2014年6月14日土曜日

☆Who:『Quadrophenia Live In London』(Universal)


2012111日から201371日まで全米からヨーロッパで行われた「Quadrohenia四重人格)ツアー」のファイナル日のライブをCD2枚で記録したライブ盤である。「Quadrophenia」全17曲をコンプリートに再現した力作ライブで、他アンコールも含め6曲、計23曲が収録されている。ただ、このライブ企画は1996年~97年にも行われていて、その模様はDVDTommy Quadrophenia Live』で見ることができる。
メンバーはピートとロジャーの他は、ギターのサポートにピートの弟のサイモン・タウンゼンド、ベースがピノ・パラディーノというお馴染みのサポート・メンバーだが、ドラムがザック・スターキーではなく、スコット・デヴォーズで行われた。ザックはこのツアーの直前のロンドン五輪のライブではドラムを叩いていて、前述の9697年の「Quadophenia」ツアーも叩いていたが、今回は不参加だった。
フーのライブは、2011年はHMV1回のみ、2010年はスーパーボウルと小児がん基金の2回とチャリティのような参加しかなかった。2009年は9回で中8回はオーストラリア&ニュージーランド公演というどさ回りだったのに比べ、この2012年から2013年のツアーは計53回、全米を中心に最後はイギリス10回に、フランス、オランダ、アイルランドを1回ずつ回った久々に行った本格的なツアーだった。だからこうやって記録しておく必要があった。その前の本格的なツアーは日本での5回も含めた2008年のもので、全米15回、イギリス30回という大規模なもの。2006年から2007年はさらに凄くて当時最新盤の『Endless Wire』を冠にしたツアーを計100回近く行っていて現役ライブ・バンドとしての座を確かなものにしている。2005年はLive 8を入れて2回のみ、2004年は初の日本公演2回を入れて19回と、フーのライブは休養の年、リハーサル程度の年、本格的ツアーの年と順繰りに回していることがわかる。もう歳だが、ポール、ストーンズ、フーはがんばっている。かつてのライバルであるキンクスはもうずっと活動停止、レイ・デービスのソロだけがポツンポツンと行われているさみしい状態に比べ、フーは現役を続けている。ちなみに調べてみると「Tommy」を冠にしたツアーは1989年の「Tommy20周年記念」以来ない。もっとも「Tommy」の曲はいくつか選んで「ミニTommy」のようなセットが頻繁に見られたので、「Tommy」全曲っていうのは意外にもない。この89年「Tommy」ツアーも前述のDVDTommy Quadrophenia Live』で見られる。(佐野邦彦)


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