2017年7月1日土曜日

☆Favorite Musician 全音源コレクティング第13回:THE YOUNG RASCALS-THE RASCALS


我々だけでなく多くのミュージシャンからのリスペクトも集めるラスカルズ。1966年のデビュー作『The Young Rascals』から3枚目の『Groovin’』まではヤング・ラスカルズの名前でアルバムをリリース、4枚目の『Once Upon A Dream』からはラスカルズに改名した。シングルは何故か『Once Upon A Dream』からの最初のカット「It’s Wonderful」だけヤング・ラスカルズ。フェリックス・キャバリエとエディ・ブリガティという最もソウルフルで魅惑のヴォーカリスト2人を抱え、曲作りも68年までは2人で行っていた。以降はフェリックス・キャバリエ色がどんどん強くなり、ロック・バンドからブルー・アイド・ソウルのバンドへ突き進んでいく。そのため70年にはエディ・ブリガティ、そしてオリジナル・メンバーのジーン・コーニッシュも抜け、コロムビア移籍後はキャバリエのワンマンバンドになるが、ギターの達人のバジー・フェイトンなど4人が入って、ヒットは無縁だがさらにコアなナンバーを作っていた。4枚目のアルバムまではステレオ&モノ仕様があり、今年になってシングル・ヴァージョンも揃って、様々な仕様で聴く事ができるようになった。フォー・シーズンズのように違いの少ないバンドもあるが、ラスカルズは違いが多く楽しめる。個人的にはまだロック色が強いヤング・ラスカルズ時代が好きで、一番好きなアルバムは4枚目のプログレッシブな『Once Upon A Dream』。やはり若々しくビートがあり、ポップで爽やかなサウンドに魅かれてしまう。ただよりソウルフルな方が好きなファンもラスカルズは多い。多様な楽しみ方が出来るラスカルズはいつも魅力的だ。

 

THE YOUNG RASCALS-THE RASCALS

☆オリジナル・アルバム

1966 『The Young Rascals2007 Reissue(Collector’s Choice)※ステレオ&モノラル。Monoの方が「Baby Let’s Wait3秒、「Just A Little3秒、「Don’t You Feel It4秒、「Like A Rolling Stone6秒、「I Ain’t Gonna Eat Out My Heart Anymore4秒とエンディングが長いが、「Mustang Sally」はStereoが8秒長い。US15

1967 『Collections2007 Reissue(Collector’s Choice)※ステレオ&モノラル。Monoの「What Is The Reason」が4秒、「Love Is A Beautiful Thing」のフェイドアウトが3秒長く、逆にStereoの「Mickey’s Monkey/Love Light」は5秒フェイドアウトが長い。US14

1967 『Groovin’2007 Reissue(Collector’s Choice)※ステレオ&モノラル。まず「Groovin’」のStereoはハーモニカの吹き方が違い頭の方は高いメロディを繰り返し吹くのでMonoと明らかに違う。アルバムのMonoMono Single Versionは同じものなのだが、アルバムのMonoが長くリイシューされなかったので、「シングルヴァージョンは別ヴァージョン」というちょっとした誤解が流通していた。正しくは「ステレオとモノでハーモニカの吹き方が違う」のである。他ではMonoの「If You Knew」と「Sueno」はStereoより3秒長く、「Find Somebody」は6秒短い。US5

1968 『Once Upon A Dream2007 Reissue(Collector’s Choice)※ステレオ&モノラル。Final:Once Upon A Dream」はMonoでは111秒でセリフのパートに移行するがStereoはここからもう一度歌が繰り返されるのでセルフのパートまで33秒長い。よって全体もその分長い。逆に「It’s Wonderful」は、Stereoでは24秒からのパートで演奏を途中で消してコーラスになり217秒で終わるが、monoは演奏が切れずにコーラスになるので224秒と7秒長い。US9

1969 『Freedom Suite』(ワーナー)※単品が出ているが、『The Rascals Atlantic YearsBox Set)』に丸ごと収録されている。US17

1969 『See』(ワーナー)※単品が出ているが、『The Rascals Atlantic YearsBox Set)』に丸ごと収録されている。US45

1971 『Search And Nearness』※単品が出ているが、『The Rascals Atlantic YearsBox Set)』に丸ごと収録されている。US198

1971 『Peaceful World1999 Reissue (Sundazed)US122

1972 『The Island Of Real1999 Reissue(Sundased)※未発表の「Prove It」「Love Is A Woman2曲追加。2008Beat Goes Onリリースの『Peaceful World』との2in1にはボーナストラックは収録されていないので注意。US180

 

☆必要なコンピレーション

1998 『The Rascals Atlantic YearsBox Set)』(East West)(日本のみ)Atlantic時代の『The Young Rascals』から『Search And Nearness』までのステレオ・アルバム7+今はほぼ価値なしのシングルヴァージョンのセレクトだった。ただし通常のリストから外されているイタリアのみリリースの「A Beautiful MorningCorri Nel Sole)」(Italian Version)はこのボックスのみ収録なので必要である。なおほぼ同じ仕様で、Single VersionAtlantic時代をイタリアのみ発売シングル以外完全にそろえた2004Rhino Handmadeリリースの『All I Really Need: The Atlantic Recordings 1965-71Box Set)』は、Columbia時代まで入れたThe Complete Singles A’s & B’s』がリリースされたため価値がなくなった。

2017 『The Complete Singles A’s & B’s (Real Gone Music)※レーベルを超え、AtlanticからColumbiaまでの全シングル(イタリア発売除く)47曲を収録した。その中には「Groovin’(Spanish Version)」「Groovin’(Italian Version)」のシングルも含む。デビューの1965年「I Ain't Gonna Eat Out My Heart Anymore」から1967年「It’s Wonderful」までは全てAB面共Mono Single Versionだった。ステレオ盤時代のMono Single VersionOf Course」(※この曲は「It’s Wonderful」のB面)「People Got To Be Free」「A Ray Of Hope」「Any Dance’ll Do」「Heaven」「Baby I’m Blue」「I Believe」「Hold On」はレアだ。ステレオ&モノの違いは冒頭のオリジナル・アルバム4枚で比較したので、Single Versionとの違いはMustang Sally」(Mono Single Version)は途中でフェイドアウトするので同じモノでも30秒も短く318秒しかない。「Lonely Too Long(Mono Single Version)は同じモノでも54秒から148秒までの部分をバッサリカットしているので23秒と54秒も短い。「It’s Wonderful」(Mono Single Version)はモノヴァージョンの頭に新たな足音のようなSE5秒入り、231秒のコーラスのあとの、次の曲のイントロ扱いになっているおふざけのような口笛などのパートが318秒まで続くので、総尺でアルバムのモノより54秒長い。ただ実質は頭の5秒のSEのプラス分のみ。アルバムがステレオのみの「Of Course」は最後がピアノだが、「Of Course」(Mono Single Version)はピアノの後にドラムの一音が入るので2秒長い。「Heaven」(Mono Single Version)はフェイドアウトがステレオのみのアルバムより3秒長い。ステレオ時代はSingle Versionでアルバムよりフェイドアウトが短いものがあり、「See」(456秒→430秒)、「Love Me」(340秒→38秒)、「Brother Tree」(338秒→257秒)、「Hummin’ Song」(351秒→320秒)、「Jungle Walk」(254秒→237秒)がそれだが、単純に短いだけでどうでもいい代物だ。

 

☆必要なシングル(未CD化)

1969 「Sentirai La Pioggia」(「Rainy Day」のItalian Version)(Atlantic)※イタリアのみ発売。カップリングは『The Rascals Atlantic YearsBox Set)』に収録された「Corri Nel Sole(A Beautiful Morning」(Italian Version)

 

オマケ〇シングルチャート

65 I Ain’t Gonna Eat Out My Heart Anymore-US5266 Groovin’-US1You Better Run-US20Come On Up-US4367 Lonely Too Long-US17Groovin’-US1-UK8How Can I Be Sure-US4It’s Wonderful-US2068 A Beautiful Morning-US3People Got To Be Free-US1A Ray Of Hope-US2469 Heaven-US39See-US27Carry Me Back-US26Hold On-US5170 Glory Glory-US5871 Love Me-US91


(作成:佐野邦彦)

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