2002年2月20日水曜日

☆Brian Wilson:『Live At The Roxy Theatre』(ビクター 61788/9)

この2000年7月にリリースされたライブアルバムの内容についてまず紹介しよう。2000年4月8日を含む2日間に渡って録音されたこのアルバム、さすがライブ用のライブだったためか、歌も演奏も日本公演とは比較にならないほど達者である。特にブライアンのライブは、ブライアンがキーを外さないか、バックコーラスがきれいにハモるか、この2点が不安材料なのだが、このCDはほとんど問題がない。もともと曲は極上の曲ばかりなのだから、ここがクリアになれば鬼に金棒、後は無条件に酔えばいい。日本公演にはないオマケが、ウィンダム・ヒルのアルバムにピアノ曲として収録されていた「This Isn't Love」がトニー・アッシャーの詞が付けられ爽やかなヴォーカル曲に変貌していたことと、「In The Nighttime」のタイトルだった古い未発表デモが「The First Time」のタイトルで登場したことだ。この2曲の初登場曲に加え、「'Til I Die」の前には「Brian Wilson」のタイトルが付けられたほぼアカペラの小品が入りメドレーとしてつながっていた。実に心憎い演出である。実際のライブから「South American」「Surfin' USA」「Wouldn't It Be Nice」「Sloop John B.」「Your Imagination」「Help Me Rhonda」「Barbara Ann」「Fun Fun Fun」の8曲が外されたが、CD2枚に渡る24曲が堪能できた。その後2回のリイシューがあり今回5 曲入ったボーナストラックの内 "Sloop John B." , "Barbara Ann" は Oglio盤と同じ。
"Wouldn't It Be Nice" と "Help Me Rhonda" はイギリス盤のボーナストラックだとか。歌い出しが不安定な前者は若干フラフラしているもののなんとかこなし、後者はキーを下げて対応した。
そして日本のみのリリースなのが最後の "Fun Fun Fun" 。ブライアンはこのアップのビートに乗った名曲を見事に歌いこなしていた。音程、ハーモニー共にベストの出来。何度もリリースされたこのアルバムは本盤が5曲多く決定版なのでこれだけを購入しよう。(佐野)

Live at the Roxy Theatre
                 

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