今までサイモン&ガーファンクルになる以前のTom&Jerry(S&G)、Jerry Landis(サイモン)、True Taylor(サイモン)、Tico & The Triumphs(サイモン)、Artie Garr(ガーファンクル)などの音源は、ブートの『Tom & Jerry:Their Greatest Hits Vol.1~2』『Early Simon &Garfunkel』で相当数を聴くことができたが、まだ聴けない曲も残されていた。しかしこのCDでその「抜け」だったArtie Garrの「Baet Love/Dream Alone」、Jerry Landisの「Play Me A Sad Song/It Meant A Lot To Them」とB面曲の「Shy」が収められ、上記のアーティストは完璧になった。そしてさらにこのCD、きちんとライセンスを取っているので、Garrの「I Love You」と「Beat Love」の別テイク、Landisの「Flame」という3曲の未発表曲も収められた。Warwickレーベルのライセンスと、Tom &Jerryに関してはS&Gに当時発売中止の訴えを起こされたPickwickのLP『Simon &Garfunkel』がそのまま丸ごと入っていたので、そのPickwickの権利を獲得したのだろう。さて肝心な内容だが、どれも良質のティーン・ポップ・ナンバーで内容はいい。その中でも一際光るのがGarrの「Beat Love」、この時代、ガーファンクルの曲は自身のオリジナルで、流麗でドリーミーな「Beat Love」はサイモンの曲を凌ぐメロディアスな名曲に仕上がっていた。Tom&Jerryはメロディアスな「Surrender,Please Surrender」「I'm Lonesome」が入っていないが、こちらはブートで我慢しよう。なおPaul Kane名義の「Carlos Dominguez」(『Paul Simon Song Book』未収録曲)はReal MusicのCD『In The Beginning』でしか聴けないので要チェック。(佐野)
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