2003年4月11日金曜日

☆Cyrkle:『The Minx』(ウルトラヴァイヴ/CDSOL7063)

待望度という点で、最高評価のアルバム『The Minx』が遂にリイシューされた。
それも8曲もの未発表トラック付きの快挙である。
このアルバムはサークルが表舞台から姿を消した70年にリリースされた X-Rated Movie、つまりポルノ映画のサントラだ。今見ると、胸がチラっと見えるくらいの濡れ場でTVで今すぐオン・エアーできる程度の内容なのだが、当時は日陰の存在であったことは間違いない。
これらの曲は67年に録音されていたが、映画の公開が延びたため、3年もの間オクラ入りになっていた。
その間にサークルは解散、このサントラ盤には裏ジャケットに小さく "performed by THE CYRKLE" と書かれていただけで、寂しい扱いだった。
しかし解散間近のサークルは、トム・ドウズ=ドン・ダネマンのコンビが作曲の腕を上げていて、ここに収められたいくつかの美しいトラックは本当に素晴らしく、「やれば出来るじゃん」と思わずうなってしまうほどの出来だった。
ハーモニーのからみが聴きものの緊張感のある "Squeeze Play" 、美しいスキャットによるボサノヴァ "The Minx(vocal)" もいいが、ベスト・トラックはピアノとアコースティック・ギターのみのシンプルなバッキングに乗せて歌われる極上のボサノヴァ "It's A Lovely Game,Louise" 。
数あるサークルのナンバーでも傑作中の傑作である。ボーナス・トラックは、映画のサントラ用にアレンジを変えた BGM や、フィルム用トラック、アルバム未収録 BGM を集めたものだった。(佐野)
Minx Soundtrack

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