2018年9月23日日曜日

【ガレージバンドの探索・第二回】 バミューダ諸島のガレージバンド


60年代のバミューダ諸島のガレージバンドがかっこいい。 
Crypt RecordsやArf! Arf! のコンピレーションでもよく登場するThe Savegesは比較的有名かもしれない。
1966年、Eddy De Melloが運営していたDuane Recordsから、首都ハミルトンのPrincess HotelのナイトクラブHubでの演奏を収録したライブ盤フルアルバム 『Live'n Wild』 (Duane ELP 1047)がリリースされている。



収録曲はThe Drifters、The Animals、アイスランドのパンクバンドTHOR'S HAMMERのカヴァーの他、オリジナルが9曲。オリジナル曲の 「The World Ain't Round, It's Square」 を初めて聴いた時は衝撃的だった。

   

同年、ニューヨークのA&Rスタジオでもレコーディングを行っているのだけれど、その滞在中にハーレムを訪れた際、メンバーの誰かが侮辱的な発言をしたことで命に関わるような騒動が起きたらしい。
詳細は明らかにされていないけれど、この出来事が原因でバンドは解散した。

『Live'n Wild』 も前回の記事で取り上げたThe Rising Storm の『Calm before…』 同様、再発が出るまでは入手困難なレアアイテムだったそうだ。1984年にResurrection Recordsから、2017年にTwitchin' Beatから再発があり、オールデイズレコードジミー益子監修 60’s GARAGE ROCKIN’ OLDAYSシリーズの復刻CDも先月発売されている。ニューヨークで録音されたシングル曲の「Roses Are Red My Love」がボーナストラックで収録されていて嬉しい。 The SavegesはThe Gentsというバンドの影響を受けて結成された。The Gentsも1966年にDuane Recordsから7インチをリリースしている。

   
「If You Don't Come Back」/「I'll Cry‎」(DUANE 1048) 

 The SavegesやThe Gentsは、トワイライトガレージのようでもあるけれど、The Rising Storm のメランコリックさとは違う、どこか神秘的な、乾いた激しさを感じる。

同ジャンルで、Duan Recordsから最初にリリースしていたのはThe Weadsというバンドだった。彼らはニューヨーク、ストーニーブルック校の学生バンドなのだけれど、学校にバミューダ出身の生徒がいた。
その生徒が持ち帰ったThe Weadsのデモテープを聴いたEddy De Melloは、すぐにメンバー達にコンタクトをとり、3年10曲の契約を結んだ。約1年後には、レーベル離脱を望むThe Weads とEddy De Melloとの間でトラブルが生じ、契約が達成されることはなかったようだけれど、1965年に7インチ「Today」/「Don’ t Call My Name」(DUANE 1042)がリリースされている。




「Today」はローカルラジオ局ZBMで流され、バミューダで2位になった。 リゾート地のバミューダ諸島で休暇を過ごしていた学生達にも、The Weadsは広く知られることになり、島の周辺やPrincess Hotelでライブを行った際も観客が集まった。
The Weadsの7インチの成功は、後のThe SavegesやThe Gentsのリリースにつながったようだ。

 参考・参照サイト
https://www.garagehangover.com/category/country/bermuda/
(文:西岡利恵 / 編集:ウチタカヒデ)

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