2015年12月21日月曜日

☆Sugar Babe「パレード(Live)」「Down Town(Live)」:山下達郎オフィシャル・ファン・クラブ会誌2015年Winter付録CD


さて、山下達郎オフィシャル・ファン・クラブは毎年12月配布の会誌に、必ず山下達郎のクリスマスメッセージ+レア音源の入った非売品のCDを付けてくれる。1992年からスタートしたので今年で24枚目となる。その中では今でもこのディスクでしか聴けない曲があるので、後述しておくが、今までWeb VANDAで紹介はしてこなかった。しかし今回は違う。なんと、Sugar Babe時代の初登場ライブが2曲も入ったからだ。先日の『Songs40th Anniversary Ultimate Edition)』で、この当時のライブが収録され、みな狂喜したものだが、このCDとは別のライブが収録されたのである。まず「Down Town」の初登場ライブ。『Songs40th Anniversary Ultimate Edition)』のディスク11976128日仙台電力ホールでの「Down Town」が収録され、ディスク2には1975717日文化放送の番組エアチェックが入っていた。このクリスマスCDのライブのアレンジはエンディングのギターパターンからディスク1の1976年のライブに近いと思っていたが、1976224日都市センターホールに客席でラジカセで録音したものだった。ちらも音質はイマイチで、オーディエンスのような雰囲気だが、音質的にはディスク1の方がいい。ただしディスク1のエンディングには山下達郎の英語MCが一瞬入るが、このクリスマスCDの方にはないので、安心して?聴けるかも。繊細な作りの曲ながらライブでは力強い演奏でライブならではの興奮を味わえる。なおディスク2の方はエンディングのギターパターンがまったく違う。もう1曲のライブは「パレード」。この曲のライブは、197641日の荻窪ロフト解散ライブが上記盤のディスク2に収録されているが、このクリスマス盤のライブとイントロのつっかかるようなギター、エンディングのソロの後にピアノで終わるというパターンが同じアレンジだった。この解散記念コンサートは音質がいいのだが、それに比べこのクリスマスCDは「Down Town」のライブとほぼ同じ音質。ドラムと山下のヴォーカルが大きく、全体がこもっているが迫力がある。どおりで1975717日文化放送「ハローパーティー」のエアチェックだった。曲は『Songs30th Anniversary Edition)』で披露されたSugar Babe時代の「パレード(Demo)」の作りなので、後の『Niagara Triangle Vol.1』で正規発表されたピアノのイントロ付の正規ヴァージョンにはないサビの「紙ふぶきは きれいな髪飾りの...」のパートが入っている。このサビが嬉しいが、正規ヴァージョンの方が流麗なジェリー・ロス・サウンドになり1枚上手の作りに変えたのは間違いない。この貴重音源の入ったクリスマスCDだけは買っておいた方がいい。山下達郎オフィシャル・ファン・クラブの方でこの号だけ単独で買う事もできる。(佐野邦彦)

Merry Christmas From Tatsuro Yamashitaのみで聴ける曲

1992年より毎年、山下達郎オフィシャル・ファン・クラブ会員に送られるクリスマスCDで、201512月現在、他では聴けないものを紹介する。

1995年及び1999年「Jingle Bell RockAlternate Version)」、1997年「When You Wish Upon A StarAlternate Version)」、1998年「The Christmas Song」、2001年「過ぎ去りし日々 60s Dream(Live Version)」、2002年「I'm In The Mood For Love」、2003年「What's Goin' On(Live Version)」、2006年「Oh Pretty Woman(Live Version)」、2007年「Remember Me Baby(Live Version)」「Only The Lonely」、2008年「モーニング・シャイン(Live Version)」、2009年「Donut Song(Live Version)」、2010年「Happy Happy Greetings(Live Version)」、2011年「潮騒(Live Version)」、2012年「今日はなんだか(Live Version)」、2013年「Windy Lady(Live Version)」「砂の女(Live Version)」「Bomber(Live Version)」、2014年「ピンクシャドウ(Live Version)」、2015年「Down Town(Live Version:Sugar Babe)」、「パレード(Live Version:Sugar Babe)

 

2015年12月9日水曜日

☆Beach Boys:『Beach Boys' Party Uncovered And Unplugged』(Capitol/B0023853-02)

本作は、1965年リリースの『The Beach Boys' Party』にプラス、50テイクに及ぶ膨大なこのアルバム用の未発表パーティー・セッションを収録したものだ。例によってamazonは相当前に予約したのに発売予定日を過ぎて入荷予定は1月というトンデモない対応、私は既に在庫があったディスクユニオンで購入したが、タワーでも買えたようだ。最近amazonは予約しても最初から在庫ショートと信用できないので、タワーの方が信頼できるかも。さてまず既発表の曲だが、このオリジナル・アルバムと『Good Vibrations Box』に「Ruby Baby」が入ったので、これらの曲は、完成ヴァージョン以外に2~5テイク程度収録されている。ただし「Papa-Oom-Mow-Mow」は1テイクのみだった。これらのテイクは、途中で笑いだして終わっていたり、それぞれ収録されたテイクまでの流れを聴いてみてほしい。ちなみに「Little Deuce Coupe」はある程度普通に歌ったヴァージョンとアルバムのリズムを変えた単独ヴァージョンがあり、「I Get Around」はおふざけで短く終わったものだけが単独であった。アルバムのものはリハーサルを積んだものというよりノリで歌ったメドレーがそのまま収録ヴァージョンになったことが分かる。「Barbara Ann」は最初短くブライアンがリードを取るがファルセットではなく、2テイク目からディーン・トーレンスがファルセットのリード・ヴォーカルを歌い完成していく。だから最後にThank you Deanという言葉が入っている訳だ。さてこれから未発表曲集。イントロこそコードだが、「California Girls」はハーモニーもスムーズで、いい出来だが、きれいに歌っても目立たないと判断されたのか、ボツになった。「Don't Worry Baby」は流れの中でイントロが演奏で出てきただけ。ビートルズ・カバーでは「Ticket To Ride」があったが、歌詞を覚えていないようでコーラスのみユニゾンで歌う適当なもの。逆に完全に使う寸前だったかなと思わせたのがローリング・ストーンズの「Satisfaction」で、あのリフを弦で弾くものとコードで弾くものが収録されたが、乗りも楽しさも十分で、アルバムに入っていても違和感はなかったが落とされていた。さらにボブ・ディランではアルが歌う「Blowin' In The Wind」があるが、これにはおふざけはまったくなく、単独で12弦ギターの弾き語りできれいに歌っていて、収録を検討したが、外されたのだろう。ソニー・ボノの1965年の当時最新ヒット「The Artists(Laugh At Me)」は形を変えて2回登場、がなって歌うタイプの曲なので、マイクの趣味のようだが収録レベルではない。マイクはレイバー=ストーラー作の曲が好きなようで、コースターズで1956年のスマッシュヒット「One Kiss Led To Another」と、ロビンズが歌った1954年の大ヒット「Riot In Cell Block No.9」(注:後に歌詞を変えて「Student Demonstration Time」として『Surf's Up』に収録)は2テイク、そして「Smokey' Joe's Cafe」と、みなハーモニーも付けられ、楽しいパーティー・セッションになっていたが、当落線上ではやや下のレベルだったことが分かる。その場のただのノリで入ったアドリブ曲もあり、マッコイズの「Hang On Sloopy」からライチャス・ブラザーズの「You've Lost That Lovin' Feelin'」、「Twist And Shout」であっという間終わるおふざけセッションや、「Heart And Soul」を歌っているうちに「Long Tall Sally」のリフレインで終わってしまうもの、最後の最後にブルースがニール・セダカ作の「The Diary」を一瞬歌うもの、演奏だけの「The Boy From New York City」もあった。なお、ビーチ・ボーイズ伝説のブートレッグ『Unsurpassed Masters Vol.10』がこの『Party』のアウトテイク集だったが、曲として使えるレベルだった「Blowin' In The Wind」「One Kiss Led To Another」「Riot In Cell Block No.9」「The Artists(Laugh At Me)はこのブートには入っておらず、「Ticket To Ride」や「Hang On Sloopy」~「You've Lost That Lovin' Feelin'」~「Twist And Shout」のおふざけセッションや、最後にブルースがニール・セダカ作の「The Diary」歌うセッション、演奏だけの「Don't Worry Baby」「The Boy From New York City」なども入っていなかった。そのかわり、本CDでは3テイクずつだった「Hully Gully」が9テイク、「Devoted To You」が6テイク、「Ruby Baby」が6テイク入っていたり、「Smokey' Joe's Cafe」のラフな練習が入っていたりしたが、目玉は無く、『Unsurpassed Masters Vol.10』は完敗である。なお『Hawthorne,CA』と『Made In California』に収録されていたパーティーノイズの無い「Barbara Ann」「Devoted To You」「There's No Other」などはダブるが、本CDは、オリジナル・アルバムの部分も含め強力なリミックスを施されているので、全て新ミックスと言っていいだろう。(佐野邦彦





2015年12月4日金曜日

☆Carl Wilson:『Long Promised Road』(Shady Grove/SGRCD2003)

手術は結局、病院の倫理委員会で、危険すぎで中止になってしまった。そのため放射線治療が始まり4回終わったが、下半身麻痺になってしまい、全てはベッド上のみ。脊髄損傷状態である。どう効果が出るか分からないが、考えるとロクな事しか浮かばないので、出来るだけ何も考えないよう、テレビとパソコンだけの日々を送っている。音楽は少しも楽しめないが、紹介しないといけないものは紹介する。さて、このCDは紙ジャケで、作曲のクレジットもないシンプルな作りで、amazon等で購入できる。ハーフ・オフィシャルのような気もするが、詳細不明。内容はカール・ウィルソンがその活動を始めた1981年、ファースト・アルバム『Carl Wilson』の曲に、数曲プラスした全12曲のライブである。413日にニューヨークのボトム・ラインの公演をWNEWというFM局が収録したもの。『Carl Wilson』からは8曲中7曲を収録、名曲「Heaven」も収められた。嬉しいのは『Surf's Up』収録曲でシングルにもなったカール一世一代の名曲「Long Promised Road」のライブが聴けること。もともとロック志向の強いカールがビーチ・ボーイズではできないハードなロックをということでのソロなので、歌も演奏もアルバムよりさらにハードでビートが効いていて楽しめる。ただ「Long Promised Road」のサビや、バラードの「Heaven」、「Hurry Love」などはハーモニーが素晴らしく、さすがビーチ・ボーイズというところをしっかり出してくれた。この時点では未発表だったセカンド・アルバム『Youngblood』用の「Too Early To Tell」が冒頭、そしてPat Benatarのカバー「Treat Me Right」「I'm Not Dreaming」はカール以外のバンド・メンバーが歌っていたが誰だか不明。ラストの「I Thank You」は激しいリフの気合の入ったロック・ナンバーでいい出来だが、カールのどのアルバムにも入っていないので、ライブのみのオリジナルかもしれない。音質はそこそこ。(佐野邦彦)