アメリカのジェリー・バックレイ、シカゴのロバート・ラム、そしてビーチ・ボーイズのカール・ウィルソンの3人で作ったこのアルバムは、カールの遺作となった。全10曲中、5曲がカールがリード・ヴォーカルを取り、内4曲はカールの書き下ろしと、追悼アルバムの体は施されていないが、カールへの最大限の弔意を感じることができる。曲はミディアムのバラード系で、ロックというよりシンセサイザーと深いエコーが印象的なAOR作品というべき仕上がりになっている。しかしこの3人の中でカールのヴォーカルの美しさ、表現力は群を抜いている。こんな歌のうまいメンバーを失ってしまったビーチ・ボーイズが、新作を生み出せないのは当然だろう。ブライアンはヴォーカル面が不安定でサポートがないと努められず、カールがいなくなったことでビーチ・ボーイズの新作はなくなった、そういう思いを痛感したアルバムだ。(佐野)
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