2006年5月1日月曜日

☆Hot Doggers:『Surfin' USA』(ソニー/MHCP1046)

ソニーから紙ジャケで、ブルース・ジョンストンのがらみのサーフィン&ホットロッドのアルバム5枚がリリースされたが、文句なしのハイライトが本盤。(残り4枚はSundazed盤とまったく同じ)ブルース・ジョンストンとテリー・メルチャーの最初のコラボライトとして知られる本作は1963年にリリースされたものだ。大変なレア盤で、私も入手に大枚を払ったものだが、こんな何百ドルもするレア盤のリイシューには心から喜びたい。アルバムは当事新進気鋭のビーチ・ボーイズのヒットにあやかり3曲はビーチ・ボーイズのカバー、ディック・デイルのヴォーカル曲が1曲で、残りの8曲はインストという典型的なサーフ・ミュージックの作りになっている。ブルース中心のヴォーカル曲は無難な出来で、その少し粘着質のサウンドは、同時期のブルースのソロである『Surfin' 'Round The World』と一致する。注目はエレキ・インストで、特にギターのリフがずれていくラフな「Pipeline」はガレージ・パンク風でカッコいいし、ビンビンエレキを響かせる「Walk Don't Run」はエネルギーに満ちていてこれも非常にカッコいい。バッキングは西海岸の名うてのセッション・ミュージシャンだろうから、余裕でキメてくれる。ボーナストラックには嬉しいことにテリー・メルチャーが本名のテリー・デイでリリースした2枚のシングルが4曲全て収録された。特に「Be A Soldier/I Love You,Betty」はフィル・スペクターのプロデュース作品で、曲はジャック・ニッチェが書いていて、初期のスペクターサウンドが楽しめる。この価値あるリイシューは誰の手と思ったら木崎義二さんの監修だった。かつてほとんど誰も注目していなかったブルース・ジョンストンの特集を自らの「ポップシクル」誌で組んだ伝説のライターが木崎さんなので納得だ。(佐野)
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