2005年10月24日月曜日

Radio VANDA第67回選曲リスト(2005/11/03)

Radio VANDA & EXPO Generation ジョイント公開録音 @ 阿佐ヶ谷:よるのひるね


佐野邦彦パート

1.We'll Make Music/Heaven Bound


2.An Angel Cried/Castells

3.I'm Falling Down/Skip Jacks(Teddy Randazzo作の快作。

 放送ではEdison LighthouseDon't You Knowとアナウンスしており、公録では実際に聴いていたのだが、編集の段階で予備のこの曲に間違えて差し替わってしまった。)

 

ゲイリー芦屋パート
4.Reflections And Images/Chuck Bolte & The Jeremiah People

5.Step Into The Sunshine/Evie

6.I Got To Know/Starbuck

7.For Me/Salena Jones

8.The Wheeler-Dealer Part.1Part.2/TM Productions Inc

 

濱田高志パート

9.Love Song Love Song/Johnny Man Singers

10.The Age Of Astrology/Johnny Magnus
11.Footprints On The Moon/Judy Lynn

2005年10月1日土曜日

☆Peppermint Rainbow:『Will You Be Staying After Sunday』(Collector's Choice/CCM611-2)


タイトル曲の「Will You Be Staying After Sunday」を始め、素晴らしいソフト・ロックのシングルをリリースしていた男女混成コーラス・グループ、ペパーミント・レインボウの唯一のアルバムが、そのままリイシューされた。プロデューサーのポール・レカの卓抜したポップ・センスが発揮された好盤で、ソフト・ロックの傑作アルバムのひとつだが、冒頭でも書いたようにこのグループの本領はシングルだった。ここには収録されていないシングル曲、ニール・セダカ作の胸のすくような快作「Good Morning Means Goodbye」と、そのB面でポール・レカ作の「Don't Love Me Unless It's Forever」、そしてその後のポール・レカ作のシングル「You're The Sound Of Love」はどれも傑作中の傑作ばかり。これらをボーナス・トラックで入れれば、このアルバムは最強の名盤になったのに...。コレクターズ・チョイスでは無理か。さてこのアルバムではやはりアル・カーシャ作の高揚感に満ちた「Will You Be Staying After Sunday」が圧倒的に素晴らしい。アルバムで聴くと歌が終わった後にオーケストラによる壮大なリプライズが出てくるので、この曲はアルバムで聴く方が絶対にいい。次に気に入っているのがバーンスタイン=ミルローズ作の「I Found Out I Was A Woman」。メロディに心引かれるフックがあり、軽快で胸がときめくようなサウンドはまるでペパーミント・レインボウのために書かれた曲のよう。ポール・レカ作の雄大な「Rosemary」もいい。オリエンタルなテイストがいい味を出していて、冒頭のオーケストレーションは、往年の東映動画長編アニメーションを見ているかのようだった。哀調を帯びたポール・レカの「And I'll Be There」もコーラスとサウンドが一体となって聴きごたえがある。(佐野)
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☆GoldeBriars' Story:Whatever Happened To Jezebel?(CD-Rom eBook)

このCD-Romはゴールドブライアーズのメンバーであり、最近では60年代にカートベッチャーらの協力を得て録音していた未発表曲集『Sometimes Happy Times』をSundazedからリリースしたドーティー・ホルムバーグが、ゴールドブライアーズの始まりから解散、そしてメンバーのその後を130点を超える貴重な写真とともに199ページにも渡って書いたストーリーブックだ。グループの中心であるカート・ベッチャー中心に書かれていて、カート・ファン、いや全てのポップス・ファンにとって必読の内容と言えるだろう。3枚目のアルバムが録音され発売直前まで行っていたのにグループの解散でお蔵入りになってしまったこと、セカンド・アルバム以降はドラムにロン・エドガーを入れるなどバンド形式にグループを変え6人組で活動していたことなど初めて知ることばかり。ドーティーの姉であるシェリ・ホルムバーグが、後にキース・オルセンの妻になっていたなんてことにも驚かされた。そして嬉しいことに1964121日にABCテレビで放送された「Hootenany Show」でオン・エアーされたゴールドブライアーズの「Sara Jane(後のサード・アルバムの収録されるはずだった)がフルで見られる。カートらが黒のタートルネック、ホルムバーグ姉妹が黒髪のおかっぱ頭のファースト・アルバムの時の服装で、歌はリアル・ライブだった。動くカート・ベッチャーが見られるなんて夢のようだ。そして音声トラックにドーティ・ホルムバーグの前述のソロ・アルバムに収録できなかった未発表曲「Hopscotch」も収録されていた。なおこのCD-Romのタイトルの「ジェザベル」とは、ファースト、セカンド・アルバムのジャケットにどちらにも写っていた木彫りの人形の事だ。(佐野)
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☆Brian Wilson:『What I Really Want For Christmas』(BMG/31179)


 ブライアンのソロとして初めてのクリスマス・アルバムが1018日に発売される。どうなのかなと期待とちょっと不安が交ざったこのアルバム、何回か聴いてみたが、正直な感想はまあまあってところ。気に入ったのはオリジナルで新曲のクリスマス・ソングだ。ブライアンがジョージ・ガーシュインやコール・ポーターなどから連綿と続くアメリカン・メロディ・メイカーの実力を発揮してくれる「What I Really Wnt For Christmas」は流麗なメロディがあふれ出している。作詞はバニー・トービン。そしてジム・ウェッブが作詞をした「Christasey」は、ブライアン得意のメロディ・ラインによる美しいナンバーで、バッキングのパーカッションが軽く『Pet Sounds』風で微笑ましい。2001年にウォルマートの店内だけで販売したCD『20 Christmas Stars』に収録されていた「On Christmas Day」は、エコーを増やしてリミックスされた。この曲も心引かれるメロディがあり、もったいないと思っていたので嬉しい収録だ。オリジナルでも1964年の『The Beach Boys' Christmas Album』からのセルフ・カバーは微妙な仕上がり。「Little Saint Nick」と「The Man With All The Toys」は、かねてからロックンロール・アルバムを作りたいと言っていたブライアンの意向かビートが効いていて、後者は間奏以降サックスが入ってロックンロールっぽくなる展開を見せる。オリジナルではないが「Auld Long Syne」は当時と同じくア・カペラ。ただ転調するタイミングが遅いのでちょっと間延びした印象があるだろう。ロックンロールっぽいと言えば「We Wish You A Merry Christmas」はワルツのリズムでクリスマス風に歌われるが、間奏以降、テンポアップしてロックンロールになってしまう。その他の8曲は聖歌やクリスマス・スタンダードで、それぞれブライアンお得意のコーラスをフィーチャーしながら、基本的にクリスマスらしいアレンジで歌われる。その中の「Joy To The World」は1997年のクリスマス・コンピ『Christmas Spirit』に収録されていたテイクの再録だ。全体的にいいんだが、アレンジ的にはフィル・スペクターの『A Christmas Gift For You』には及ばず、楽しさもベンチャーズのクリスマス・アルバムにはかなわない。もちろんビーチ・ボーイズのクリスマス・アルバムの若々しさは得ることができないので、「まあまあ」という評価になってしまう。クリスマスものというのは難しく、往々にしてクリスマスらしく作ろうとして、自分自身の色が出せずに、自己満足に終わってしまう場合が多い。その点、このアルバムには「Deck The Halls」のように大きくアレンジを変え成功したものもあるし、そういった自己満足アルバムよりははるかに良い。オリジナルが良かったので、もっとオリジナルを多くすればというのが個人的な思いである。最後に、消化不良な感じが残るのは、ブライアンのサイトで配信していた「Silent Night」が、そのまま最後に収録されていたからかな。このア・カペラのアレンジははっきり言って出来がよくない。(佐野)
What I Really Want for Christmas

☆Harpers Bizarre:『As Time Goes By』(Muzak/MZCS1076)


ハーパース・ビザールの全ての5枚のアルバムが紙ジャケでリイシューされた。私は紙ジャケには興味がないので、内容が同じ60年代の4枚のアルバムは買わなかったが、76年にテッド・テンプルマン抜きで録音されたこのリユニオン・アルバムは購入した。ただしこのアルバムのCD化は今回が実は2回目。かつてやはり日本でリイシューされたが、担当者の下品な趣味の巨乳のヌード・ジャケに変更されていたため、あまりに頭に来て買わなかったのだ。今回はオリジナル・ジャケに戻されていた。グループの核のテッド・テンプルマンが抜け、レニー・ワロンカーがプロデュースしていなくても、あのキラ星のようなアレンジャー達がいなくても、サウンドはオールド・タイミーな香りのするあのハーパース・ビザールのサウンドだったので、安心して聴ける。ディック・スコバトーンのオリジナルもいいし、大健闘と言えるだろう。私は甘いがパンチに欠けるハーパース・ビザールにはあまり思い入れがないのだが、この手の再結成ものはほとんどが悲惨なものなるのが常なのに、ちょっと驚かされた次第。お洒落な「Speak Low」がいいね。(佐野)
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