2017年7月4日火曜日

☆Favorite Musician 全音源コレクティング第16回:THE ZOMBIES(再結成は除外)


ゾンビーズはイギリスのバンドで、イギリス人らしさを感じさせるバンドだったが、アメリカの方でヒットを多く生んでいる。トップ10に入ったシングルはみなアメリカで、ジャジーな「She’s Not There」が2位、ギターのカッティングなど歯切れが素晴らしい「Tell Her No」が6位、そして解散後にヒットしたゾンビーズのムード溢れる「Time Of The Season」が3位と、このアメリカの成功が今でも高いゾンビーズ人気を保たせている原因のひとつだろう。ゾンビーズにはロッド・アージェントとクリス・ホワイトという優れたソングライターがメンバーにいて、ヴォーカリストにコリン・ブランストーンといい魅惑のハスキー・ヴォイスのヴォーカリストを抱えていのだからブレイクはタイミングの問題だった。しかしブレイクは遅すぎ、全曲が美しくメロディとハーモニーに満ち、メロトロンとキーボード中心の格調高いサウンドに包まれた世紀の傑作『Odessey And Oracle』をリリース、これで歴史に残るバンドになったが、ほぼ同時期にバンドは解散してしまう。ロッド・アージェントは新しいバンドのArgentを結成、メンバーではないがクリス・ホワイトが作曲で参加するなど、Argentはその後、成功を収めている。しかし何といってもこのメンバーの魅力はゾンビーズに結実している。それまで権利関係でバラバラな多数のアルバムが必要だったゾンビーズの音源を見事にまとめあげたBig Beat1997年のボックス・セット『Zombie Heaven』に敬意を表して、いつもはレア盤を写真にしたが、ゾンビーズの写真はこのボックスだ。

 

THE ZOMBIES

☆絶対必要なアルバム

1997 『Zombie HeavenBox Set)』(Big Beatアルバム、アルバム未収録シングル、未収録EP、サントラのみ収録、未発表アルバム『R.I.P』用の曲、1964-1968BBC出演時のスタジオ・ライブ『Live On The BBC』、その他未発表曲、別テイクなど網羅した究極のボックス・セット。この1枚でゾンビーズのコレクティングはいちおう完了と言っても過言ではない。以下『Box Set』と呼ぶ。

 

オリジナル・アルバム

1965 『Begin Here The Complete Decca Mono Recordings 1964-19672010 Reissue(Repertoire)※同名のLPBegin Here』と1964年から1967年のシングルとEPなどモノラルで収録。ちなみにステレオは下記の『The Decca Stereo Anthology』収録。※『Begin Here』…UK39

1968 『Odessey And Oracle:30th Anniversary Edition(Big Beat)1999 Reissue。ステレオ&モノ仕様。(『Box Set』はステレオ。「Time Of The Season(Alternate Mix)(コーラス部分にドラムが入る)「Prison Song」(「Care Of Cell 44」のBacking Track)「A Rose For Emily (Alternate Version2)」(チェロだけでなく目立たないがメロトロンも入る)収録。「ChangesMono)」は4秒短い。この部分は『Box Set』未収録。※『Odessey And Oracle』…US95

 

必要なコンピレーション

1993  『Time Of The Season Complete Studio Recordings The Zombies(Century)

CD3枚組。ごく小さい「3,4」のカウントが「She’s Not There」が入り、「Imagine The Swan」の最後に僅かにスタジオチャットが聴こえる。

1999  Begin Here』(Big Beat※アルバムと唯一のEPのモノ音源に下記の4曲を追加した。Sticks And Stones(Alternate Take) (冒頭10秒にスタジオ練習あり) It’s Alright With Me(Alternate Take)」(110秒後のシャウトがOn No!など他と違う)「I Know She Will(Demo)(間奏がギターでピアノ無し)「I’ll Keep Trying(Demo)(間奏でギターとエレピが被る)収録。『』未収録。

2000 The Single Collection As & Bs 1964-1969(Big Beat)※前述の『Begin Here The Complete Decca Mono Recordings 1964-1967』は、時期が2年中途だったのでこのコレクションで完璧にした。Don’t Go Away」(曲が終わったあと30秒間デタラメなピアノの後スタジオトークあり)収録。さらに「Leave Me Be(UK Single Version)」は2003年の『The Zombies Featuring She’s Not There Tell Her No』(Varese Sarabande)収録の「同(US Single Version)」と同じテイクで、上記ボックスや『Begin Here』のエンディングに大きくシンバルが入るミックスと違い、ほとんどシンバルが聴こえない。なお同じミックスは下記の『The Decca Stereo Anthology』でも聴ける。(なお「I Must Move(UK Single Version)」は、前述の『The Zombies Featuring She’s Not There Tell Her No』(Varese Sarabande)収録の「I Must Move(US Single Version)」ともどもボックスの音源と同じもの。)9曲増えた曲の中、「Conversation Off Floral Street」のモノはエンディングのオルガンの余韻が6秒長く『Box Set』未収録。

2000 Best Of The 60’s(Disky)Whenever You’re Ready」(冒頭に3秒ピアノとトーク入り)収録。「She’s Not There(Alternate Mix)」(ドラムがオーバーダブされていない)も収録。『Box Set』未収録。

2002 The Decca Stereo Anthology』(Big Beat前述のとおり「Leave Me Be」はエンディングのシンバルがほとんど聴こえないミックス。「Sometimes」はエンディングのドラムが他の音源が「ドコドン」と連打なのに比べ「ドン」だけで終わる。「Walk ‘N Pay」はモノに比べ3秒短い。「She’s Not There」のあと20秒、次の「You Make Me Feel Good」用のイントロ1回失敗のあと2回目につながる風景が入っていた。「Walking In The Sun」のあとは18秒、次の「I Don't Want To Know」につながるキーボードが聴こえる。「She’s Coming Home」のあとは62秒にわたって次の「I Must Move」のイントロ部分の長い失敗1回と2回目の短い失敗が入ってつながる。「Indication」のあと36秒、次の「I’ll Call Your Mine」のイントロ部分が失敗するまでが収録されている。さらにボーナストラックに「Leave Me Be(Backing Track」「Work ’N’ Play(Take 2 False Start/Take3)」「Just Out Of Reach(Backing Track Take4)」「Whenever You’re Ready(Backing Track Take1)」を収録。これらは『Box Set』未収録。

2004 Odessey & Oracle』(FuelImagine The SwanStereo Mix1」)は最後のキーボードがキーンと大きくなっていく。「同(Stereo Mix2)」と「I’ll Call You Mine(Stereo Mix1)」は通常ヴァージョン。『Box Set』未収録。

2007 『Into The Afterlife』(Big BeatGoing To A Go Go」(67年にフランスのテレビ番組出演時のライブ)収録。その他、『R.I.P.』ものではオーケストラと歌だけという印象の「Walking In The Sun(Orchestral Mix)」「I Know She Will(Orchestral Mix)」とオーケストラを強調したミックスの「If It Don't Work Out(Orchestral Mix)」があり『Box Set』未収録。

2013 『The Zombies In Stereo』(Repertoireここでの目玉はHey Hey Heyのカウンター・コーラスが無い「Is This The Dream」が収録されたこと。66年のフランスのEPIs This The Dream』に収録されていたヴァージョンで、個人的には日本のみでリリースされた『Time Of The Season Complete Studio Recordings The Zombies(Century)で初めて聴いてこっちの方がカッコいいと好きだったが、その後はHey Hey Hey入りばかり収録され、ようやくいい音質のHey Hey Hey無しが聴けて満足。他、「She’s Not There(Alternate Mix)」(ドラムがオーバーダブされていない)も収録。「Summertime」はほとんどヴォーカルがオンでほとんどドラムが聴こえないミックス。『Box Set』未収録。

2014 『R.I.P.』(Varese Sarabande※未発表で終わったこのアルバムの基本ステレオミックスは上記ボックスのもの。冒頭に会話と曲のカウントが10秒入る「Smokey Day(Mono Mix)」は初登場。

 

オマケ〇シングルチャート

64 She’s Not There-UK12-US265 Tell Her No-UK30-US6She’s Coming Home-US58I Want You Back Again-US9568 Time Of The Season-US3

 

(作成:佐野邦彦)

 

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