2007年7月9日月曜日

WACK WACK RHYTHM BAND : 『WACK WACK RHYTHM BAND』 (FILE FRCD-116)



98年の『WEEKEND JACK』から実に5年振りとなるのが、このWACK WACK RHYTHM BANDのセカンド・アルバム。
彼らは、90年代初頭から東京のクラブ・シーンを背景に、音に敏感なボヘミアン達に愛された、UK 経由のR&Bをベースとしたインスト・グループだ。

4リズムにパーカッション、5管のブラスセクションからなるそのサウンドには、様々なアイディアと東京のミュージシャンならではのセンスを感じさせられ、その折衷感覚は一筋縄ではいかない。 例えば冒頭の「Surfin'Hard」では、The Who~キンクス風ギター・リフを生かしたホット・ロッド・サウンドに、ファンキーなブラスが絡み、ラウンジーなオルガンが鳴り響いているといった具合だ。
又これだけに留まらず、ブレイクにはピエロ・ウミリアーニよろしくモンドな掛け声や、フリーキーなアナログ・シンセのSE、そしてキース・ムーンばりの骨太のドラム・ソロ等が待ち構えている。 と、実に向こう見ずで破天荒なサウンドが展開していくのだ。

VANDA的チェックで引っ掛かる歌モノでは、トニー・マコウレイ~ファンデーションズのサウンド(あの曲)を彷彿させる「Bittersweet In My Bag」と、キッズソウル風ジャンプ・ナンバーの「Saturday Night Flying Booster」が特にお薦め。 又アルバム中最もダンスチューンとして完成度が高いのは、変拍子ブレイクを持ったアフロ・ファンク風の「CAPTAIN OLMECA」ではないだろうか。 他にも、哀愁感漂うソウル・フィールが古くならない「A Swallow Flies High」や、プリミティブなメロディ・ラインがほろ苦い「Dreams Come Through」も曲の良さが際立っている好例だろう。 「Dreams・・・」には、70年代のアウトロー系青春ドラマのタイトル・ナンバーを思わせる、転調するブリッジの女性コーラスやレズリーをかましたギターのリフ等、隅々にサウンドの懐の広さを感じさせられる。

とにかく、本作は東京的バーサタイル・サウンドの極致であり、実力、センス共に他を寄せ付けない風格を備えている一方で、その音から滲み出ている人の良さに、メルシーな気分にさせられる希な作品なのだ。
因みに本作からは、3枚計6曲が限定7インチ・シングルとしてカットされているので、興味のある方は早期の入手をお薦めする。
(ウチタカヒデ)

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