログレッシヴ・ロックの最高峰キング・クリムゾンが1969年にリリースした金字塔『In the Court of the Crimson King (subtitled An Observation by King Crimson)(クリムゾン・キングの宮殿)』の収録曲。このヴァージョンは1972.8.19.の文教公会堂での山本とおる氏の奏でるギターに乗せたピーナッツの名唱。


 次のパートはヒデキ・ライヴの中でも“伝説”として語り継がれている1979.8.24.後楽園球場の第2回コンサート<「BIG GAME '79 HIDEKI」から。このコンサートは雷鳴とどろく激しい雨の中で敢行されたものです。その悪天候の中でもヒデキのパフォーマンスはゆるぎなく、ビリー・ジョエルの<HONESTY>、続いて雨を吹き飛ばす勢いでクィーンの<DON'T STOP ME NOW>、ヴィレッジ・ピープルの<Go West>。

 このライヴでのハイライトは響きわたる雷名や豪雨をBGに歌い上げる<EPITAPH>。ファンの間では「秀樹に神が降りた」と評されたる伝説的なステージ。バックの鈴木武久とアルバトロスも感電を恐れない献身的演奏でヒデキをサポート。

 BG-8はアメリカのブギ・バンド、フォガット1975年のヒット<Fool For The City>です。この音源は1978年の第一回後楽園球場でのもので、このライヴは藤丸さんが「One Line Band」結成により、サポート参加した最後のライヴ。

 このライヴではアラン・パーソンズ・プロジェクトの<Some Other Time(哀しい愛の別離)>、1977年リリースのセカンド・アルバム『I Robot』の収録曲。そしてバリー・マニロウの大ヒット<Copacabana (At The Copa)>。 

 BG-9は後楽園球場1980年7月18日第3回コンサート「BIG GAME '80 HIDEKI」からユーライア・ヒープ<July Morning>。収録曲はジェファーソン・エアプレインから発展したジェファーソン・スターシップの1979年リリース第5作『Freedom at Point』から<Rock Music>。そして、山下達郎さんのブレイクきっかけとなった<BOMBER>。

 BG-10は『J・U・S・T・R・U・N'84/HIDEKI』のオープニング<パシフイック>(1984.7.5. 48th Single <背中からI Love You>カップリング曲)。このアルバムのセット・リストはかなりユニーク、まずは女性ヴォーカルWakazukuriを大きくフューチャーした<Once Love Touch's Your Life>。この曲はスティービー・ワンダーの元伴侶Syreeta 1983年リリースの第9作『The Spell』から。続いて<My Male Curiosity>、米米CLUBがお手本としたバンドKid Creole & The Coconutsの映画『Against All Odds(カリブの熱い夜)』への提供曲。オーラスは、ヒデキの第17作『GENTLE・A MAN』に収録の角松敏生さん書下ろしによる名ファンク・ナンバー<Through The Night>。

 といったところで今回のヒデキ特集Part-3は1997年にリリースされた『西城秀樹ROCKトリビュート KIDS' WANNA ROCK!』収録のシークレット・テイク<Claps: Thank You>でおしまい。

 さて次回の「音楽の館/Music Note」9月号は、ヒデキさんも採り上げた<Bomber>の作者で、現在3年ぶりに全国をツアー中の「山下達郎」さんの特集をお届けします。これからツアーに行かれる方も多いかと思いますので、彼の音楽センスについての予習を兼ねたプログラムをお届けします。次回もお楽しみに。

※FMおおつ 周波数79.1MHz 

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 <「ヒデキ特集」パート3☆セット・リスト> 

Opening B.G.~ Gems1(A Cappella)/ esq( 三谷泰弘 ) 

1. 傷だらけのローラ(フランス語ライヴ・ヴァージョン) 

BG: Try A Little Tenderness/ Three Dog Night  

2. Try A Little Tenderness(ライヴ・ヴァージョン)

3. 泣かないで(If  You Go Away:日本語訳詞/ライヴ・ヴァージョン)  

BG: 青春に賭けよう(ライヴ・ヴァージョン)

4. 瞳の面影(My Eyes Adored You/ライヴ・ヴァージョン

5. S.O.S.(TOO BAD) (ライヴ・ヴァージョン)

6. Heartbreaker(ライヴ・ヴァージョン) 

BG: Strangers In The Night(夜のストレンジャー)/Bette Midler

7. ラストシーン(ライヴ・ヴァージョン)

8. カルメン~君よ抱かれて熱くなれ(ライヴ・ヴァージョン)

9. Strangers In The Night(夜のストレンジャー) (ライヴ・ヴァージョン)

10. Silly Love Song(心のラブ・ソング) (ライヴ・ヴァージョン)

11. You Keep Me Hangin' On (ライヴ・ヴァージョン)

BG: You Keep Me Hangin' On/Rod Stewart

12. 若き獅子たち(ライヴ・ヴァージョン)

13. What a Diffrence a Day Makes(恋は異なもの) (ライヴ・ヴァージョン)

BG: What a Diffrence a Day Makes(恋は異なもの)/Ester Phillips

14. African Symphony(ライヴ・ヴァージョン)

15. Jesus is Just Alright(希望の炎) (ライヴ・ヴァージョン)

BG: 哀愁トゥナイト/桑名正博

16. Sweet Half Moon(ライヴ・ヴァージョン)

17.その愛は(ライヴ・ヴァージョン)

18. 哀愁トゥナイト(ライヴ・ヴァージョン) 

BG: Epitaph/ザ・ピーナッツ

19. HONESTY (ライヴ・ヴァージョン) 

20. DON'T STOP ME NOW (ライヴ・ヴァージョン) 

21. Go West(ライヴ・ヴァージョン) 

22. EPITAPH (ライヴ・ヴァージョン) 

BG: Fool For The City(ライヴ・ヴァージョン)

23. Some Other Time(哀しい愛の別離) (ライヴ・ヴァージョン)

24. Copacabana (At The Copa) (ライヴ・ヴァージョン)

BG: July Morning (ライヴ・ヴァージョン)

25. Rock Music (ライヴ・ヴァージョン)

26. BOMBER(ライヴ・ヴァージョン) 

BG: パシフイック(ライヴ・ヴァージョン)

27. Once Love Touch's Your Life (feat.Wakazukuri : ライヴ・ヴァージョン)

28. My Male Curiosity(ライヴ・ヴァージョン)

29. Through The Nigh(ライヴ・ヴァージョン)

30. Claps:Thank You / Various Artist  

鈴木英之


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