2002年7月9日火曜日

☆Various:『Hullabaloo Volume1-4』(MPI 6370) DVD☆Various:『Hullabaloo Volume5-8』(MPI 6389) DVD☆Various:『Hullabaloo Volume9-12』(MPI 6335) DVD

NBCで1965年から66年に渡って放送されたアメリカの音楽番組『フラバルー』は、貴重な映像の宝庫のひとつだったが、日本版でもビデオが出たものの何しろ12本組、全部合わせるととんでもない値段が付けられていてとても買える代物ではなかった。
しかしアメリカでなんと3本の DVD にまとめられてリリースされ、おまけに値段はamazon.comで送料込み$77.4、1万円程度なのでこれなら問題なく買える。ビデオ4本が入っているので1枚が270分という超お買い得な DVD になっていた。
さて各 DVD の見所を紹介しよう。なにしろもの凄い量であり、個人的に好きなものしか紹介出来ないのでその点はご承知おきいただきたい。
また、この番組にリアル・ライブはないがが、別録音のものとレコードをただ口パクしたものがあるので、以降「別録」、「口パク」として区別する。
 収録曲が多いアーティストから紹介しよう。
まずヤング・ラスカルズは "I Ain't Gonna Eat Out My Heart Anymore" 、 "Good Lovin'" が2回、 "Slow Down" と4曲。素晴らしいのは "Slow Down" 以外、歌も演奏も全くの別録なこと。フェリックス・キャバリエとエディ・ブリガティの粘っこいヴォーカルが堪能できる。なお "Slow Down" が学校の中でメンバーが黒板消しなどを叩いているコミカルなものだった。
嬉しいのはゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズだ。 "Everybody Loves A Clown" と "Run For Your Life" を口パクで歌い、ゲイリーはソロで "The Wild Blue Yonder" を、父親のジェリー・ルイスとデュオで "Help" を歌っていた。ビートルズ好きのゲイリーらしい。ゲイリーは2回ホストもやっており、その30分は全ての曲を紹介し、進行を努めていた。こうやってテレビで見るとゲイリーは実に爽やかな好青年だが、ちょっと筧利夫に似ているな。父親のジェリー・ルイスがその存在感でゲイリーを食っていたのが印象的。
ラヴィン・スプーンフルは "Do You Believe In Magic" , "You Didn't Have To Be So Nice" , "Daydream" の3曲で、すべてリード・ヴォーカルのみ別録だった。優しげなジョン・セバスチャンと、陽気なザル・ヤノフスキーの組み合わせがいい。
フォー・シーズンズは "Dawn" , "Rag Doll" , "Toy Soldier" , "Bye Bye Baby" のメドレーが見事。演奏・歌ともに別録で、フランキー・ヴァリの声量が際立つ。そして "You're Gonna Hurt Yourself" , "Working My Way Back To You" のメドレー。これも別録で、今まで見られなかったフィリップス時代の映像に感激した。しかし彼らはビジュアル向けではないな。
そしてなんとキンクスも登場する。口パクでやる気がなさそうに "You Really Got Me" と "All Day And All Of The Night" を演ずるが、この時の司会がなんとアネットとフランキー・アヴァロン。この組み合わせもおかしいのに、キンクスの後にブラザース・フォーが登場したり、ブライアン・エプスタインとアンドリュー・オールダムの対談の後、アネットらが歌ったりとにかく変。オープニングではフレディとドリーマーズがあのダンスを踊りながら出てきたので、さあキンクスはどうするかなと思っていたら、全員後ろ姿で立っていただけだった。さすが!
ローリング・ストーンズは "She Said Yeah" , "Get Off Of My Cloud" を口パクライブで。やっぱりストーンズはカッコいい。キース・リチャードがセーター姿にメガネ、動きも軽やかで別人のようだ。
ホリーズは口パクで "Look Through Any Window" と別録の "Yes I Will" だが、間奏のギターソロも違う後者が嬉しい。前者ではラグビー・ポストの下から一人づつ名前を呼ばれて登場していた。
曲だけではサークルの口パクの "Red Rubber Ball" 。初めて動いているところを見たな。この時代にツイン・ネックのギターを持っていたのには驚きだ。
ゾンビーズは別録の "She's Not There" 。コリン・ブランストーンとクリス・ホワイトだけが写り、演奏中は一回もロッド・アージェントにカメラが当たらないという、この時代に特徴的な極端な映像だ。
サイモン&ガーファンクルは別録で "Homeward Bound" 。ネクタイをしめ、いかにもIQが高いと感じさせる2人の姿が印象的だった。
他ではリトル・アンソニー&ジ・インペリアルズが "Hurt So Bad" 、タートルズが "You Baby" 、ジェフ・ベックを擁するヤードバーズは "I'm A Man" を歌う。そしてペトラ・クラーク、チャド&ジェレミーとチャド&ジル(チャドの妹)、ボブ・リンド、ヴォーグス当たりの映像は珍しいかも。
 とにかくここに書いたのは氷山の一角なので、この3枚はセットで購入しましょう。リージョン1。(佐野)


0 件のコメント:

コメントを投稿