2001年9月5日水曜日

☆ Beach Boys Rarities Vol.1-4 (Dumb Angel/DA2-5)

Dumb Angelがリリースを開始したブートのシリーズがこれ。まず Vol.1はデビュー当時の音源から68年まで収録しているが、初期音源はオフィシャルものばかり。ブライアンが歌う63年『Surfer Girl』のアウトテイク "Back Home" が聴きもの。そして『Smile』音源だが、かつてVigotoneでリリースされ、Unsurpassedに入らなかったものをここで追補としたいう印象。あとオフィシャルの『Rarities』に入った曲などでは辛い。 Vol.2は『Landlocked』丸ごとと、『Sunflower』の初期テイクが中心で珍しいものはない。これは買わなくてもOK。 Vol.3でもCalifornia Musicやソニーの『M.I.U.Album』に入っていた別テイク、『Love You』のデモなど、相変わらず珍しくもないものが多い。 "Carl & The Passions/Pet Sounds" のRadio Spotやアナログで出ていた72年の大統領選挙人登録を呼びかける "Register Vote" 、カールが呼びかける麻薬撲滅メッセージ "Get Off" は珍しいが、曲ではない。72年に録音された荘厳なオルガンをバックにマイクがリードを取る『Holland』のアウトテイク "Out In The Country" (Three Dog Nightの曲じゃない)は貴重だ。そしていよいよ重大な疑義をはらんだ Vol.4。冒頭の『Adult Child』は、ファンが勝手にリミックスした「Millennium Edition」と同一のものだった。そしてその事は何も記述されていない。私はこの「Millennium Edition」シリーズは、いくら出来がよくても作者への冒涜であり、無料サイトでダウンロードするならともかく、こうやって売りものにするのは許せないと思っているひとり。こんなものを入れてしまうとシリーズ全体の価値がなくなってしまう。残念なことだ。しかしこの Vol.4も聴きどころは少しある。ビリーヒンチが歌う "Honkin' Down The Highway" の別ヴァージョン、針飛びがなく音質が向上した "Go And Get That Girl" 、でもこれくらいだ。
(佐野)


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