2000年2月28日月曜日

☆Barry Mann:『Survivor』(BMG/BVCM37105)

ついにバリー・マンの最高傑作がCD化された。それも嬉しいことにアメリカ盤のセカンド・プレスや日本盤LPではカットされてしまった「Nothing Good Comes Easy」が入り、さらにアルバム未収録だった「Woman Woman Woman」も入ったRCA-Equinoxのコンプリート作品集だ。バリー・マン・ファンはもちろん、このプロデュースをしたブルース・ジョンストンのファン、そして全てのポップ・ミュージックを愛する人はこのアルバムを必ず聴くべきである。冒頭のC&Wタッチのロック・ナンバー「Survivor」、ピアノの弾き語りによる美しく、艶やかな表情のある名バラード「Don't Seem Right」、バリー・マンの力強い歌声に胸が熱くなるゴスペルタッチの「I Wanna Do It All」、一転伸びやかで雄大な「Taking The Long Way Home」、スピリチュアルな「I'll Alawys Love You」へと続く、LPではA面だったこの5曲の素晴らしさは筆舌に尽くしがたい。メロディの良さ、サウンドの良さだけはもちろん、バリー・マンのヴォーカリストとしての表現力に聴く我々は感動で息が詰まってしまうほど。名盤とはこういうアルバムを言う。ライナーや、他誌のレビューではこの前作の『Lay It All Out』がベストと評されているが、いかにもSSW風の枯れた雰囲気がある前作より、ウェスト・コーストの爽やかさ、そして華やかさが感じられる本作の方が私にとってはずっと好き。東の才能と西の才能が見事に溶け合っている。(佐野)
サヴァイヴァー

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