2015年3月21日土曜日

☆大滝詠一:『Niagara CD BookⅡ(Box Set)』(ソニー/SRCL8700-11)


ここで初めて『A Long Vacation』以降のアルバムを聴いたなんていう人はいないとして、以降のアルバムは全部持っていると仮定し、初登場もしくはレア音源のみに絞って話をすすめたい。CD12枚組の充実した仕様だ。1981年の『A Long Vacation』は幻に終わった12インチシングル5枚組仕様の『A Long Vacation Single Vox』で聴くことができる。同年のリードメロディが入ったカラオケ『Sing Along V.A.C.A.T.I.O.N』、1982年の『Niagara Triangle Vol.2』はそのまま。1984年の『Each Time』は当初のCDから31年後にようやくオリジナルの形でリリースされ、待望の「レイクサイド・ストーリー」はフェイド・アウトの後にエンディング部分が入って完奏する(フェイド・アウト前のリフレインの数は30thAnniversary Editionが一番多いので最長ではない)の「大エンディングヴァージョン」だ。これは朗報。同年にリリースされた12インチシングル5枚組はプラス4曲加えて『Complete Each Time Single Vox』として登場した。

「魔法の瞳」は330秒後に新たにサビ(「ブルーの夜明けまで...」以降の30秒)が加わったロング・ヴァージョン、「夏のペーパーバック」はイントロにベースの入らないシンプルなヴァージョン、「木の葉のスケッチ」はエンディングまで入った長いヴァージョンになった。「1969年のドラッグレース」はエンディングのギター音が長く伸びるヴァージョン、「恋のナックルボール」は曲が終わった後小さくSEと大滝の会話が入ると僅かに違い、「レイクサイド・ストーリー」はフェイド・アウトされたヴァージョン(その他の曲は1986年の『Complete Each Time』のCDと同じだが、このヴァージョンは30thで登場したファイド・アウトが最も長く最長)である。加えられた「Bachelor Girl」と「フィヨルドの少女」は通常のヴァージョン、Niagara Fall Of Sound Orchestraの「Bachelor Girl(Instrumental Version)」は1989年仕様の『Niagara Song Book 2』のみ収録されていたもの。「哀愁のフィヨルドの少女」は『Snow Time』で登場したインストの「Fiord」。その1986年にプロモのみでリリースされた『Snow Time』は、1996年にCD選書でリリースされたものではB面部分に1曲エレキ・インストが無かったので、Niagara Fall Of Sound Orchestraの「レイクサイド・ストーリー」(1989年以降のフェイド・アウトするもの)を外し、渡辺満里奈のシングルに書いた「うれしい予感」をインストにした「Yokan」を入れたが、本ボックスでは元に戻った。ただし本ボックスの『Snow Time』はCD選書ヴァージョンでしか聴けないアコーディオンが冒頭に加わった「木の葉のスケッチ」をそのまま残してくれた。そして外された「Yokan」は本ボックスの『Niagara Rarities Special』に収録されている。初CD化のディスクは1982年リリースの『Niagara CM Special Vol.2』で、曲名はクレジットされていないが冒頭の9秒だけの「NIAGARA CM Special Theme」と、「A面で恋をして」の3ヴァージョン「(Narration)」「(A Cappella)」「(Track Only)」、さらに『A Long Vacation』のCM用の「Spot Special」「Instrumental Special」の6トラックが初CD化。1989年の『B-each Time Lon-g』はオリジナル仕様。Niagara Fall Of Sound Orchestra による1982年の『Niagara Song Book』と1984年の『Niagara Song Book 2』だが、曲名はオリジナルの形になったが、前者は1989年の仕様の「夢で逢えたら」のロング・ヴァージョンは元に戻され、後者は1984年仕様の『レイクサイド・ストーリー』の大エンディング・ヴァージョン仕様や、別ヴァージョンの「魔法の瞳」は使われなかった。ただし、後者の1989年版の2曲の差し替えについては先に紹介した「Bachelor Girl」に加え、もう1曲の「白い港」も『Niagara Rarities Special』に収められた。本ボックスの目玉「『Niagara Rarities Special』のレア・トラックは、初登場の「恋するふたり(Title Back Version)」で、ドラマの中で使われた約半分の長さのまったく異なるヴァージョン。2007年の「恋するふたり(7inch Version)」は、CDと違ってフェイド・アウトのあとにダンドビドゥのスキャットが入って完奏する別ヴァージョンだ。「幸せな結末(7inch Version)」の違いは不明。最もレアなのは1984年のプロモシングル収録の「ペパーミント・ブルー(Promotion Version)」と、同じ年の12インチシングルのみのプロモ収録の「夏のペーパーバック(Promotion Version)」と「真夏の昼の夢(Promotion Version)」の3曲。「ペパーミント・ブルー(Promotion Version)」のイントロは『Niagara Song Book 2』のイントロのストリングスに一見似ているが、歌が始まる30秒の直前までリズムまったく入らずストリングスのみで演奏も違う。その後は通常の「ペパーミント・ブルー」。「夏のペーパーバック(Promotion Version)」はNiagara Fall Of Sound Orchestraのヴァージョンの253秒から38秒までの間に大滝の歌うヴァージョンを入れ込んだもの。「真夏の昼の夢(Promotion Version)」はもっと凝っていてNiagara Fall Of Sound Orchestraのヴァージョンの後の242秒から、はじめはア・カペラで、その後にストリングスに合わせて歌っていて、倍の長さになっている。その他では1981年にFiord7名義でシングルリリースされた「哀愁のさらばシベリア鉄道(Organ Version)」も収録され初CD化。ただしこのシングルのもう片方の「哀愁のさらばシベリア鉄道(Guitar Version)」は、『Snow Time』の「Siberia」の訳だが、「Siberia」は最後の高音でのギターパートをそっくりカットしてその後のアドリブ・ギターを入れている編集なので、9秒短い。なお「恋するふたり(Strings Version)」はイントロ・エレピ・ヴァージョンの方で、2013年にリリースされたNiagara Fall Of Sound Orchestraの『Niagara Song Book 30th Edition』収録の「恋する二人」はイントロにストリングス被せた新ヴァージョンは入らなかったので手離さぬよう。(「幸せな結末」の方は収録された)そしてNiagara時代のコンピ集『Niagara Fall Stars'  81 Remix Special』には1981年にリリースされたLP BoxNiagara Vox』の『Niagara Fall Stars 2nd Issue』『More Niagara Fall Stars』『More More Niagara Fall Star』からVersion2の「すてきなメロディ」(7秒長い)Yuki Ya Kon-Kon」*「Fussa Strut  Part2(最後まで歌が入っていて全くの別テイク。10秒長い)「あの娘に御用心」(アップテンポのラテンアレンジでまったくの別テイク。ドウワップのアルバムのものより1分半短い)「恋はメレンゲ」(ドラムのパターンから違いアップテンポでアコーディオンを大きくミックスした軽快な完全別テイク。10秒長いMandshurian Beat」(バックを抑えめにギター音をよく響かせ哀調サウンドになっている)「霧の乙女号」*「Ride The Wild Surf」*やVersion3の「いつも通り」(Version2よりバックのミックスが僅かに大きい)「Cobra Twist」(エンディングに笛の音が入る)「Down Town」(ヴォーカルが若干オフ気味)「The Surfer Moon」*が収録されていた。*の多羅尾伴内楽團のテイクに顕著な差はない。(佐野邦彦)





 大滝詠一「NIAGARA CD BOOK II」ジャケット

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