2013年6月30日日曜日

MISOLA:『Correspondence』(ORANGE RECORDS/ORGR-46)



元ブリッジのメンバーでペイトやコーネリアス・グループの参加で知られるギタリスト兼ベーシストの大橋伸行を中心にしたポップス・バンド、MISOLA(ミソラ)がファースト・アルバムをリリースしたので紹介したい。

MISOLAは大橋伸行の他、ラブ・タンバリンズやパレードのベースシトだった平見文生と渋谷系の一翼を担ったミュージシャンが参加しているのが大きな特徴だろう。
そこに当サイトでも評価が高い流線形をはじめ、曽我部恵一バンドやキセルでプレイする女性ドラマーの北山ゆう子と、ノアルイズマーロンタイツのキーボディストである松本従子がヴォーカリストとして加わっている。
各人の活動経歴からある程度バンドのサウンドは予想できたが、実際手にして聴いてみると70年代ブルーアイドソウルやAORから日本のシティポップ感が色濃く、筆者はそこに強く惹かれてしまった。
とにかく平見と北山のリズム隊のコンビネーションが素晴らしく、大橋のギタリスト兼ソングライターとしてのセンスや松本従子の素直な歌声と拘りのあるキーボード・プレイと、バンドとしてのバランスは歴戦のミュージシャン達が結成したバンドの風格が漂っている。



収録曲の「月がとっても青いので」や「雨ふり」には、バンド名の由来なのかと思わせる「み空」から金延幸子や吉田美奈子など70年代の女性シンガー・ソングライターの匂いがするし、「Moon & Cloud」は『Court and Spark』(74年)の頃のジョニ・ミッチェルのサウンドを彷彿させる。
7インチ・シングルで先行リリースされた「TRAIN SONG」は本アルバム収録ヴァージョンがオリジナルとなっているが、先にシングル・ヴァージョンを耳にしてから聴くとアレンジやミックスの違いが面白く聴けた。今後の展開も期待できるバンドがまた一つ増えたといえる好盤である。

(ウチタカヒデ)

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