2009年9月24日木曜日

Hollies:『The Nash Years』(Main Street)DVD

イギリスのamazonで買ったこのDVD、ピンボケのジャケ、レーベル、そして番号が書かれていないなど、限りなくブートに近い気がするが、内容は最高である。グラハム・ナッシュが在籍した時代のホリーズの映像全35曲、初めて見るものも多く、この当時の映像集としてはブートレベルと比較しれば画質と音質も文句をつけようがない。これは絶対に「買い」である。
中古扱いだが送料込みでこの時の換算レートで1510円と安い。最初はどこかの映画に出演していた時の初期のホリーズ(1964年だろう)の「Now's The Time」、続いてイギリスのTV番組で「Baby That's All」「Here I Go Again」を歌う。ナッシュとトニー・ヒックスのセットされた髪型が時代を感じさせる。1964年のシングルのAB面だが、みな嬉しいカラー。『Top Of The Pops』の「Just One Look」は画質がイマイチだが、音はいい。続いてNMEでのライブ「Rockin' Robin」「Just One Look」で、リアル・ライブなのが嬉しい。ヒックスのギターとベースのからみがいい感じ。続いて本DVDの目玉、ドイツの番組でのリアル・スタジオ・ライブ(1965年)だ。「Look Through Any Window」「Very Last Day」「I Can't Let Go」(この曲のみジャケからクレジット漏れ)の3曲を歌うが、ハーモニーは完璧、演奏はタイトだし、ホリーズっていいバンドだったと痛感させられる。個人的にヒックスのギターが好き。ヒックスは曲中にリフを入れながら間奏も巧みにこなし、典型的な60年代のギターながらセンスがいい。コードしか弾かないナッシュは演奏的には貢献していないため、演奏面はヒックスが引っ張っているといえる。そしてベースとドラムのリズム隊がいい。逆にコーラス面を引っ張っているのが、ナッシュである。あのファルセットではない高音域のハーモニーがホリーズの生命線である。ちょっと画質のよくない「I'm Alive」をはさみ、タイトな演奏が堪能できる『Shindig』での「Too Much Monkey Business」がまた目玉だ。アラン・クラーク、ヒックス、ナッシュが順にヴォーカルを取るが、ナッシュは途中ビートルズの「I Feel Fine」の出だしをわざと歌って、みんなにブーイングされる。これはリアル・ライブならではの楽しい演出だ。その後は『Hulabaloo』の「I'm Alive」「Look Through Any Window」のリアル・ライブで、歌はもちろんながら、ベース・ランニングがとてもよく、実に締まった演奏になっていて、聴きこんでしまった。続く『Shindig』ではライアン・オニールの呼び出しでメンバーがアメリカン・フットボールのバーの下を走りながら順にくぐってくるという珍しいシーンがあった。こうしてみるとナッシュ、ヒックスの二人はルックスがいい。(二人はジョージとポールにそっくり!)クラークはどうしても峰岸徹に見えてしまうのは私だけだろうか...。口パクながら「Yes I Will」は珍しい。その後のどこかのTVショーの「Just One Look」はリアル・ライブ。ここからはプロモ・フィルムが多く、主に野外で「Jennifer Eccles」(2ヴァージョン)「Carrie Anne」「Stop Stop Stop」「I Can't Let Go」「Mickey's Monkey」(注目!)「Very Last Day」「Dear Eloise」「Wings」を歌う。髭を生やしたナッシュはカッコ良さが増すね。やはりジョージと同じだ。以前、このコーナーで紹介したドイツの番組『Beat Beat Beat』での「On A Carousel」「Bus Stop」「Stop Stop Stop」という内容的に最高のリアル・ライブが登場するが、これは完全版(ラストの「Insutrumental」のみ未収録)をそのDVD『Beat Beat Beat』で買うこと。内容はこのHPのhttp://www.webvanda.com/2008/11/post_04171821.htmlまで。『The Smothers Brothers Show』はカラーで「Carrie Anne」「Dear Eloise」を披露するが、口パク。クラークのチャンチャンコのような衣装が気になる...。珍しい『The Hollywood Palace』でのカラーの「Jennifer Eccles」。メンバーの衣装が女物っぽくなっている所が1968年というこの時代らしい。司会のタバコを手に持った中年のオヤジが、どうにも音楽番組にはそぐわない。後は例のつまらないカメラワークの『Beat Club』の「Listen To Me」「Do The Best You Can」と「Sorry Suzanne」。「Sorry Suzanne」は我らがトニー・マコウレイの作品だが、おや?ナッシュがいない。テリー・シルベスターじゃないかな。(ソロのテリー・シルベスターは大好き!どこかでソロの映像を見たい!)最後はナッシュ脱退のきっかけとも言われる「Blowin' In The Wind」の変なカバー。これじゃあ嫌になってしまうのが分かる。なおNTSCでオール・リージョン、日本で見られます。(佐野)
The Hollies - The Nash Years [DVD]

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