2017年10月14日土曜日

☆竹迫倫太郎:『UNION』(K&T/KTRE2001)12月6日発売予定


Facebookでもお馴染みの竹迫倫太郎さんが、2015年から1年のロンドン生活を経て、満を持して本作、『Union』が126日にK&Tレコードより発売される。「マスター・オブ・シティポップ」と呼ばれる竹迫さん、ご存知と思うが医師である。抗インフルエンザ薬のタミフルの原料の「八角」を栽培し、いつか来る危険なパンデミックのためのジェネリック薬品の準備と合わせ、政治・経済的に不安定なミャンマーの復興支援のための「八角平和計画」を歌にした「すべては愛のために(Theme Of S.A.P.P)」も収録して完成させた。ご本人も今までの最高傑作というだけあり、全10曲、高いクオリティの曲ばかりで驚かされた。ご本人は今までBeach BoysBrian Wilsonの影響を受けた曲が多かったが、今回はイギリスでの一年間の生活も含め、音楽を始めるきっかけとなったPaul McCartneyを意識して音楽原点のひとつであるブリティッシュ・ロックを意識したアルバムを作ったという。まさにPaulBrian、自分も含め、多くのロックファン(ポップファンとは言わない。「ロック至上主義者」の罠にはまるから。ロックが上でポップが下、ロックでも○○ロックとか勝手な見下したネーミングを付けるヘンなのと一緒になってはいけない)の最も好きな組み合わせで、どちらも意識してサウンド作りをしてくれることは嬉しい。ここで11曲、どこが何の影響で…などという聴き方は逆に全体に制約をかけてしまうので良く無い。だからアルバム全体を聴いたトータルな感想を書かせてもらいたい。曲はみなポップでメリハリがあり、日本的なウェットな感覚は感じらないのがいい。コーラスは全曲に非常に精緻に付けられていて、「Brian風」というものではなく、Brian Wilsonのようなハーモニーの技術でセンス良く曲にハーモニーが施されていた。リード・ヴォーカルは、あくまでも個人的感想だが、クセのまったくない桑田佳祐と言う感じでなかなかいいがどうだろうか。何よりも本作は竹迫さんが狙ったブリティッシュ・ロックへアプローチした曲作りだ。ビートルズ風のコードや歌のこぶしなど直接的なものはない。ただ、冒頭の「SUNDANCE」ようにアコースティックのパワフルなコードにギターが入るとブリティッシュの色が強く立ち上る。カッコいい曲だ。また「すべては愛のために (Theme Of S.A.P.P)」もただ歯切れがよくポップなだけではなく、ギターをリフ風に弾くなど細かいこだわりを見せてくれる。他の曲でPaul McCartney的なアプローチを感じるのは「星堕つ時代を越えて」ぐらいで、それよりもギターの音圧や音色が明瞭で力強く、メリハリの効いたキーボードのバッキング、いくつも織り込まれた様々なパーカッション、鉄琴など、従来のサウンドからブリティッシュも超えた竹迫ワールドが完成されている。シングルカットされる「Master Of Xmas」は、さらにアレンジ、コーラスが凝っていて、歌声と合わせて山下達郎が歌っているように聴こえたがどうだろうか。ご本人が最もBrian Wilson色が出ているという「Humoresque ~父と子の絆~」は最もコーラスワークが聴きものになっているが、間奏で一瞬弾かれる「雨雨降れ降れ」を入れるセンスもさすがだ。(佐野邦彦)

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