2003年1月28日火曜日

☆Tokens:『Both Sides Now』(BMGファンハウス/37383)



"ライオンは寝ている" を歌ったオールディーズ・グループではない、という事がやっと認知されてきたトーケンズ。
アルバムとして既に CD 化された『It's A Happening World』と『Intercourse』は特にその内容が素晴らしく、とりわけ後者はトーケンズの『SGT.Peppers』と言うべきアルバムだった。
トーケンズが同時期にプロデュースをしていたハプニングスの大成功でも証明されるとおり、彼らはハーモニーとサウンド作りの両面で卓抜したセンスを発揮、その持てる才能を開花させていた。
そしてこの 2 枚のアルバムの後、69年にリリースされたのが本作である。
ファルセットのハーモニーの魅力を最大限生かしたのが、ポール・ヴァンス作 "She Lets Her Hain Down" (全米61位のヒットを記録)とジョニ・ミッチェル作の "Both Sides Now" で、どちらも実に爽やかな出来だった。
しかしこれらの曲はみな A 面で、B 面は "ライオンは寝ている" などのオールディーズ・ベスト集、アルバム自体は商売のために作ったイージーな作りだった。
しかし、本 CD はシングルのカップリングのアルバム未収録曲 "Oh To Get Away" と "I Could See Me" まで収められ、特に後者はアップテンポにリズムに乗ったサーフィン&ホットロッド調のファルセット・ハーモニーの傑作で、アルバムよりもいい出来と大収穫だった。(佐野)


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