2006年9月1日金曜日

☆ザ・クロマニヨンズ:『タリホー』(BMGジャパン/BVCR19982/3)

今年、嬉しいことと言えばまずWBCで日本が優勝したことだ。そして早稲田実業高校が夏の甲子園で優勝したこと。早実は子供の高校とは従兄弟のような関係で入学は辞退したが、ユニフォームは袖のエンブレム以外まったく同じ、それはもう熱心に応援した。そして最終回になると最速のスピードを出す斉藤君の投球には、久々にかつての野球少年の血が騒いだ。スコアブックを付けたり、チャンスになるとそのシーンのラジオを録音し結果が出れば後で何度も聞いたり、野球博物館へ行って成績を書き写してきてノートに付けていたり、買った日のスポーツ新聞を全部保存しておく、優勝特別号や選手の別冊の特集号は全部買う(今年もWBCと早実は買ったな)、そして実際に球場に足を運んで応援する(多いときは年間で30回くらい後楽園球場へ行っていた。ちなみに東京ドームの巨人戦には一度も行っていない)とまあ、私は音楽や、VANDAの前にやっていたマンガとアニメーションの人間だと思っている人が大半だと思うが、実は巨人が負けると、悔しくて飯も喉に通らない熱狂的な巨人ファンだったのだ。東京生まれの東京育ち、巨人ファンの父親(祖母も晩年熱烈な巨人ファンになった)のもとで育って、巨人ファンになるのが当然だと思っていた。読売ジャイアンツではなく、東京ジャイアンツのファンだった。でもどうして過去形かというと、今は巨人戦を見ることはなく、どういう成績かもよく知らない程度になってしまった。弱いから、ということではない。だいたい、私が巨人を熱心に応援しだいたのはV9の年からで(高校をサボって日本シリーズのV9の優勝決定の瞬間を後楽園球場で見た。あの時はペナントレースが最終戦で勝った方が優勝という際どさで、それで応援しはじめた)、以降の巨人はちっとも強くない。日本シリーズだって負け越している。長嶋と王がいないから?いや、それだけじゃないんだ。華がない?確かにそうだけど、つまらないから。心をゆさぶる何かがないから。弱くてもひたすら巨人を応援していた父親が亡くなってから、一緒に喜びを分かち合う相手もいなくなり、巨人ファンでいる必要もなくなってしまった。しかし、他のチームのファンになる気にはならないので、プロ野球自体を見なくなっていた。大リーグもさして興味がない。WBC以降、イチローは好きになったが、王監督の要請に応じなかった松井にはガッカリして、関心がなくなった...
とまあ、関係ない話をだらだらと書いてしまったが、話が野球に触れた瞬間、思わず書いてしまったしだい。はじめてこの手の話題を書いたので許されよ。ブログになってしまったが。
でも関係ない訳ではない。本来書こうとしたのはWBCと早稲田実業の優勝も嬉しかったけど、同じくらい嬉しかったのが、ヒロトとマーシーが三度一緒になって新しいバンド、クロマニヨンズを結成したことだ。ハイロウズの解散が、突然で、理由も一切語られず、ヒロトとマーシーは仲たがいしてしまったのかという噂もあったからだ。ブルーハーツ時代からの大ファンなので、どういう風になっていくのか心配していた。ただ今年もらったマーシーの年賀状には「ストーンズのコンサート、楽しみだね!」といつもどおりの一ロックファンとしてのコメントが書かれていたので、何だかすべてうまく行きそうな気もしていた。私自身は年賀状に解散のことは怖くてかけなかった。そしてついにクロマニヨンズのCD&DVDが届いた。ヒロト作の「タリホー」は、ヒロトらしい平易な言葉を使いながら奥が深い哲学的な歌詞が素晴らしいカッコいいストレートなロックナンバーで、まずは一安心。続くヒロトの「弾丸ロック」は、今度もヒロトらしい特に意味はないけれど勢いを感じる歌詞のこれまたストレートでシンプルなロックナンバーだった。そして最後はマーシーの「クロマニヨン・ストンプ」。これがメチャクチャカッコいい!前の2曲に勝る強烈なビートを持つロックナンバーで、マーシーらしい、はき捨てるようなべらんめえ調の歌詞がさらに曲に力を与えている。ヒロトの歌にマーシーのカウンターのシャウトのコーラスが入ると、それはロック史上最強のサウンドになる。ロバート・プラントだって、ジョン・レノンだって敵わないぜ!この原稿を書きながらも何度も何度も聴いてしまった超カッコいいロックナンバーだった。このCD、ショップで手にとっても、帯には何のコピーもなく、付録のDVDには二人の姿はまったく映っていない。いやー、気をもたせるカッコいい演出だ。このDVD、外人の間抜けな「博士と助手」のコンビが、ジャングルの中を探検していると、何気なく「クロマニヨン」がカットに写りこんでいるというもの。「クロマニヨン」といってもただの人形なのだが、気を持たせる演出が面白く、最後は「クロマニヨン」の存在に二人が気づいたところで終わっている。歌も一切なく、まさに予告編、これも面白いなあ。1025日のアルバムがいまから楽しみだ。(佐野)
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