2008年5月13日火曜日

Summer Soft 『黄昏サンセット』 (Happiness Records / HRBD-005)

 

湘南、茅ヶ崎といえば、古くは加山雄三やGSのザ・ワイルドワンズ、70年代にはブレッド&バター、70年代後半から現在に掛けてサザンオールスターズなど大物アーティスト達を育んだ、音楽的に豊かな地域というイメージがある。 今回紹介するSummer Soft(サマーソフト)も、そんな茅ヶ崎をホームに活動している、若きシティポップ・ユニットなのだ。ここでは彼らのデビューアルバム『黄昏サンセット』を紹介したい。 

彼らSummer Softは2006年に、ギターの滝沢ゆきち、ヴォーカルとカホンの泉健二、ベースの佐藤博亮によって結成され、茅ヶ崎から都内を中心にライヴ活動を行っている。 そのパフォーマンスはメンバー3人によるアンプラグド編成という特性を活かし、ライヴハウスやクラブ、カフェにとどまらず、ストリートでも展開しており、非常にアクティヴなライヴ・ユニットとしても注目されているのだ。 このユニットのソングライティングは主としてギターの滝沢が手掛けており、作詞面でヴォーカリストである泉の協力が見られる。今回のデビュー・アルバムには、泉が単独で作詞作曲している曲も1曲収録されているので、今後は二人の作風の違いがくっきり現れて幅の広い音楽性を生んでいくことだろう。
冒頭から完成度の高い構成力を持った「シティポップは片想い」、サンバのカッティングが爽快な「青い夜とファンファーレ」、さながらアコースティックAORといったセンスを見せつける「radio song」など曲の素晴らしさもさることながら、巧みな表現力を持った泉のヴォーカルの存在感はどうだ。爽やかなブリーズを感じさせる、その歌声に魅了されない音楽ファンはいないのではないだろうか。 ハワイアン・ブルーアイドソウルのTender Leafから、山下達郎や角松敏生ファンまでも惹き付けそうな気配を感じさせ、今年の夏のドライヴには欠かせないアイテムとなりそうだ。
(ウチタカヒデ)

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