2012年12月10日月曜日
鈴木英之著:「よみがえれ!昭和40年代」(小学館)
VANDAでおなじみの鈴木英之氏は、過去の記憶が抜群で、記録にも残してあ るものもあり、その豊富な知識を使わないのはもったいないと、VANDAに誘ったのが最初だった。そして近年、長年のサラリーマン生活に別れを告げ、県立大学の大学院生で学びつつ、音楽だけに留まらない、当時のカルチャー全般の知識を一気に生かした「よみかえれ!昭和40年代」を刊行するに至った。それも小学館からである。もともとデータ集めには労を惜しまない鈴木氏は、静岡に住んでいるのに小学館や国会図書館、はたまた金沢など足しげくかよい、また当時の対象物を扱っている会社にも丹念に電話をかけ、この力作を作り上げた。一見、3タクのクイズ形式で、会話形式で答えを教えてくれるが、この会話の内容の深いこと、インターネットなんかでは調べられない、当時のリアルタイマーでしか知らない、しかし知っている私のような同世代人間にとっては、脳の奥に眠り込んでいた記憶を一気に引っ張り出してくれて、もうその快感たるや、言葉にできないほど。洋楽、邦楽、アイドル、GS、マンガ、アニメ、CM、プラモ、オモチャ、食品、オマケ、スポーツ、深夜放送、テレビから社会問題になったものまでよくもまあこれだけ多岐にわたる知識を持っているものだ。コアな人ほど喜ぶこの本、読み口は軽いし、オススメだ(佐野)

☆Roger Nichols & The Small Circle Of Friends:『My Heart Is Home』(ビクター/VICP75089)
長く素晴らしいものを続けて生み出していくことは難しい。音楽の世界の栄枯盛衰は誰もがご存知のところ。マンガにしても同じ人が描いているのに絵は微妙に変化していき、いつまでも絵が素晴らしい作家は一握りだ。グループによる音楽は、そのメロディだけではなく、声質、ハーモニー、サウンドなど大きく変わっていくのが常。
ローリング・ストーンズやポール・マッカートニーというヒットを途切れずに出してきた超人たちも、コアな分は変わらないが、それ以外はかなり変わって生き残ってきた。その中、このRoger Nichols & The Small Circle Of Friends(以下SCOF)は、1969年の1stを出して以来、SCOFの活動はしていなかったが、濱田高志氏の尽力により2007年に奇跡と言われた2ndを発表、大評判となり、さらにその5年後にこの3rdアルバムが生み出された。
驚かされるのはロジャー・ニコルスの作曲家としての能力が少しも衰えていないことがまず挙げられるが、同じようにロジャーとマレイ&メリンダ・マクレオドの声質、ハーモニーが34年の時を経ても少しも変わることがなく、1stの心地よさから、連続して違和感なく、時間の隔たりを経ず聴けることだ。これは奇跡に近い。この2ndはロジャー・ニコルス名曲集(もちろんSCOF以外)の色彩があり、様々なアーティストの、それもなかなか入手できないレコードでしか聴くことができなかったロジャーの60年代を中心とした名曲を一挙、SCOFヴァージョンで聴くことができ、それはひとつの夢がかなった瞬間だった。
しかし今回の3rd『My Heart Is Home』ではロジャー作のカバーは、誰でも知っている「We've Only Just Begun」と、ネスカフェのCMで日本では有名な「The One World Of You And Me」の2曲。目玉曲は「Something From Paradise」。この曲は最初期につまり60年代にSCOFでデモが録音されたがそのままオクラになっていた曲。濱田氏が偶然そのアセテートを入手し、そのロジャーらしい転調の見事さに惚れ惚れしていたが、遂に40数年後に新録音し正規リリースすることができた。曲の中にはジャズタッチのスウィングナンバーが2曲あったり、クリスマスに相応しい美しいクリスマス・ナンバーがあったり、バラエティに富んだ曲も楽しめる。冒頭の3曲はもちろん素晴らしいが、従来のSCOFのファンなら「Show Your Love」「Take Me Home」「My Heart is Home」を絶対に気に入るはずだがその中でもピカ一の曲がある。ボサノヴァタッチの「Girl With a Complicated Heart」はメロディ、ハーモニー、サウンドとも完璧。この曲が気に入らない人間がいたとしたら私はその人とは音楽の話をしない。それほどの名曲だ。それにしてもSCOFほどユニゾンが美しいグループを私は他に知らない。
(佐野)
☆年末、遂に「The Beach Boys Complete Revised Edition」(シンコー・ミュージック)発売!!
1年前から準備をはじめたこの本書、次々と新しい発見があり、徹底的な調査を重ねていくと、このWeb VANDAですら紹介していなかったビーチ・ボーイズ、ブライアン他のメンバーの作品などの参加作品もかなりありました。「コンプリート」なくして本書の価値なしと、一切の妥協をせず、編集をすすめた結果、発売は大きく遅れてしまいましたが、「世界で一番詳しいビーチ・ボーイズ本」というコピー文は揺るがずお届けできることができました。世界に3枚、5枚などとも言われてる貴重なレコードも数多く掲載しています。
もうひとつ遅れた原因は前版「2001」の文字原稿が全部消えてしまっていたことからが大きいですが、私が佐野が病気で9月18日から入院、今も転院して入院中ですが、最終入校日の12月6日までの2ヶ月半の間、手術でメールのやり取りができない期間を入れても、この本の担当編集者である荒野さんと私のメールのやり取りは500通を超え、1日10通を超えるやりとりを入院中にやるというお互いにとって精根尽き果てるまでやり尽くした渾身の1冊です。ご期待に絶対にお答えできると自負しておりますので、是非、お求めください。
なお佐野の復帰は来年3月末予定と長引いております。本格復帰までは自分のパソコンで更新できないため、たまにしか更新できませんが、もうしばらくお待ちください。
(佐野)
もうひとつ遅れた原因は前版「2001」の文字原稿が全部消えてしまっていたことからが大きいですが、私が佐野が病気で9月18日から入院、今も転院して入院中ですが、最終入校日の12月6日までの2ヶ月半の間、手術でメールのやり取りができない期間を入れても、この本の担当編集者である荒野さんと私のメールのやり取りは500通を超え、1日10通を超えるやりとりを入院中にやるというお互いにとって精根尽き果てるまでやり尽くした渾身の1冊です。ご期待に絶対にお答えできると自負しておりますので、是非、お求めください。
なお佐野の復帰は来年3月末予定と長引いております。本格復帰までは自分のパソコンで更新できないため、たまにしか更新できませんが、もうしばらくお待ちください。
(佐野)
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