2018年3月18日日曜日

『Garden Of The Pen Friend Club』(ペンパル・レコード/PPRD-0003)The Pen Friend Clubインタビュー


弊サイトWebVANDAの執筆者としてもお馴染みの平川雄一率いるザ・ペンフレンドクラブが、3月21日に5thアルバム『Garden Of The Pen Friend Club』をリリースする。
前作『Wonderful World Of The Pen Friend Club』から1年余りだが、同年の9月には初のベスト・アルバム『Best Of The Pen Friend Club 2012-2017』もリリースしており、彼等の創作ペースとリリース・ラッシュ振りには頭が下がってしまう。
既にアルバム試聴トレーラーで耳にした音楽ファンは気付いていると思うが、本作はザ・ペンフレンドクラブが初めて本格的な60年代ソフトロック・サウンドに挑んだ意欲作である。
収録曲11曲の内9曲にストリングスのオーバーダビングが施されており、その演奏を夜長オーケストラ、アレンジャーとして同リーダーの中村康隆が全面参加しているのだ。
プロデューサーとしての平川の飽くなき制作意欲により導かれたバンドが、新たな次元に乗り出していく姿が実に頼もしくもある。

実はある経緯により本作のライナーノーツ解説は筆者が担当しており、このアルバム作りの過程は平川から聞いていたのだが、そんな立ち位置を抜きにしても、本作サウンドの構築力とトータリティーには一音楽リスナーとして敬服している。
彼等に出会って3年半という短い年月だがここまで成長したことに一抹の寂しさもあるが、更なる意欲作を期待しているのは言うまでも無い。
ここでは恒例の平川氏への単独インタビューを掲載しようと考えていたが、昨年から2ヶ月超の期間彼とのやりとりで意見交換していたこともあり、今回は趣向を変えて平川氏以外のメンバーを主にアンケート形式でテキスト・インタビューをおこなったので紹介したい。


※写真左から 祥雲貴行 (Dr, Per)/平川雄一 (Vo, Cho, Gt, Per) 
大谷英紗子 (Sax, Cho)/藤本有華 (Main Vo, Cho)/西岡利恵 (Ba, Cho)
中川ユミ (Glocken. Per)/ヨーコ (Organ, Piano, Cho, Flute)


●本作レコーディングで最も印象に残っている曲を挙げ、その時のエピソードを語って下さい。
(平川以外のメンバー50音順・以下同様)

大谷英紗子:サックスのレコーディングとしては、「My little red book」と、「水彩画の街」が一番「今、録っているな〜」という感覚があったように記憶しています。他の録り終えている音源に音を重ねていく過程や、今回は全体的に「ここ」というベストなタイミングに音を当てはめていくことを意識したレコーディングでした。
コーラスのレコーディングは、「僕と君のメロディ」を録っているときが、歌を歌うって楽しいことだなと思い、好きな歌ですので世界観の中でコーラスができたような気がしています。

祥雲貴行:「飛翔する日常」。最初にデモ音源を聴いた時のイメージと、平川が曲作りの参考にしたという曲のイメージに結構違いがあったので、どちらに寄せるべきか迷ったり、いまいちピンとくるフレーズが浮かばなかったりで、個人練習のときは一番時間をかけました。
結局迷いを払拭できないままレコーディングに臨んだのですが、本番の緊張感がいい方向に働いたのか、全部事前に決めていたら出てこなかっただろうなっていうフレーズが出てきたりして、自分で聴いても意外性のある面白いものが録れたんじゃないかと思います。
これまでは、レコーディングでもその場のフィールを大切にしたいと思いつつも、技術面や性格的に無難なことしかできないもどかしさがあったんですが、この曲をやったことでどの辺りまで決めてどこを決めずにおくべきかのバランス感覚が少し掴めたような気がします。

●あくまで僕の推測ですが、♪物語はいつか・・・から始まるブリッジ・パートは特にフィルというかフレーズの組立が難しかったんじゃないですか? 

祥雲:そうですね、その部分は特に尺の感じを掴むのが難しかったのでかなり試行錯誤しました。



●本作レコーディングで最も印象に残っている曲を挙げ、その時のエピソードを語って下さい。(続き)

中川ユミ:「Good Lovin’」の出だしの「1,2,3」の録音を流して確認している時に、だんだん2と3が戦っているみたいに聞こえてきて、全員でしばらく爆笑していました。

西岡利恵:「Melt Away」。最初に聴いたときよりも、レコーディングする中でだんだんと好きになっていった曲です。ちょっと変わったリズムのベースラインも弾いていて心地よかったです。

藤本有華:今回のレコーディングもそれぞれ印象に残っていることはあるのですが、一つ選ぶとすると、「飛翔する日常」でしょうか。実際の仕上がりと同じ様にリーダーの声に合わせて歌ったのですが、初めはリーダーの声と音やタイミングを合わせることに集中してしまいとても無機質な仕上がりになってしまい…歌を確認したときに愕然としました。時間がない中で、初めから全部録り直しをお願いし、次はしっかり感情を込めて歌う様に心がけたことで良い仕上がりに出来たと思っています。

ヨーコ:最も印象に残っているのは「Good Lovin’」です。
イントロのかけ声の録音が面白すぎて、横で見ているだけで死ぬ程笑って、みんな笑い過ぎたせいで痰がからんでその後のコーラスのレコーディングに支障をきたす程でした(笑)。
オルガンレコーディングでは、曲の後半で原曲のようにオルガンソロのフレーズを入れたいと言って先生(平川)とハモリのパートも考えたりもしました。ライブでやっている曲ということもあり印象に残っています。



●リスナー目線で本作収録曲の中で最も好きな曲を挙げて下さい。

大谷:「僕と君のメロディ」

祥雲:「Our Place (Reprise)」

中川:「飛翔する日常」
これからの爽やかな時期にぴったりな軽やかさが気に入っています。

西岡:「My Little Red Book」

藤本:「Don't take your time」
一番好きな曲は"Don't take your time"です。音の重なりとかテンポ感が一番華やかでノリが良い気がします。ドラムの感じも東京スカパラダイスオーケストラさんみたいでイントロがかかるだけでワクワクします。

ヨーコ:「飛翔する日常」
最も好きな曲は「飛翔する日常」です。
この後に続く曲たちにも期待ができると確信できる胸踊るイントロ、藤本さんと先生(平川)のボーカル、曲全体のまとまり、全てが聴いていて心地が良いです。
リスナー目線からは外れますが、私、この曲のデモ音源が送られてきた時、暫くこの曲はオリジナルではなくカバー曲だと思っていました(笑)それくらいこの曲にはデモの時点で貫禄がありました。


●西岡さんはペンフレンドクラブ(以下ペンクラ)のメンバーとして最も長く所属している訳ですが、これまでのアルバムと本作との大きな変化点はなんでしょうか?
また今作を含めこれまでのアルバム作り通して、プロデューサーである平川さんの拘りの姿勢をどう感じていましたか?

西岡:特に4thアルバムから雰囲気が変わってきた感じがしたんですけど、今回の5thでは選曲や、オーケストラが入ったことも影響してボーカル藤本有華の透き通った歌声がより活かされた内容になっているように思いました。
ペンクラのアルバムは、1stから一貫してリーダー平川雄一の世界観が表現されていますが、本来バンドという形態で一人の音楽性を表現することは難しいことだと思うんです。
ここはこうでなければならない、という強い拘りに合わせていくことは大変さもあるんですが、平川のアルバム作りの姿勢が多くの人の共感を得て、期待されているのは、その並外れた拘りと実行力があるからだとも感じています。

●これまでのアルバム作りを通して、平川さんの並外れた拘りを象徴するレコーディングの中のエピソードを教えて下さい。本作はもちろんですが、過去のアルバムでも記憶の限りで構いませんので。

西岡:ベースに関してだと例えば "C"の音を出すとして、この曲のこの部分の"C"は、この弦のこのポジションを使った"C"の響きであるべき、みたいなこととか、レコーディングだと細部のニュアンスについての指示も多くあります。

●藤本さんはボーカリストとしてペンクラに参加して2作目ですが、このバンドの魅力はなんでしょうか?

藤本:バンドの魅力というより根元というべきかもしれませんが、一番はリーダーのプロデュース力ですよね。選曲、作詞作曲、ジャケのデザインなど全てこなしてしまうのですから凄いなといつも思います。だからこそ、ボーカルが変わっても、メンバーが変わっても、ここまでぶれずに続いているのだと思います。それに加えて、ボーカルやその他メンバーが変わる度にスッと対応してしまうメンバーの存在。
私がボーカルになった時も三代目ボーカルのジュンさんからかなりキーを上げてしまったのですが、皆さんほんの数週間でサクッと対応していて驚きました。この柔軟性と対応力の高い今のメンバーだからこそ、同じメンバーで二枚目のアルバムが作れたのだと思います。

●では参加したアルバム収録曲とライヴ・レパートリーを通して、ボーカル・テクニック的にやり遂げたと感じた曲を挙げ、その曲について語って下さい。

藤本:これまでを通して一番やり遂げたと思う曲は・・・ダントツ「Love's Lines, Angles and Rhymes (愛のロンド)」です!
あれはオリジナルを聴いたときに「私に歌えるのかしら??」と不安に襲われ、自主練を相当繰り返して歌い方を作り上げました。こういう歌い方も出来るのね、という新しい発見をさせて頂いた曲でもあります。完成音源聴いた時は今までに聞いたことのない声だったので恥ずかしくもあり、嬉しくもありました。ライブでもこの曲が一番緊張しますし気合が入ります!


●メンバーの皆さんから本作の魅力を挙げてアピールして下さい。

大谷:このアルバムのデモや、レコーディングの過程で、ペンクラの音はしているけど、ペンクラのCDっぽくなく聴こえるなとも思っていました。もちろんマイナスなイメージではありません。なぜそう思ったのかはわかりませんが、今まで聴いていただいていた方には明らかに今までと違う感情を持っていただけるのかなと思うと楽しみです。
私はいつもペンクラのアルバムは、絶対に人それぞれお気に入りを見つけていただきやすいだろうなと思っています。今作も、曲の持つ力を最大限に引き出しているアルバムだと思います。

祥雲:アルバム制作を重ねるたびに洗練されていく平川雄一のコーラスワークとディレクションセンス。加えて今回は夜長オーケストラの参加などもあって前回よりもさらに贅を尽くした内容になり、耳の肥えたマニアの方々にも満足頂けるものになっていると思います。
また平川の躍進に呼応するように藤本有華のボーカルも確実に進化を遂げ、メロディの美しさをよりプリミティブなレベルで訴えかける表現力が以前よりも増したことで、格式高さを感じさせつつも、いつ誰が聴いても楽しめるようなカジュアルさをも内包することに成功していると感じました。
他にも、じっくり聴いているとメンバーそれぞれの個性が端々で光っていて、実はけっこう趣味の違う人たちが集まっているペンクラならではの良さも楽しむことができると思います。

中川:なんといってもペンクラ初のストリングスが入ったアルバムという所です。個人的にストリングスの入ったロックの曲が好きなので、完成した音源を聴いた時はニヤリとしてしまいました。

西岡:変わらないペンクラらしさと同時に、これまでになく洗練された魅力を感じられるアルバムだと思います。ぜひ聴いてみてください。

藤本:今回のアルバムは、とにかく音圧が凄いです!夜長オーケストラさんが参加されたことで、今までとは一味違ったペンクラ作品になっていると思います。ペンクラは多幸感が高いと良く言われている様ですけど、5枚目のアルバムはまさに多幸感満載です!ぜひ一枚お買い上げ頂いて、良いスピーカーで聴いてみて頂きたいです!

ヨーコ:このアルバムの魅力は、エンドレスリピートが止まらない中毒性です。最初と最後にバージョン違いの同じ曲が入っているということで単純にエンドレスリピートしやすい、ということもありますが、入り口である「Our Place」を通るとそこにはアルバムタイトル通り「Garden」が広がっています。「僕と君のメロディ」を聴き終わる頃には出口である「Our Place(Reprise)」が見えてきます。最初に通った道と同じはずなのに出口として通ると全く違う景色に見えます。そうなるとまた入り口から入ってみたくなり…そうやって繰り返し聴いているうちにどんどんと「Garden」の深みにハマっていきます。


●では最後にプロデューサーでありバンド・リーダーとして、平川さんからもこのアルバムの魅力をお願いします。

平川雄一:メンバーのインタビューの方が僕のより面白いですね・・・。僕だといつも「好きな曲だからやりました」くらいしか回答できていないので(笑)。
今は次の6thアルバムのことで頭がいっぱいで今回の5thのことは若干忘れかけているんですが、このアルバム制作においてペンフレンドクラブが音楽というものに真正面から取り組んだことは確かで、夜長オーケストラのストリングスを初めて導入した意欲作でもあります。
因みに僕が一番好きなオリジナル曲は「笑顔笑顔」です。独特でキャッチーなメロディが気に入っています。
褒められがちなリード曲「飛翔する日常」は割と簡単に出来ました。サビのグロッケンのフレーズがいいですね。
「My Little Red Book」のスネア一発の音の良さや、オルガンソロの格好良さとか、美味しい瞬間が沢山あるアルバムですね。
あんなにも自信作だった4thアルバム『Wonderful World Of〜』を凌駕する作品集が出来て嬉しい限りです。
アルバムCD発売の1ヶ月後には7インチ・アナログ盤も出ますので是非!

【Add Some Music To Your Day Vol,17
  Garden Of The Pen Friend Club Release Party】
◎2018年4月1日(日)
◎江古田BUDDY
◎出演
The Pen Friend Club

RYUTist
so nice with 村松邦男
The Laundries
DJ:aco

◎前売:3000円+1d
◎当日:3500円+1d
◎開場&開演:18:00


(インタビュー設問作成/文:ウチタカヒデ, 
    写真提供:平川雄一/撮影:鈴木祐子)

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