2009年2月3日火曜日

☆Bee Gees:『Odessa』(Reprise/R2-516139)

英国出身男性ボーカルグループ、ビージーズ(The Bee Gees)の最高傑作と名高い1969年リリースの2枚組アルバム『Odessa』(オデッサ)がリイシューされた。以前のCD化では、CD1枚にしたため、時間の関係で「With All Nations(International Anthem)」がカットされてしまっていたが、今回は完全版でステレオ、モノで各1枚、そしてデモ音源集1枚の3枚組という豪華仕様でさらにアマゾンで3187円という超格安価格、是非、持っていたい1枚だ。
これで『Odessa』以前の1967-1968年にリリースされた『1st』『Horizontal』『Idea』がステレオ/モノ+デモ&レア音源集で各2枚ずつ、計6枚のボックス・セットとなった『Bee Gees The Studio Albums 1967-1968(Reprise/8122-74117-2)でメジャー時代のデビューからの4枚のアルバムが完璧にリイシューされ、また『Brilliant From Birth』(Spin/D46066)でそれ以前の1963年からの音源63曲が網羅されたため、ビージーズが最もいい時期の音源は全てリイシューされたことになった。これらのアルバムも海外のアマゾンで中古を探せば簡単に、安価で入手できるので、持っていない方はお早めに。
さて『Odessa』だが、哀調を帯びたメロディアスなメロディは相変わらず全開で、さらにここにクラシカルなストリングスが入り、LP2枚組ということもあって大作という雰囲気が漂う。重厚なサウンドの曲も多い。その中でやはり光るのは、日本でメガ・ヒットとなった「Melody Fair」と、ヒットした「First Of May」が群を抜いて素晴らしい。なによりも漂う気品が魅力だ。そしてロビン・ギブがメインで歌っていないので、あのくせの強いビブラートがなく、とても聴きやすい。メロディの良さが十分に味わえる。それ以外では爽やかな「You'll Never See My Face Again」と、牧歌的で楽しい「Give Your Best」がお勧め。全て未発表のデモ音源集の『Sketches For Odessa』は、基本的にアコースティック・ギターのバックでシンプルに歌っているので、本来のメロディの良さがストレートに伝わり、こちらの方がいいという場合も多い。その中で、聴きものは「Melody Fair」のデモ2曲。こちらは完成版が完璧なので出来は劣るが、もともとバタバタしたドラムの入ったデモが洗練されていく過程見えて興味深かった。(佐野)
Odessa




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