2004年5月28日金曜日

☆Wilson Phillips:『California』 (Columbia/92103)

ウィルソン・フィリップスの12年ぶりのニュー・アルバムがリリースされた。
彼女らが 3 曲のナンバー1ヒットという大ブレイクを果たしたのは1990年のデビュー作で、ブライアン・ウィルソンとジョン & ミシェル・フィリップスの娘というそのサラブレッドの血が注目されたが、栄光は長く続かずにユニットは解散、ウィルソン姉妹とチャイナ・フィリップスは別々に活動を続けていた。
その間にブライアンは劇的なカムバックを果たし、太っちょのカーニーはダイエットに成功し、見違える程に美しくなった。ジャケットに寄り添う美しいスレンダーな3人の美女を見て、いったい誰がカーニーか、分からないほど。
さて、肝心な曲だが、その華麗なハーモニーは健在で、スウィンギング・ブルージーンズの "You're No Good"、ニール・ヤングの "Old Man"、バースの "Turn Turn Turn"、ママス&パパスの "Monday Monday"、ビーチ・ボーイズの "Dance Dance Dance" というお馴染みの往年の大ヒット曲のカバーが多く入り、親しみやすい内容になっている。
最後の "In My Room" にはブライアン本人が参加していて、サビのパートのリード・ヴォーカルを取っているので、注目だ。
なお、この後にシークレット・トラックも入っている。(佐野)
    
California                                

2004年5月25日火曜日

Radio VANDA 第 50 回選曲リスト(2004/06/03)

Radio VANDA は、VANDA で紹介している素敵なポップ・ミュージックを実際にオンエアーするラジオ番組です。

Radio VANDA は、Sky PerfecTV! (スカパー) STAR digio の総合放送400ch.でオンエアーしています。

日時ですが 毎月第一木曜夜 22:00-23:00 1時間が本放送。
再放送は その後の日曜朝 10:00-11:00 (変更・特番で休止の可能性あり) です。

佐野が DJ をしながら、毎回他では聴けない貴重なレア音源を交えてお届けします。

 
特集Neil Young Part.1 (Buffalo Springfield )

1. Mr.Soul ('67)[Alternare Version] ... Buffalo SpringfieldSingle Only
2. Flying On The Ground Is Wrong ('67) ... Buffalo Springfield
3. Down To The Wire[Version1] ... Buffalo Springfield
。『Decade』収録。

4. Expecting To Fly ('67) ... Buffalo Springfield
5. On The Way Home ('68) ... Buffalo Springfield
6. I Am A Child ('68) ... Buffalo Springfield
7. The Loner ('68)
8. Sugar Mountain ('68)
9. Here We Are In The Years ('69)[Different Mix] ... from UK 2nd Press
NeilYoung Only
10. Everybody Knows This Is Nowhere ('69)[Alternate Version] ... DJ Copy Only
11. Cinnamon Girl ('69)[Different Vocal] ... Single Only
12. Down By The River ('69)

 

2004年5月11日火曜日

『山下達郎作品集 Vol.1/THE WORKS OF TATSURO YAMASHITA Vol.1』 (WILD HONEY/WCD-8004)


 日本の音楽界広しといえど、山下達郎ほど過去の音楽資産を元に驚異的拘りをもって創作活動を続けている現役アーティストは他にいないだろう。 誰の耳にもポップス・マエストロ(巨匠)たる存在であるのに、自らをアルチザン(職人)と称する姿勢にもただ敬服するばかりだ。
 本作はそんな彼が自らの活動とは別に、他のアーティストに提供した曲を集めた初の作品集なのである。 近年ではジャニーズ系アイドル(少年隊、Kinki Kids)へ提供した曲で知られるが、今回は未CDの貴重な楽曲(79年~84年)を中心に構成されている。 

 本作の中でも出色なのが、82年にフランク永井に提供したシングル曲「WOMAN」だろう。 シカゴが誇るヴォーカル・グループのデルズが、80年にユージン・レコード(シャイライツ)、トーマス・C・ワシントン(別名TOM TOM 84)らの手腕で完成させた『I Touched a Dream』を彷彿させるスウィートソウル風サウンドと、フランク永井のバリトン・ヴォーカルが見事に調和した傑作なのだ。 
 同じく収録されたカップリング曲「愛のセレナーデ」は、74年にキングトーンズに書かれた未発表曲(作詞:伊藤銀次)ながら、「WOMAN」同様のサウンド・アプローチで、ストリングスのフレーズを強調した色褪せないバラードに仕上がっている。 

 個人的にはこの2曲だけでも十分買いなのであるが、スタックス/HI風サウンドに渋く鯔背なヴォーカルが乗る円道一成の2曲や、池田典代へ書き下ろした「DREAM IN THE STREET」も悪くない。 前者では山下のギターは殆どスティーヴ・クロッパーしていて微笑ましい。青山純のドラム・プレイはこのスタイルのグルーヴではやや違和感を感じるも、的確な手さばきを聴かせている。 後者のサウンドは『MOONGLOW』のそれを彷彿させ、洗練されたシティ・ポップは今だからこそ再評価されるべき名曲であろう。
 なお本作は山下達郎オフィシャルHPのファンクラブ通信販売サイトだけでの販売であるが、一般でも購入出来るので興味を持った方は是非アクセスして欲しい。

山下達郎オフィシャルHPファンクラブ通販CD

(ウチタカヒデ)

☆Alzo:『Takin' So Long』(BMGファンハウス/37485)

今年、惜しくも急逝したアルゾの幻のセカンド・ソロ・アルバムがリリースされた。
先日 CD 化されたアンペックスでのソロ・アルバムに続き、翌1973年に録音されたものの、ベル・レコードが閉鎖してしまっため宙に浮き、そのままになっていた音源だ。このアルバムのテスト盤というのが存在していて、その一部は Radio VANDA でもかけていたが、こうして全てが正規にリリースされたことは、実に喜ばしい。
曲はお馴染みアルゾ調と言えば、ファンならすぐに分かるだろう。
コードの使い方、メロディの展開、ギターのストローク、歌い方など、アルゾと一発で分かってしまう曲が多く、それはそれだけアルゾが独自のスタイルを持っていたということ。
アルゾ&ユーディン風のものやボサも面白いが、アルゾらしさ全開の " You Might Never Know "や、ピアノをフィーチャーした美しいバラード " So Glad " " Takin' So Long "がハイライト。
テスト盤に入っていた " (I Want You To Be)A Part Of Me "は削られていたが、収録曲の別テイク2曲が収録されていた。(佐野)
   
テイキン・ソー・ロング
                                 

☆Stark & McBrien:『Big Star』(BMGファンハウス/37286)

ソルト・ウォーター・タフィーのリーダー、ロッド・マクブライエンが、1975年にフレッド・スタークなる男性シンガーと組み、フレッド・スタークがリード・ヴォーカル、ロッド・マクブライエンがデュオのパートを歌って録音したものだ。
曲は時代もあって AOR 風だが、ひとつひとつの曲は実によくできている。
ロッドは影に回るタイプなので、ここでもフレッドを前面に立て、10曲中3曲がフレッドのオリジナルだった。
このフレッド・スタークなる人物、かなりのメロディ・メーカーでアルバムの核となる曲を書いており、さすがロッドがほれ込んだだけのことはある。
そのためロッドのオリジナルは " Isn't It Lonely Together "1曲だけ。少し哀調を帯びたバラードで、メジャーに変わってからの展開が心地いい佳曲。
久々に聴きかえしてみて、なかなかいいアルバムだなと、見直した次第。
気に入った方はアルバム未収録曲のRCAのシングル " If You Like The Music "、と Lifesong というレーベルからのシングル " Home Again…Again "が実に素晴らしい曲なので、お薦めしておきたい。(佐野)
    

ビッグ・スター

                                

2004年5月7日金曜日

☆Beach Boys Various:『One In A Million』(Endless Summer Quarterly)

 これはビーチ・ボーイズのファンジンとして有名な「Endless Summer Quarterly」の2004年4月号「DW BUSH」に付けられた CD である。
デニス・ウィルソンに捧げた企画に合わせただけあって、ブライアン・ウィルソン、アル・ジャーディンの他に、デニスとカール、アルの息子といったファミリーや、ビリー・ヒンチ、デビッド・マークス、スティーヴ・カリニッチ、アラン・ボイド、ジェフリー・フォスケット、ゲイリー・グリフィンなどというビーチ・ボーイズを支えたお馴染みの面々がそれぞれ楽曲を提供しているファン注目の1枚だ。
カバーは少なく大半がオリジナルだが、デニスをイメージした曲もあれば、まったく違うスタイルの曲もある。
全22曲、それぞれのミュージシャンによる各自のアプローチが面白い。
ブライアン・ウィルソンはスコット・ベネットが歌う "No Wrong Notes In Heaven" でバック・コーラスを担当し、曲も共作でクレジットされている。曲はビーチ・ボーイズ・スタイルではないが、バック・コーラスはまさにブライアンそのもの、ファルセットとバス・ヴォイスの組み合わせがとてもいい。コーラス・パートをブライアンが書いたのだろう。
アル・ジャーディンは自らの "California[Saga]" を、ギターの弾き語りで、レイドバックしたスタイルで歌う。スローでしみじみとと歌い上げているが、このスタイルでレコーディングしたかったのだそうだ。
その他ではデニスやカール、アルの息子の曲も興味深いが、やはり出来がいいのは、ビリー・ヒンチ、アラン・ボイド、ゲイリー・グリフィン・ウィズ・ジェフリー・フォスケットらのプロの曲になる。さすがの仕上がりだ。
  購入希望はEndless Summer Quarterly,P.O.Box 470315,Charlotte,NC 28247 USAまでPaypalで。
http://esquarterly.com
(佐野)
Special Edition, One in a Million CD