1997年5月22日木曜日

☆Harmony Grass : This Is Us (EM Record/1001)

 今やハーモニー・ポップのファンだけでなく、ソフト・ロック・ファンの間でも最高の評価を得ているハーモニー・グラスの唯一のアルバムがついにリイシューされた。
本誌のライターの江村さんがハーモニー・グラスの中心のトニー・リヴァースと直接交渉し、このハーモニー・グラスを始め、前身のトニー・リヴァース&ザ・キャスタウェイズや、ハーモニー・グラス以降の音源まで、彼の関わった音源の使用許可をまとめて獲得したのだが、その中からまず選ばれたのが本盤だ。アルバム以外に名曲 "I Remember" を始めシングルのみでリリースされた5曲に、サントラのみで使われディスクにはなっていない傑作 "It Takes A Lot Of Lovin'" 、 "I Remember" のイタリア語ヴァージョン、 "Move In A Little Closer Baby"  "Walk On By" のスタジオ・ライブといった初登場の音源が加わり、計22曲の充実した内容になった。群を抜くハーモニー、美しいメロディ、そして卓抜したアレンジが織り成すサウンドは、凄いの一言。こうしてまとまって CD で聴けるなんて、20号からずっとハーモニー・グラス、そしてトニー・リヴァースを追って来たフォーエヴァーの藤本さんと江村さんと私にとって感無量だ。レーベルは江村さん本人が主催するEMレコード、ディストリビューターを通して全国に流れるので、お買い逃しのないように。(佐野)
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1997年4月21日月曜日

☆Millennium : Begin (Rev-Ola/CREVO52CD)


 イギリスのレーベル、クリエイション傘下のRev-Olaからリリースされたミレニウムの永遠の名盤「Begin」の新たなリイシューだが、この CD は今までの "Just About The Same"  "Blight" の追加に止まらず、アルバムからカットされたシングル3枚、6曲のシングル・ヴァージョンがボーナス・トラックで加えられた。
別テイクとかエクステンデッド・ヴァージョンということはないが、すべてにヴォーカルがオンにミックスされ、メリハリの効いたヴァージョンになっているので必聴。 "I Just Want To Be Your Friend"  "There Is No More To Say"  "It's You"  "5 AM" の4曲とさらに "To Claudia On Tuesday"  "Prelude" というこのシングル6曲は、見事にアルバムのハイライト曲を選んでいるので選曲も格別だ。さっそく今までの CD から買い替えよう。そしてカート・ベッチャーの神懸かった才能を堪能しよう。(佐野)
Begin










☆Buckinghams : Time And Charges(ソニー/9268)

 1600円という低価格で発売されたソニーのリイシュー10タイトルでは、ゲイリー・アッシャーがプロデュースしたチャド&ジェレミーの「The Ark」とこのアルバムが世界初 CD 化で目玉。
特にバッキンガムスのこのセカンド・アルバムは、ソフト・ロック・ファンにも人気が高い "Don't You Care" も含み、後のBS&Tやシカゴのプロデューサーとして名をあげたジェイムス・ウィリアム・ガルシオがプロデュースに作曲と、全面的にバック・アップしたアルバムとなった。バッキンガムスのヒット・ソングを一手に受け持ったモブのソングライター、ジム・ホルヴェイの書いた "Don't You Care" と "Why Don't You Love Me" は軽快なポップ・チューンだが、ガルシオがらみの曲はホーンやストリングスを大胆に導入したガルシオのアレンジによって格調の高い作品となったが、どこか陰鬱でバッキンガムスの本来の若々しさをそいでしまった。案の定バッキンガムスとガルシオは対立し、次作ではガルシオの作品を一掃し、メンバーのマーティー・グレッブが中核になって曲を書いている。このセカンド・アルバムは、ガルシオの作品であり、バッキンガムスの魅力はこれだけでは伝わらない。マーティー・グレッブもいい曲を書いているし、以前リリースされたシングル中心のベスト・アルバム「Mercy Mercy Mercy」が何と言ってもお薦めだ。
(佐野)
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