2018年11月3日土曜日

小林しの:『Havfruen nat』(philia records/PHA014)


 15年にファースト・ソロアルバム『Looking for a key』をリリースした女性シンガー・ソングライターの小林しのが、待望のニューシングル『Havfruen nat』を7インチ・アナログシングルで11月18日にリリースする。
 タイトル曲は作曲とアレンジに元melting holidaysで現ポプリのササキアツシが参加し、カップリング曲「雪虫」は06年に筆者が共同プロデュースしたコンピレーション・アルバム『Easy living Vol.1』収録のオリジナルをササキにより新たにリアレンジしたものとなっている。
 両面ともWebVANDA読者が好むソフトロック~MOR系サウンドなのでここで紹介したい。

 彼女のプロフィールについては前回のレビューでも紹介しているが、ギター・ポップ系バンド”harmony hatch(ハーモニー・ハッチ)”のヴォーカリスト兼ソングライターとして99年にデビューし、coa recordsより2枚のアルバムをリリースして02年に解散する。その後ソロへと転身し、多くのコンピレーション・アルバムに楽曲提供した後、16年の『Looking for a key』へと繋がっていく。
 ではこの最新シングル『Havfruen nat』について解説しよう。



 A面「人魚の夜」は、ササキがmelting holidays時代に書いた「morning star lily」という曲に小林が日本語詞を提供したものが原曲となっている。ソフトロックというカテゴライズだけでは括れないソフティな美しいバラードで、複数のキーボードとギターを主体にササキによって構築されたサウンドは、70年代の良質なMORの匂いもする。抑制が効いたクリーン・トーンのリード・ギターはmelting holidaysでササキとバンド仲間だったタサカキミアキのプレイによるものだ。
 またコーラスには小林自身と、Label Producerでthe Sweet Onions、The Bookmarcsのメンバーである近藤健太郎が加わっている。
 カップリングの「雪虫(white night version)」は、原曲のナチュラルなギター・ポップ・アレンジからサイケデリックでドリーミーなサウンドにアダプトしている。間奏のインストルメンツ・パートの展開などStrawberry Switchbladeの「ふたりのイエスタディ (Since Yesterday)」を彷彿とさせる。コーラスには小林の他、ササキとthe Sweet Onionsの高口大輔が参加している。
 ファンタジーで印象的なアルバム・ジャケットに触れておくが、イラストレーションはかみたゆうこ、デザインはいなだゆかりが担当している。

 なお本シングルは、下記のイベント会場にて先行発売され、翌日以降に一部の店舗でのみ扱う予定で一般流通はないとのこと。プレス数は100枚と少ないため、下記のイベント会場で入手するか取り扱い店舗に早期予約することをお勧めする。



【11月のフィリアパーティ vol.2
the Sweet Onions 20th anniversary&小林しの7″release party】
11月17日
【昼の部】@恵比寿天窓Switch 11:30OPEN 12:00START
【夜の部:after party】@茅場町バッテリーパークカフェ18:00OPEN  18:30START
予約問い合わせ先:philiarecords.com/contact/

◎『Havfruen nat』取扱店舗 
ディスクブルーベリー : http://blue-very.com
RECORD SHOP ANDY : http://recordshop-andy.com
モナレコード : http://www.mona-records.com/


(テキスト:ウチタカヒデ


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