2015年12月4日金曜日

☆Carl Wilson:『Long Promised Road』(Shady Grove/SGRCD2003)

手術は結局、病院の倫理委員会で、危険すぎで中止になってしまった。そのため放射線治療が始まり4回終わったが、下半身麻痺になってしまい、全てはベッド上のみ。脊髄損傷状態である。どう効果が出るか分からないが、考えるとロクな事しか浮かばないので、出来るだけ何も考えないよう、テレビとパソコンだけの日々を送っている。音楽は少しも楽しめないが、紹介しないといけないものは紹介する。さて、このCDは紙ジャケで、作曲のクレジットもないシンプルな作りで、amazon等で購入できる。ハーフ・オフィシャルのような気もするが、詳細不明。内容はカール・ウィルソンがその活動を始めた1981年、ファースト・アルバム『Carl Wilson』の曲に、数曲プラスした全12曲のライブである。413日にニューヨークのボトム・ラインの公演をWNEWというFM局が収録したもの。『Carl Wilson』からは8曲中7曲を収録、名曲「Heaven」も収められた。嬉しいのは『Surf's Up』収録曲でシングルにもなったカール一世一代の名曲「Long Promised Road」のライブが聴けること。もともとロック志向の強いカールがビーチ・ボーイズではできないハードなロックをということでのソロなので、歌も演奏もアルバムよりさらにハードでビートが効いていて楽しめる。ただ「Long Promised Road」のサビや、バラードの「Heaven」、「Hurry Love」などはハーモニーが素晴らしく、さすがビーチ・ボーイズというところをしっかり出してくれた。この時点では未発表だったセカンド・アルバム『Youngblood』用の「Too Early To Tell」が冒頭、そしてPat Benatarのカバー「Treat Me Right」「I'm Not Dreaming」はカール以外のバンド・メンバーが歌っていたが誰だか不明。ラストの「I Thank You」は激しいリフの気合の入ったロック・ナンバーでいい出来だが、カールのどのアルバムにも入っていないので、ライブのみのオリジナルかもしれない。音質はそこそこ。(佐野邦彦)

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