2001年12月5日水曜日

☆Creedence Clearwater Revival:『Creedence Clearwater Revival』(ビクター/61621-6)

大物バンドで「レアリティーズ」という視点ではまったくまとめられないままだった CCR 。最も B 面のみ、別テイクなどというひねり技とは最も遠い位置にいたのが「直球1本」の CCR だった訳で、事実、 CCR としての「レアリティーズ」は存在しない。しかし CCR はなんとデビューが1961年と古く、トミー・フォガティ&ブルー・ヴェルヴェッツとして3 枚、ゴリウォグスとして7枚の売れないシングルを出し、7 年間も下積み時代を耐え抜いたバンドだったことはあまり知られていない。ゴリウォグス時代の音源は、かつて『The Golliwogs Pre-Creedence』のタイトルで LP 化されていたが、ブルー・ヴェルヴェッツのものは手付かずのまま。ところが、今回リリースされたこのボックスセットは、 CCR の全てのアルバム9 枚プラス、ゴリウォグスの既発表音源プラス未発表曲 8 曲、そしてブルー・ヴェルヴェッツのシングル 2 枚が入った究極の仕様になった。唯一収められなかったブルー・ヴェルヴェッツの3枚目のシングルは、現存するコピーが見つからないと正直に書かれていて好感が持てる。確かにプライスガイドにこのシングルのみレコード番号が書かれていない。さてそのブルー・ヴェルヴェッツは 1 枚目がロックンロール、2 枚目がオールディーズ・ナンバーで、 CCR らしさは微塵もない。ゴリウォグスは最初は完全なビートルズのコピーだったが、枚を重ねジョン・フォガティのヴォーカルになり作曲の主導権もジョンに移ると、力強くR&Bフィーリング溢れた CCR のサウンドに劇的に変化していく。未発表曲も "Try Try Try" や "Little Tina" など、ストレートでカッコいい CCR サウンドが現れる。もちろん CCR になってからの曲は文句なしに素晴らしく、シンプルなロックの魅力全開の CCR サウンドに気分爽快間違いなし。今年のベストリイシュー大賞の1枚だ。(佐野)

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