2007年7月1日日曜日

☆Who:『Sell Out』(ユニヴァーサル/UICP93002)


最近の日本のリイシューといえばほぼ紙ジャケだが、音源派の私としてはどうでもいいものばかりで、およそ購入することはなかった。フーの紙ジャケもしかり。いくらオリジナルの日本盤LPが超プレミアで編集が違っていようが、テイクが同じなら興味はない。しかし日本独自ジャケのこのアルバムだけは違った。それは世界初のモノラルでのリイシューだからだ。このアルバムは『Tommy』『Who's Next』と並ぶフーの3大名作アルバムと私は確信しているが、その名盤のモノラルはステレオと大きく異なっていたのだから、このリイシューは価値がある。特に違うのは3曲。とりわけ「Our Love Was」は間奏のピートのギターが、モノではハワイアンのような和音になっていて、まったくの別テイクだった。「Odorono」はバッキングのピートのリフがミキシングでほとんど消されていてコードだけが聴こえるという少々寂しい仕上がり。また「Mary Anne With The Shaky Hand」はアルバム・ヴァージョンながら、エンディングだけはシングル・ヴァージョンのようなエフェクトがかけられていた。ピートのメロディ・メイカーとしての才能が開花したこのアルバム、今聴いても本当に素晴らしい。いまから30年近く前に、近所に住んでいた友人と二人でこの『Sell Out』を、間をつなぐジングルまで含めて全てコピーして録音したことを思い出した。けっこう気にいっていたのだが、あのテープ、いったいどこにいったのだろう...。(佐野)
エキサイティング・ザ・フー(紙ジャケット仕様)

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