2003年4月18日金曜日

☆Beach Boys:『Good Timin' Live At Knebworth, England1980』(Eagle/EV30021-9) DVD

 ビーチボーイズのメンバー6人全員が揃ったこの貴重なライブ(過去2回しかないらしい)は既に CD がリリースされていたが、同時発売のように書かれていた DVD は約半年後にようやく登場した。
以前、日本でビデオ発売の話があったものの発売中止になった過去があり、また権利関係でダメになったのかと危惧していただけに嬉しいリリースである。
このネブワースでのライブは音も映像も収録されていたため、ビーチボーイズは当然それを意識して、歌・演奏ともにこの当時でのベストのパフォーマンスを見せてくれる。
少し前の79年に行われた「ジャパン・ジャム」に比べ、気合の入ったライブと言えるだろう。
何と言ってもハーモニーが、省略されずに、美しくハモってくれているのに感激だ。(裏声はサポート・メンバーの声が多いが)
特に "Lady Lynda" や "Heroes And Villains" でのア・カペラ・パートが聴きもの。
ライブはマイクとカールで支えている印象があるが、ここでは全体的にアルの存在感の強く感じるだろう。リード・ヴォーカルを取る曲が4曲あり、歌声は力強い。
77年には『M.I.U.』を中心になって制作しており、アルの力がグループの中で大きくなっていることが分かる。
残念ながらブライアンはたまにリード・ヴォーカルを一部取らせてもらっている程度で、カメラもほとんど当たらない。
ただそんな状態であったとしても、画面に6人全員が揃うのは、ファンならたまらない瞬間だ。もう決して揃うことがないだけに、感慨深い。
収録曲は CD と同じ。
ただ曲と言えるかどうか疑問だが、ファンが中心になって歌う "Happy Birthday Brian" はカットされていた。
何よりも残念なのは発売中止になったビデオには入っていたブルースのピアノ弾き語りの "I Write The Songs" がカットされてしまった事。
本来なら "Surfer Girl" の後ろはこの曲だったのに。
ブルースの声はまだハスキーでなく、十分に出ていて、内容的にカットされる理由はまったくない。
この1点だけがかえすがえすも残念だ。
(佐野)

Good Timin: Live at Knebworth England 1980 [DVD] [Import]

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