2019年3月10日日曜日

コントラリーパレード:『CONTRARY』(miobell records / PCMR0013)


コントラリーパレードが、昨年11月の『PARADE』に続くミニアルバム『CONTRARY』を3月13日にリリースする。
現在はピアノ兼ヴォーカリスト、たなかまゆのソロ・ユニットとなっているが、バンド結成は2001年に遡りそのキャリアは長く、寡作ながらこれまでに1枚のフルアルバムと3枚のミニアルバム、2枚のシングルをリリースしている。
ソングライターとしても評価が高い、たなかのソロ・ユニットとなったのは12年からで、サポート・ミュージシャンをバックにしたバンド編成や弾き語りでのライブ活動もおこなっているので、生で彼女の歌声を聴きたいポップスファンは足を運んで欲しい。
前作と同様にバンド名の一部からタイトルにした本作『CONTRARY』には、元L⇔Rの黒沢秀樹(L⇔R)を筆頭に、以前ここで紹介したRYUTist の『柳都芸妓』に「夢見る花小路」を提供していた佐藤望がアレンジとキーボードで参加している。 またSwinging Popsicleの3名や、元ゲントウキで多くのセッションでも知られる伊藤健太(ベース)と元くるりの森信行(ドラム)が主に参加しており、このアルバムに貢献している。


 では全収録曲5曲の内、筆者が気になった主な収録曲を紹介していこう。
冒頭の「子猫アラーム」は3連シャッフルのサンシャイン・ポップで、バッキングにはSwinging Popsicle(97年にメジャー・デビューしたスリーピース・ポップバンド)の藤島美音子(ヴォーカル)、嶋田修(ギター)、平田博信(ベース)の他、GOMES THE HITMANの山田稔明(ヴォーカル)、キンモクセイの張替智広(ドラム)が参加している。
たなかと藤島、山田のハーモニーの美しさはこの曲の聴きどころであり弊誌読者には特にお勧めだ。

黒沢のスライド・ギターとセカンドライン・ファンク・リズムというリトル・フィート風のバースを持つ「カウント3」はパート毎にリズム・チェンジを繰り返すので、伊藤と森のリズム隊も含め巧みな演奏力を堪能出来る。
続く「ユートピア」はリード・トラックにもなっているが、佐藤のアレンジ・ワークが光るマジカルなポップである。繊細且つ大胆なそのサウンドは、ダイヤモンドの原石を美しくカットし研磨していると言うべきだろうか、マリンバのフレーズや各種シンセサイザーが絶妙に配置されていて耳を奪われてしまう。バッキングには佐藤とOrangeade(オレンジエード)の同僚である黒澤鷹輔がアコーステック・ギターで、また本作と同日にファーストEP『午後の反射光』(APLS-1903)をリリースするシンガー・ソングライターの君島大空がエレキ・ギターで参加していることにも注目したい。
ラストの「虹のしっぽ」は、パーカッションのバッキングのみでほぼたなかの弾き語りで歌われるバラードで、たなか本人によるクラリネットのレイジーな響きもこの曲の世界観に合っている。
本作全体を通して、たなかの個性的な声質とソンングライティングにはサムシングな魅力が潜んでいるで、興味をもった音楽ファンは是非入手して聴いて欲しい。 
(ウチタカヒデ)


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