2012年12月24日月曜日

☆Beatles:『Budokan Tokyo 1966』(GEMA/HDL0149-9)DVD

これまた先のビーチボーイズと同じセミ・ブート。Amazonでは一緒に『Let It Be』を扱っているが紹介していない。それはオフォシャルで一時でもLDが発売されていたからだ。このDVDも緑のコスチュームで大分前のテレビでも放送した66630日のライブはオフィシャルでLD化されているのでこれだけなら紹介するつもりはなかった。しかし本DVDには翌日の淡いブルーの服を着た71日のライブも収録されていたからこれは紹介しないわけにはいかない。というのもこの日の方の演奏がはるかにいいからだ。

この日のライブは実はVHSで出ていた。昔レンタルビデオで見た記憶がある。この日のライブではポールをイライラさせたマイクがぐるぐる動いてしまうことがなくなっているので、ポールは上機嫌。
前日は苦虫を噛み潰したような顔をしていたリンゴも稀に笑顔になり、ほっとさせられる。ジョンは得意の悪ふざけが抑え気味でこれも見ている我々にとってはプラスポイントだ。ポールは「She's A Woman」や「I'm Down」で誰よりも熱唱を聴かせてくれる。ジョンは「Nowhere Man」とか「I Feel Fine」できれいな3声のハーモニーで歌うが、もちろん「Rock And Roll Music」「Day Tripper」ではロックンローラーになってくれる。「Paperback Writer」のハーモニーが物足りないのは、あれは4声のハーモニーなので3声だとあのコーラスにならない。もうビートルズのレコードがライブで再現できなくなってきた象徴だった。それにしても「Baby's In Black」でジョンとポールは一つのマイクでハモるのはいつみても最高だな。(佐野)
 The Beatles Budokan Tokyo 1966
 

☆Beach Boys:『Live In Concert:50th Anniversary』(ユニヴァーサル/UIBY15018/9)DVD

あの感動の50周年記念コンサートツアーの中から、1277日アリゾナのフェニックスでの公演を収めた映像だ。画質・音質は文句なし、メンバー+バッキングのブライアン・バンド、ジョン・カウシルなどの調子もよく、ライブ盤としては最上級の部類に入る仕上がりである。ただたった21曲しか入っていないのはどういうことか。どこの公演でも40数曲はやっているのに(千葉の33曲はアメリカの共演があったため異常に少ない)半分以下しか収めていないのは残念だ。ただ日本盤には先に紹介した『Doin' It Again』もオマケで収録されていて、私はこのDVDを入院の直前に見たので飛ばし見で一番重要なものを紹介することを抜かしていた。その事も合せて紹介したい。

まずライブの曲数が少ない理由だが、マイクやブライアンは時折音程があやしくなる時があるのでそういう曲は外したのか、勘ぐりたくもなる。日本公演では見られなかった「Marcella」が見られたのは嬉しい。冒頭の「Do It Again」「Catch A Wave」「Hawaii」の3曲で観客を一気に引き込ませ、「Little Deuce Coupe」「409」「Shut Down」の曲で心を鷲づかみしてしまう流れの良さは、日本公演と同じだが、こちらの方が歌の精度が高い。「Wouldn't It Be Nice」や「Fun Fun Fun」も完璧にこなしているし、このチームの「ライブ力」の凄さを改めて思い出させてくれた。You Tubeではここに収録されていない倍以上の曲のライブを見ることができるので、フル曲目のライブ盤を今後期待したい。そして最後に『Doin' It Again』で紹介漏れの最も需要な映像とは66年当時の「Good Vibrations」の録音風景が1曲分入っていることだ。ブライアンがハル・ブレインに体を使って叩き方の指示をするシーンや、メンバーで集まって歌うシーン、コントロール・ボックスで真剣に音のチェックをしているブライアンの顔など、この1曲で買う価値がある。(佐野)
 50周年記念コンサート [DVD]

2012年12月14日金曜日

☆Who:『Live In Texas 75』(WHD/EBP10104)DVD




世界最強のライブ・バンドは言われれば私はためらいなくフーをあげる。もちろんキース・ムーン、ジョン・エントウィッスルがいた時のフーだが。このDVD75118日のテキサス州ヒューストンのライブを丸ごと収録したものだ。フーの全盛時のライブを丸ごと収録したDVDは少なく70年のワイト島のライブくらいで、その後は77年のキルバーン、後者はキースがかなりの肥満になっていてイマイチなので、この75年のライブは歌も演奏力も最も充実した時期のライブと言えるだろう。

ただしカメラは2カメのみ。左上からの固定と右のカメラだが、ピートのアップの時など人がどんどん横切るのが見える。しかしだ。こんな芸のないカメラなのに見終わった時の興奮はMaxで、どれだけこの時代のフーが凄かったかを逆に思い知らされた。ロジャーのヴォーカルはパワフルそのもので、高音域に張りがあって、日本公演の時のヴォーカルとはけた違い。ピートのコードを効果的に生かす個人的に大好きなギターテクニックと、そのギタリストとして史上最強のボディ・アクションは風車弾きのスピードといいこれもけた違いだ。そして何といってもキース・ムーンのドラム。どうしてこんなカッコよく縦横無尽に叩けるのか、もうキースだけの独壇場だ。同じくジョン・エントウィッスルのもう一本のギターかと思わせるベースの凄さ、キースと並んで世界最強のドラマーとベーシストだった。1曲目が「Substitute」というオープニングも秀逸で、その次が「I Can't Explain」で、その後は当時の新作の『The Who By Numbers』の「Squeeze Box」となり、盛り上がる「Baba O'Riley」と展開がいい。『By Number』からは他に2曲入ったがいずれも出来がいい。レコードより魅力的だ。前作『Quadrophenia』からは1曲だけで、『Tommy』から9曲を選んで「抜粋版」を作ってくれたのも嬉しい。ただこの手の抜粋版では一番好きな「Go To The Mirror」が入らないのは残念だ。そして「Summertime Blues」。最強である。「My Generation」でジョンのリードギターベースを堪能したあと、「Join Together」はブルース調にアレンジされている。「Won't Get Fooled Again」はロジャーの叫び声がイマイチでピートのジャンプがないからこれはちょっと。アンコールでは楽器を壊さないで和気藹々と4人が去っていったがこれも新鮮。いつもぶっ壊すだけじゃ、芸がないといったところだろう。(佐野)


Live in Texas 75 [DVD] [Import]