このサマー・ワインとは、グレープフルーツのジョン・ペリー、ハーモニー・グラスなどもう語る必要もないトニー・リヴァース、それにマイク・ハースト、レイ・フェンウィックといったいずれも腕利きの実力者が集まって作ったユニットで、公式にはシングル 5 枚を残しただけで終わっている。この 10 曲に未発表の 6 曲、さらにその初期ヴァージョンを 6 曲加えたのが本作である。いきなりこのアルバムのハイライトである“Wasn't It Nice In New York City”から幕を開ける。洒落たメロディに芳醇なコーラス、ジョン・ペリーのリード・ヴォーカルも美しく、この曲が未発表だったなんて、今考えると信じられない。個人的に気に入った曲で追うと、ハースト=フェンウィックの美しくロマンティックなバラード“Sound Of Summer's Over”、ペリーの爽快な“Crying Eyes”、そして我々ハーモニー・ミュージックのファンなら一度聴いただけで虜になるであろうゴージャスなコーラスが素晴らしい“Shenandoh”がベスト。他は好きな曲を歌いたかったというサマー・ワインのコンセプトの通り、ストレートなカバーが多い。カバーではニール・セダカの“Living Right Next Door To An Angel”がベスト。原曲よりさらに厚いコーラス・ワークが心地良い。ラヴィン・スプーンフルの“She's Still A Mystery”もいい。ほかにもビーチ・ボーイズ・ヴァージョンの“Why Do Fools Fall In Love”や、ビーチ・ボーイズの渋いカバー“Take A Load Off Your Feet”もある。全体的にリラックスした雰囲気があり、ハーモニーの好きな人には是非おすすめしたい。(佐野)
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