2020年3月15日日曜日

『SPLIT EP SERIES VOL.3』リリース・インタビュー(*blue-very label*/blvd-010)


昨年11月にクリスマス・コンピ『Natale ai mirtilli』を紹介した*blue-very label*(ブルーベリー・レーベル)から今月25日に『SPLIT EP SERIES VOL.3』がリリースされる。このシリーズはカセットテープ・フォーマット(デジタル音源のダウンロードコード付き)という形式で、拘り派音楽ファンにも人気のようだ。



今回は弊サイトでも高評価している女性シンガーソングライターの小林しのと、ネオ・アコースティック・バンドSloppy Joeのリーダーで、ボーカル兼ギターの岡人史によるソロユニットIvory Past(アイボリーパスト)が各々3曲提供している。 
弊サイト読者にはお馴染みだが、小林しのはharmony hatch(ハーモニー・ハッチ)のヴォーカリスト兼ソングライターとして99年にデビューし、coa recordsより2枚のアルバムをリリースして02年に解散し、ソロへと転身し、ファースト・アルバム『Looking for a key』(16年)、18年には7インチ・シングル『Havfruen nat』をリリースしている。

My Coffee Momentの主メンバーで結成されたSloppy Joe(スロッピー・ジョー)は、06年にミニアルバム『trying to be funny』でデビューし、11年にはフルアルバム『With Kisses Four』をリリースしており、カジヒデキ氏がファンを公言するなど同業者にも人気が高い。
Sloppy Joeを率いた岡人史のソロユニットIvory Pastは、12年にTrixie’s Big Red Motorbikeのライブ・イベント用スプリット・カセット参加のために活動を開始した。16年にはMiles Apart Recordsからカセット・シングル、18年にはSnow flakesとのスプリット・カセットを各リリースしている。
ユニット名は英国バーミンガムのネオ・アコースティック・バンド、Felt(フェルト)の同曲タイトル(『The Pictorial Jackson Review』収録 88年)からインスパイアされていると思われるが、そんな80~90年代の英国ギターポップ・バンドからの影響を受けて活動を続けている。
筆者は昨年とあるライブ・イベントで、Ivory Pastの演奏を聴いて岡の声質やスタイルにやられてしまった。ザ・スミス信奉者だった十代の頃の血が騒いだと言って過言ではない。
さてここではそんな岡と小林におこなったミニインタビューをお送りしたい。

●今回のリリースの参加された経緯を教えて下さい。 またコンセプトについてレーベルオーナーの中村氏からサジェスチョンはありましたか? 


Ivory Past(岡 人史)

岡人史(以降 岡):下北沢にBlue-very Recordsがあったころにお会いして以来、中村さんにはかれこれ20年以上お世話になってきました。その中村さんのレーベルの記念すべき第1弾コンピレーションに、僕が別に活動しているSloppy Joeで参加させていただきました。 
そして今回ソロ名義のIvory Pastでお誘いをいただきました。特別なサジェスチョンはありませんでしたが、レーベルコンセプトのひとつにネオアコやギターポップといったものを感じていましたので、自然体で臨ませていただきました。  


小林しの

小林しの(以降 小林):レーベルオーナー中村さんが経営するレコード店、ディスクブルーベリーに私が所属するレーベル「philia records」の全作品を置いてくださったご縁で、数年前からよくお店に伺うようになりました。
2018年に中村さんが「ブルーベリー・レーベル」を始められ、「Split ep series」という2組のミュージシャンによるスプリット音源をシリーズでカセットテープで出していくという企画にお誘いいただきました。中村さんからは英詞曲で提供してほしいとのご依頼をいただきました。 

 ●提供曲について、ソングライティングとレコーディングの時期を教えて下さい。

岡:2019年の11月から12月に曲作りを行い、年末年始にレコーディングからミックスまでを行いました。なかなか曲を作り貯めておけるタイプではないので、いつもリリースのきっかけがあって制作することが多いですね。 
今回の収録曲は、曲調はそれぞれ違いますが、いずれも故郷の景色、故郷への思いなどをイメージしています。ストレートにハッピーな曲も好きですが、自分の曲作りでは、憂愁、刹那、晩秋、夕景といった感情や情景が感じられるものにしたいと思っています。

小林:B-1「forget me not」は私の作詞作曲、編曲は高口大輔さん(the Sweet Onions)で、2019年に作りました。B-2「Large gate」は作詞作曲が近藤健太郎さん(the Sweet Onions、The Bookmarcs)、the Sweet Onionsの2000年頃の未発表曲を提供していただきました。 B-3はthe orchidsの「a kind of eden」という曲のカバーです。
「Split ep series」はカバー曲を1曲という決まりがあり、レーベルオーナー中村さんが好きな曲とのことでご提案いただきました。編曲はこちらも高口さんです。レコーディングは3曲とも2019年の夏~秋にかけて行いました。



●レコーディング中のエピソードで何か特筆すべきことはなかったですか?

岡:収録したカバー曲は、中村さんからCherry Red周辺から選んでみてはとお話をいただき、いくつかの候補で悩みましたが、一番初めにCherry Redでネオアコと言えばと頭に浮かんだThe HepburnsのThe World Isを選びました。
そして小林しのさんがカバーしたのも大好きなThe Orchidsで、とても素敵なカバーに驚きました。僕がmy coffee momentとして活動していたおそらくこちらも20年ほど前、小林しのさんのHarmony Hatchとは何度か共演しました。それ以来の共演にも、いろいろなご縁を感じながらレコーディングしました。

小林:「forget me not」、「a kind of eden」はThe Laundriesの遠山幸生さんにギターを弾いていただいたのですが、その際、遠山さんのご縁で作曲家青木多果さんのスタジオで録音させていただきました。どんどん重なっていく魔法のようなギターフレーズに感動しました。 
「Large gate」は高口さん、近藤さん二人でアレンジを考えてくださり、宇宙に漂うような美しい曲になりました。 「a kind of eden」の間奏のハミングはthe Carawayの嶋田修さんで、光が差したような温かさが生まれました。 また、「forget me not」は私もギターを弾いています。今回は英詞と風邪でボーカル録音に苦労しましたが、その時にしか出せない声質になったような気がして満足しています。

●ソングライティングやレコーディング中に聴いていた曲を5曲ずつ選んで下さい。

岡:○ Will She Always Be Waiting / The Bluebells 
  ○ Downhill / Days
  ○ In an Empty Hotel / Northern Portrait
  ○ Anything Anything / The Holiday Crowd
  ○ Letters To The Girl / The Proctors 


小林:○ A Kind Of Eden / THE ORCHIDS
   ○ Svensktalande Battre Folk / Anna Jarvinen
   ○ D.S.P.S / DSPS
   ○ Birthday / Gia Margaret
   ○ Hard to Forget / Natalie Evans




●最後にこのSPLIT EPの魅力をアピールして下さい。

岡:80年代~90年代初期の英国インディバンドたち。今でも彼らの音がたまらなく好き!そしてそんな音に思いっきり影響を受けた現代のバンドも大好き!そんな方にニヤケながら聴いてもらえたら嬉しいです。
僕も単純にそんなバンドたちが好きで、自分でもそんな音が作れたらなと思って活動していますので。逆にIvory Pastを聴いてそういったバンドを聴いてみたくなったという方がいたら、更に嬉しいです。そんな方は是非Disques Blue Veryへ!  

小林:私はHarmony hatchというインディーギターポップバンドを昔やっていて、きらめいたり歪んだりするギターの音が大好きなんです。
ソロ活動をはじめてからは日本語でポップス寄りな曲を作っていましたが、今回は原点回帰と新境地をあわせたような気持ちで、このカセットテープに私の大好きなインディーギターポップが詰まっています。
小林しの名義での発表ではありますが、編曲の高口さんやthe Sweet Onionsはじめ、参加ミュージシャンの皆様やブルーベリー・レーベル中村さんの発案のおかげでいつもとはまた違った面のある特別な音源になりました。また、スプリットということでA面のIVORY PASTさんのきらめく曲たちから続けて聴くと、とても深みのある作品になっていると思います。

 Disques Blue Very予約サイト:http://blue-very.com/?pid=148625190 

(インタビュー設問作成/文:ウチタカヒデ)

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